土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖    夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

自己満足ブログ
時は来ない!!…それだけだ。
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    先日亡くなられたプロレスラーのビッグバン・ベイダー氏に続いて、今度はマサ斎藤さんが亡くなられてしまいました。(以下、敬称略)

     

    ベイダーはビートたけし率いるTPJ(たけしプロレスプロジェクト)からデビューしたんですが、デビュー当日、藤波&木村健吾組とのタッグ戦でデビューする予定だったんですが、奇しくもこの際にベイダーのタッグパートナーを務める予定だったのがマサ斎藤だったんですね。でも、リングで突如マサ斎藤が猪木に対してベイダーと戦う事を要求。セコンドでついてきたたけし軍団の連中も大騒ぎ…で、結局猪木はベイダーの挑戦を受けて急遽メインイベントだったIWGPの猪木vs長州戦は猪木vsベイダー戦に変更されてしまう。

     

    でも、ファンはあくまで猪木と長州の試合。ファンのブーイングは凄まじく、会場で暴動まがいの事まで起きたんですね。

    この事件に関わる2人が近しい時に相次いで亡くなる…というのは、なんだか因縁めいたモノを感じるなぁ、と。

     

    そういや確かこの日、今じゃ国会議員の馳浩がデビューしたんだっけ。

    ともあれ、ベイダー氏、マサ斎藤氏のご冥福をお祈りいたします。

     

    で、今回はプロレスネタという事でコレ。

     

    堀博昭「うららちゃんはプロレスなんて大嫌い!」 現在1巻が発売中

     

    学校で一番の美少女とも噂される桃乃井うらら…彼女にはクラスから浮いている、という大きな悩みがあった。その原因は事あるごとに彼女にプロレス技を仕掛けてくる超プロレスオタクな兄の存在。うららは普通の学生生活を送る為、兄に勝ちプロレス卒業を目指すが…

     

    という、ギャグ漫画です。描いている堀博昭氏は主に成人…早い話、エロ漫画界で活躍されている人。

    この作品、基本は兄と妹がプロレスごっこを繰り広げる…というだけの漫画なんですが、描いている本人が相当なマニアなのが伺える一品。出て来るネタが、まぁ濃厚な事濃厚な事…健介&北斗晶ネタとか武藤ネタならまだしも、今の若い子…いや、若くなくても「タココラ問答」とか「小原、後藤の犬軍団」とかわかんねぇよ!!それに、

     

    どこの世界のJKが、「平成維震軍を知らないとハブられる」んだよ!!(笑)

     

    全日、新日、ノア…100歩譲ってUインターやFMWがメインってのならまだしも、メインがWJってどーゆう事なんだよ!!(笑)

    ミニスカセーラー服の美少女女子高生がプロレス、しかも作者がエロ漫画で有名な人…故にムチムチな太ももとかパンチラシーン続出の売れし恥ずかしなセクシーっぷり(ポロリはない)も、プロレスネタの濃さで消し飛んでいます。正に

     

    「1+1は2じゃないぞ!この漫画は1+1で-200だ!! -10倍だぞ-10倍!!」

     

    な感じですわ。そもそも昨今密かにブームなレインメーカーだの棚橋だのといった女子受けしそうなレスラーのネタは皆無!!男臭くて古臭いプロレスネタのオンパレード!!しかも、ネタがディープ過ぎるというか、ハードコア過ぎるというか…こんなニッチなネタ連発していて果たしてついてこられる読者いんのかコラァ!!…っつーか、こんなんで2巻大丈夫なのか?(苦笑)

     

    ただ、うららや兄が繰り出す技の数々が、その発生から割と詳細、かつ丁寧に分かり易く描かれているのは偉いと思うんだ、ウン。

    あんなキレイなゴッチ式パイルドライバー、そうそうお目にかかれないぜ!?

     

    まぁ…昔プロレス好きだったよ、という程度の下地もない人にはオススメ出来ない作品です。

    多分、ぽかーん…となってしまうでしょうからね、コレ。

     

    余談なんだけども、長州小力さんのネタで「キレてないですよ」ってのがあって、コレが本作のサブタイトルにも採用されてるんですが、本来は

     

    「キレちゃいないよ。」

     

    なんだよね。ちなみに言ったのはUと抗争していた頃の、安生とのシングルマッチ勝利後インタビュー中ですね。

    「キレてないですよ」になっちゃったのは大体くりぃむしちゅーの有田さんのモノマネが原因ですわ。

     

     

     

     

    | 零哭堂 | 漫画 | 22:26 | comments(0) | - |
    肌色率は高い。(但し男の)
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      今回はアニメが放送開始する(した?)コレ。

       

      井上堅二&吉岡公威「ぐらんぶる」 現在11巻までリリース(写真は11巻)

       

      とある大学のダイビングサークルの活動を描いた青春コメディです。

      原作担当はライトノベル「バカとテストと召喚獣」の人で、作画は「甘城ブリリアントパーク」や「輪廻のラグランジェ」のコミカライズを担当した人。ただ絵柄は所謂ラノベにありがちな萌え絵路線ではなく、ヤング誌相当のキャラクターデザインになってます。

       

      さて、本作なんですが…ダイビング漫画なんですが、殆どダイビングはしません。いや、ダイビングのシーンもちゃんとあるし、ちゃんとした描写にもなってはいるんですが、作中の8割方は男どもが全裸か半裸で飲み会に興じている…という、ある意味コレ、大学サークルあるあるなのか?ワタクシ大学行ってねぇけど。(笑)

       

      ダイビングを題材にしていますが、描かれるのはサークルでの青春模様という言わば日常系な作品になってます。ただ

       

       

      その"日常"という奴がこんな感じである意味非日常だったりしますが。(笑)

      基本、バカな大学生がバカなノリで大騒ぎ…という作品なんですが、サークル内のギスギスした人間関係みたいなのは殆ど描かれず、先輩キャラクターは強引かつ無茶苦茶ではあるものの良い先輩している描写があり、陰湿な描写がないカラッとした作品です。ダイビングに特化もしていませんし、いい感じの青春譚と言えるんじゃないかと。

       

      それと、主人公の伊織の性格、割と好感が持てるって人は多いんじゃないかと。

      バカでスケベで無神経で下種…というどうしようもない奴ではあるんだけども、妙に筋の通った所があって…説明しにくいんですが、人を見る目があり、本質的な部分で他人を否定しない、というキャラクター。先輩達に「面白い」と評され、同世代の仲間からはなんだかんだ言いつつも信頼されているのが見て取れる嫌味の無いキャラクターです。この手の作品で「好感を持てる主人公」というのは強いですよ、ええ。

       

      そして女性陣も性格や性癖面は置いておけば、見目麗しいキャラクターが多いのでそっち方面で漫画、ないしアニメに期待してもその点では裏切られないかと。

       

      こんなキレイなお姉さんも出てきます。(ただ、作中屈指のアンタッチャブルな人でもあったり/笑)

       

      …肌色分は男どもの方が圧倒的に多いのが難点と言えば難点なんですけどね。(笑)

       

      基本、彼らの楽し気な大学サークル生活…バカな事やって、笑って騒いで、時に真面目な青春模様を腹抱えながら笑って読む…というのが本作の楽しみ方ですわね。明るく、楽しいバカ漫画です。

       

      …ただなぁ…あるキャラクターがそっち方面な疑惑があったりしますし、腐ったお姉さん方の燃料になってしまう可能性があるんだよなぁ…まぁ、腐ったお姉さん方は「トランスフォーマー」とかですらそういう方向性へもっていってしまう程の妄想力の持ち主だからなぁ…。

       

      まぁともあれ、アニメ版見よっかな、という人は参考にしていただければ。

       

       

       

      | 零哭堂 | 漫画 | 00:10 | comments(2) | - |
      よろしく俺にチューニング
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        本日はコレ。

         

        次原隆二 「よろしくメカドック」 全12巻

         

        先日、クルマにて仕事場へ向かう途中、対向車線に今は懐かしいトヨタセリカXXが。

        あ〜懐かしいなぁ…等と見ていたら、何と!!そのボンネットには赤に白い文字で「メカドック」と書かれたステッカーがデカデカと貼ってあったのです。XXのボディカラーは白…おお、原作バージョンのキャノンボール仕様じゃないか!!アニメ版は赤だったからね、等と一人車中で喜んでしまいました。

         

        オーナーの方、相当な「メカドック」ファンなんだろうなぁ…セリカXX、これからも大切に乗ってあげてください。

         

        と、いう事で現在40歳以上の人が免許を取って最初に買ったクルマに少なからず影響を与えた、という話も聞く「よろしくメカドック」です。結構子供の頃の刷り込みとでもいいましょうか、鮮烈な印象を持ったクルマってのはクルマ好き少年なら後々まで引っ掛かってしまう…という事はある様でして、私の学生時代の友人の知り合いは大の「西部警察」好きで、遂にはマシーンRSに似た赤と黒のツートンのスカイラインRSを買った、なんて話をしておりました。実際、現在ワタクシの愛車であるホンダN-ONE ModuloXも、小学生の頃好きだったホンダシティターボ2に近い物を感じたから…というのもあったりします。

         

        …オトコにとっての初恋の人(クルマ)ってのは、永遠なんだよ、ウン。

         

        さて、この「よろしくメカドック」ですが、ジャンプでクルマ…というと、やはりスーパーカーブームを巻き起こした「サーキットの狼」がある訳ですが、華やかなスーパーカー目白押しな「サーキットの狼」とは違い、「メカドック」は基本的には国産車をチューンしたクルマがメイン。主人公の風さんこと風見潤も類まれなるドラテクの持ち主ではあるものの、目指すのはレーシングドライバーではなく、「国産のF-1マシンを作る」というのが夢。この辺は「サーキットの狼」はおろか、後に続く「頭文字D」とかにはない独特の要素かと。

         

        主人公がチューナー兼ドライバーだからこそ、例えばロータリーエンジンの利点、とかターボラグの解消法、なんてクルマの技術的な部分での開設が入ったりして、子供ながらに「何だかよくわかんねぇけど、すげぇ」となった訳で、ただ走っているだけのクルマ漫画とは一線を画したものになっていたのではないかと。ただ、キョーミ持っている人にはともかくキョーミ持ってない人にはツライ漫画、というのも残念ながら正解で、実際人気低迷で打ち切られかけた、という経緯を持つ作品でもあります。アニメ化が決まったおかげで復活したんですよね、確か。

         

        物語の構成はキャノンボールトライアル、ゼロヨングランプリ、東日本サーキットGP、水戸コンツェルン、と大まかに分けて4つのエピソード構成ですが、日常パートではコミカルなシーンも多く、ジャンプらしいメカドックの面々の友情を描いたエピソードもあったりして、クルマに然程キョーミがない人でも最低限読めるレベルにはなっています。また、国産チューンドカーがメインではありますが、ヒロイン達の愛車としてエンスー受けしそうなトヨタS800やホンダS800といった旧車、ライバルとしてFIAグループ5カテゴリ…所謂シルエットフォーミュラーや完全オリジナルマシンなんかも登場します。このオリジナルマシンが結構カッコよくて、五十嵐のボブキャットはカウンタックとかを更に近未来スタイルにした感じで、兵藤さんのペガサスは流麗なラインのクーペスタイル、ナベ7さんのSSはグループCカーの様な佇まいで個性的でした。特に兵藤さんのペガサス、大して活躍しなかった気がするけどかなり好きなんですよ、ワタクシ。

         

        実は本作、ワタクシが最初に買った漫画単行本でして、思い入れ一入なのです。

        一番好きなのはやっぱりゼロヨングランプリかな。CR-Xミッドのカッコよさも然ることながら、ゼロヨンなのでタイマンバトルで決着も早かったのがテンポ良くて好印象です。好きなキャラクターは何といってもハイギヤードの東條さん。好きな登場車は

         

        CR-Xミッド(ゼロヨン)

        ナベさんの240ZG(キャノンボール)

        紫電改のハイパーソアラ(ゼロヨン)

        兵藤さんの夢幻ペガサス(東日本)

        いっつぁんのブルドッグ(東日本)

        東條さんのピアッツァ(キャノンボール)&MR-2(東日本)

        小町のヨタハチ

         

        等々…うーん、書き切れない。(笑)

         

        あ〜、書いてたらまた読み直したくなっちゃったよ。

        ちなみに、ホンダのHPにて「よろしくメカドック STEP WGN ModoloX編」がアップされてます。何でもホンダの広報マンが「メカドック」の大ファンで、自分でネーム書いて次原先生に直談判したんだそうで。「メカドック」のイメージを崩さない、上手い広告漫画になっています。

         

        …どうせならN-ONE ModuloXでもやってくれないかなぁ…。(笑)

         

        後、こんなのもあるんですねぇ…買って愛車に貼ってみようかな。(笑)

         

        余談ですが、クルマ好きとかがネット上…多分2chとかでなんでしょうが、繰り広げているのであろうマウント合戦は正直見苦しいと思うのです。いい年して軽乗ってる男は貧乏人でみっともない、だとか、逆に軽をバカにしてる普通車乗りは経済観念が無い、とか、青のインプとか黄色のスイスポ乗ってる奴は童貞のオタク、とかそういう奴。

         

        実にくっだらねーな、と。

         

        あのクルマはデザインがダメ、とか足回りが弱い、とかってクルマそのものを評するのはいいのよ。例えばトヨタ派とホンダ派、とか、クルマに関する意見をぶつけ合うクチプロレスとかなら面白い話とか出て来るんだけども、それが乗っている人、好きな人に飛び火した物言いをしてしまうのは違うだろ、と。

        クルマに乗っている人間に勝手なレッテル貼ってバカにする…ってのは、クルマ好きのやるこっちゃねぇよ。こういう連中はさ、クルマが好きなんじゃなくて「世間的に評価が高い車に乗ってる自分」が好きなんだよ。そういうファッション野郎は、自分のチンケなプライドを一生後生大事に抱えて今後も生きていけばいい、と思うんですわ。

         

        | 零哭堂 | 漫画 | 21:16 | comments(0) | - |
        小池一夫御大の最高傑作?
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          「艦隊これくしょん」と「変態エレクチオン」は語感が似てますね。

          と、いう事で今回はコレ。

           

          小池一夫&叶精作 「実験人形ダミー・オスカー」 全19巻

           

          生きている人間と見間違うほどの精巧なダミーを作る人形師・渡胸俊介。彼は気弱で頼りない、シンボルも短小な冴えない男だが、ショックを受けると一時的に筋肉質で剛腕、傲慢、そして巨根の持ち主・オスカーに変貌する二重人格者。そんな彼はとある事件に巻き込まれアメリカへの逃避行する最中、行く先々で知り合った女たちのトラブルを解決していく…。

           

          「子連れ狼」等で知られる劇画原作者の小池一夫先生の原作作品で、篠山紀信を有名にしたり、創刊号ではデヴィ夫人のヌードが掲載されたりした男性向け総合詩「GORO」に連載されていた、という特殊な経緯の作品。内容的にはハードボイルドセクシー劇画、といった感じか。

           

          この作品、事あるごとに出て来る

           

          答えてくれ 女よ

          可憐な乙女たちは

          どこへ行ったのだ

           

          白いブランコにのせ

          髪に野のバラを

          さしてやりたくなるような

          乙女たちは もういないのか

           

          というポエムといい、例えば

           

          コレとか

           

           

          コレみたいな描写やら、

           

           

          こんな無茶な台詞が目白押しなせいで、ネタ漫画的にしか捉えられていない気がします。

          でも、そういう…ネットなンかの評判、言わばネタ漫画的なイメージしか本作に対して持っていない人にこそ、本当の「実験人形ダミー・オスカー」を読ンで欲しいんですよ。何故なら、ネタ漫画などでは決してなく、ホントのホントにすっげぇ面白い劇画作品だからなンです、ええ。

           

          いや、話の展開はかなり無茶苦茶ですし、主人公のやることなす事大抵荒唐無稽、出て来る美女は総じて欲求不満で淫乱、気の弱い渡胸が優しげな言葉を発したかと思ったら、すぐにオスカーが出てきて下品でエロいがやたらカッコいい台詞を飛ばしまくる…という、正直気が狂ったかのような作品なンです…なンですがッ!!それでも読む乱すと止められない、抜け出せない。

           

          イチモツをバットに見立てたり、全裸でローラースケートを飛ばしたり、と下品なギャグ漫画チックな描写があったかと思えば、まるで洋物ポルノの様な派手なSEXが繰り広げられ、やっている事自体は無茶苦茶なのに、背骨としてちゃンとした物語が展開されていたり…と振れ幅が大きいにも関わらず、漫画作品としては意外な程バランス良く成立してしまっている…この馬鹿馬鹿しさとドラマチックさが混然一体となっている部分、コレって主人公・オスカーと渡胸俊介の関係にも似ているンですね。

           

          好き勝手に無茶苦茶やるオスカーの中にも、渡胸俊介との軸が残っている…彼、いや彼らを描いた物語故に、作品自体もギャグ的要素とシリアスさが違和感なく混然一体になっているンじゃないか、と。そうなるとコレ、キャラクターマンとしての小池一夫先生の真骨頂ですね、ええ。

           

          そんな傑作「実験人形ダミー・オスカー」は意外な所で後年に影響を与えていましてね、例えば昔、英知出版という出版社がありました。80年代から2000年代にかけてエロ雑誌やAV女優の写真集なンかよく出していた会社…現在30〜40代の男性諸氏は、昔お世話になってました、という人も多いンじゃないかと。その英知出版が出していたエロ雑誌に、「でらベッピン」というのがあったンですが、コレ、本作からの引用です。

           

           

          オスカー曰く「デラックスなベッピン」で「デラベッピン」(笑)

           

          ともあれ、「実験人形ダミー・オスカー」はネタ漫画ではなく、実はかなりスゴイ作品なンですよ。

           

           

           

           

           

           

           

           

          | 零哭堂 | 漫画 | 20:37 | comments(0) | - |
          「ブラックラグーン」
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            やっと新巻が出たと思ったら、「その作品と無関係な作者が原作を担当したアニメの宣伝」と「過去のエピソードの再録」でした〜という作品は、漫画好きな人ならピンと来る方もおられるかも知れませんが、

             

             

            コレの事ですわ、ええ。

            まぁ、私は割と無関心なのですが。

             

            理由は、切った作品だから…なのですね、実の所。どのタイミングだったか…ですだよ姉ちゃんやらモーゼル使いのカッコつけ兄ちゃんが出ていた頃には最早ギャグ漫画を読むかのような視点でしか見られなくなっており、もっと突き詰めて言えば…日本でのエピソードの際にはもう冷めてしまってましたね。

             

            いやね、本作に関して否定的な評としてよくある

             

            仁王立ちしているのに主要キャラには弾が当たらない、弾倉には弾が無限に入っているかのような銃撃戦

            うすら寒い厨二的なカッコつけな台詞回し

            ポンプアクションのMAG-7で二丁拳銃なんて出来る訳ねぇだろ

            アーメンハレルヤピーナッツバターなノリが意味不明

             

            …というのは、割とどうでも良いんです。私が覚めたのは主人公の一角・レヴィの発言の矛盾です。自サイトでも書いた事があるんですが、レヴィのキャラクター…その発言の節々に筋が通っていない、と言いますか、キャラクターに芯が通っていないのが透けて見えてくるんですよ。最初に気になったのが、海底に沈むナチスの絵画をサルベージする依頼で、レヴィがネオナチの隊長が自慢の愛銃の説明をしている所を返り討ちに…というシーンで、

             

            「こんなのは撃てて当たればいいんだよ」

             

            等という訳ですが、そういった本人も後生大事にカスタム銃を二丁もぶら下げてるじゃねぇか、と先ずこのシーンに引っ掛かってしまった訳です。そしてその後、日本編においては中国から密輸したトカレフ(正確には中国製の51式か54式だろ…というツッコミはまぁどうでも宜しい)しか入手出来ない事を嘆いて、挙句の果てにはご自慢の愛銃を密かに取り寄せてもらっている訳でね、そうなると

             

            「銃なんて撃てて当たればいいんじゃないんですかい?姐さん」

             

            位言いたくなりますわな。中国製トカレフが当たるのか?というのは置いておいて、ではあるんですが。(苦笑)

            何だか、芯を感じないんですわ、レヴィというキャラクターに。それはそのまま作者にも当てはまってしまう様で、「銃を構成するのは鋼と木!これが基本!」等と拘っている様な発言をして実際に作中でもポリマーを多用した銃を使っている主要キャラクターがエダ位だったりしているのに、「銃は飽くまで小道具として描いています」的な逃げ口上で、ポンプアクション散弾銃で二丁拳銃、みたいな事をやらかしてる訳です。拘っているのかそうではないのか、どっちやねん!と。

             

            いや、別段作者の広江礼威氏の作風が嫌い、という訳でもないんですよ?「ブラックラグーン」信者には「打ち切られて当然、『ブラックラグーン』こそが至高!」みたいに言われがちな「SHOCK UP!」とかはむしろ好きです。でも、「ブラックラグーン」は…最初の初見でこそ好印象だったものの、気になりだすとまぁ引っ掛かる引っ掛かる…ハードボイルドガンアクションの最高峰、的な持ち上げ方をされてますが、

             

            伊藤明弘 「ワイルダネス」 現在7巻で休載中

             

            コッチの方が私は好きなんですよ。銃撃戦の描写や台詞回しなんかも含め。

            この「ワイルダネス」も長期休載中ですが、こちらは作者の伊藤明弘氏が病気で利き腕をまともに動かせない…というやむを得ない理由があり、それでもリハビリとして「ABLE」という作品を描いて完結させていますので、「ジオブリーダース」と同様続きが描かれる希望がある作品なんですね。

             

            更に言ってしまえば、台詞回しをネタ的に楽しむ、というやや邪な楽しみ方をするなれば、今度は

             

             

            コレとかありますからね。(笑)

            ま、ともあれ言えるのは私には合わなかった、という事でしょう。更に言えば合わなかった上に代替となりうる別の選択肢があった、と。だから別に「ブラックラグーン」のファンだという人にケチつけたい訳ではないですし、ケチつけた所で建設的ではない訳で。

             

            え?この記事でケチつけてるじゃねーかって?

            作品にはケチつけてるけど、その作品のファンにはケチつけてません。

            好きな人は好き、嫌いな人は嫌い、で、私は嫌いだった、と、そういう事です。

             

            好きな方でも嫌いな方でも粘着し過ぎると、むしろ目は曇るよね、と。作品に惚れ込むは結構ですが、信者にはなりたくないものです。

             

            | 零哭堂 | 漫画 | 21:17 | comments(0) | - |
            「僕らはみんな河合荘」 10巻
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              と、いう事で本日のお題はコレ。

               

              宮原るり 「僕らはみんな河合荘」 10巻

               

              はい、と、いう事で今回は「河合荘」のリリースされたばかりの10巻です。

              現在こちらのブログに転居中で後は契約切れの閉鎖待ち状態になっているワタクシのHP「ミイラとりがゾンビに」からコチラを見に来て下さっている方は覚えていやも知れませんが、完結に向けての「河合荘」落としどころ予想、みたいなのを「クローズアップ100選」というのでやっていたんですが…その時に書いた記事

               

              1.シロさんが河合荘の出来事というか面々をモチーフにした小説を出版。タイトルも「僕らはみんな河合荘」だったり。で、実は律ちゃんに進められて宇佐君が読んでいた探偵モノと思しき小説の作者も実はシロさんで、ロクに働いてもいなさそうなシロさんは結構な額の印税を貯めこんでいた事が発覚。んで、麻弓さんが「シロのくせに優良物件だったんじゃねぇか!!」みたいなツッコミを入れて終わり。

               

              なんて予想を立てていたんですが、今回の10巻ではシロさんの友人・飯島君登場…でも学生時代にシロさんが書いた試験管(オス)と人体模型(メス)のエロ小説を「安易」と切り捨てたエロートにしてエロの4大文明の飯島君ではなく…という展開でしたが、ここで

               

              ワタクシの1.の予想、半分位正解に。(笑)

              残念ながら、宇佐君と律ちゃんが急接近するきっかけとなった探偵モノの小説…恐らく今回高橋先輩が持ってきた「女装探偵」ではなく、最近の律ちゃんのオススメ本、という形でしたが、実は印税貯めこんでいて…というのは正解でしょう!!それに対する麻弓さんの反応は私の予想より遥に彼女らしく、面白いものでしたが。この辺はやっぱりね、作者としてのキャラクターへの思いと言うか、送り手と受け手という立場に置いてのキャラクターへの愛情の違い…という奴なのでしょう。

               

              それと、律ちゃんまっしぐらだった宇佐君、ようやく叶った彼の恋心全開で律ちゃんの方も何だか余計に可愛くなっちゃって…という、「リア充爆発しろ」な展開が9巻から続いている訳ですが、一方で一途に律ちゃんを思い続ける宇佐君に対してホの字?(死語)と目されていたキャラクターへのそれぞれの決着も垣間見れた巻となっています。そうなるとホント、いよいよもってこの「僕らはみんな河合荘」は完結するんだな、というのをしみじみと感じ、ちょっとセンチな気分に。

               

              ただ、ラストに発した宇佐君からすれば驚愕の一言が律ちゃんから発せられ、例の件で何だか関係がギクシャクし始めたシロさんと麻弓さんも含め、どうやらもう一波乱ありそうですが。

               

              さて、宮原先生のもう一つの作品で本作と同様アニメ化も果たしている「恋愛ラボ」の方も、クライマックス状態で間もなく完結しそうな予感なんですよね。そうなると宮原先生の次回作が気になる所…となる漫画好きの方も多かろうとは思います。でも私が両作品完結後の先生に臨むのはコレ。

               

              「みそララ」 現在6巻で休載中

               

              コレの続きなんですよ!!「恋愛ラボ」と「河合荘」が立て続けにアニメ化した為、かなり多忙になっちゃったのかも知れませんが…ワタクシ、というか本作のファンはずっと連載再開を待ってるんですよ!!

              コレもいい所で3年も止まっちゃってるんですよ!!

              続きを読みたいんですよぉぉぉぉ!!

               

              誰とは言わんがやっと新巻?が出たのかと思ったら「その作品と無関係な作者が原作を担当したアニメの宣伝」と「過去のエピソードの再録」でした〜なんて事をやってる「描く描く詐欺」な作家とは違う、と信じておりますよ、宮原大先生。

               

               

              | 零哭堂 | 漫画 | 21:36 | comments(2) | - |
              語尾におじゃるはつけません
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                今回はコレ。

                 

                灰原薬 「応天の門」 現在8巻までリリース

                 

                現在では学問の神・天神様として受験生や学生に信仰のある菅原道真と、「古今和歌集」において六歌仙として記されている歌人の在原業平を主人公としたサスペンスミステリーです。平安時代を舞台にした漫画…というと、「源氏物語」的な雅〜な感じで展開される恋愛主体の少女漫画…というパターンが多い気がしますね。実際、少年誌や青年誌において漫画の題材としてよく使われるのは戦国時代や幕末といった血煙あげて戦いを繰り広げた時代のものが多い訳で、そりゃそうですよねぇ、否が応でも戦闘シーン、アクションシーンが多くなりますし、逆に権謀術数な政治劇としても描きやすい題材ですから。まぁ、フィクションとして創作するにあたり便利で、かつ魅力的な時代だというのは分かりますよね。

                 

                そこへ行くと平安時代は…こういう言い方しちゃうとメンドクサイ人達がケチつけに来ちゃうんですが、女の子向けとしては雅な貴族たちの時代で十二単とか和歌といった魅力的な要素が多いんですが、男の子向けとしてはちと弱い…そういう印象は強いんじゃないかな、と。

                 

                …あ、平安時代と言うと「陰陽師」って題材もありますね。陰陽師ネタなら式神を駆使した妖怪物怪とのバトルシーンも描けるじゃないか!!という意見もあるかと思いますが、その実、陰陽師そのもの…例えば安倍晴明とかを描いた作品って割と「どっちかというと女子向け」的な作り方をしている作品が多く、男子向けに作られる陰陽師を題材にした漫画って結構舞台は現代や近未来的な作品が多い気がします。例えばアニメにもなってる「双星の陰陽師」とか「東京レイヴンズ」とかですか。後者はライトノベルですが。

                 

                そんな訳で、平安時代を題材にしながら、歴史の授業でも習った記憶がある摂政政治…藤原氏が政治の中枢を牛耳ていた、という時代的背景を良質なバディモノのサスペンスミステリーに仕立てているのが先ず本作の見どころな訳ですよ。

                 

                知恵者で頭の回転も早いがやや世間に疎く性格も未熟な菅原道真と、女たらしだが交友関係が広く世間を知っている大人な在原業平…という対照的な人物描写も面白く、登場人物達の相関図も分かり難い様に見えて、実は割と分かり易かったりと詠みやすい作品になっています。平安時代についてのウンチクにも偏っていないので、時代モノ、歴史モノに興味が薄い人でも割と取っつき易いんじゃないかと。

                 

                描かれる事件も妖怪物怪といった荒唐無稽なものではなく、そういったモノを利用した誰かの犯罪、という描写を徹底しており、その裏には政治権力を巡る権謀術数がある…という構図実に読ませる漫画なのです。私自身、歴史に興味があるとはいえ割と限定された興味…はっきり言ってしまえば然程平安時代には惹かれなかったんですが、この漫画で少し興味持ちましたよ、ええ。

                 

                ちなみに、道真とはある事件で知り合い、彼に女房(妻ではなく女性の使用人の意)として引き取られた白梅という少女がいるんですが…名前に「梅」が付きますから、恐らくは「飛梅伝説」の梅が本作では彼女の事なのではないかと。飛梅伝説というのは、道真が藤原時平との政争に敗れて大宰府に左遷された際、

                 

                東風吹かば にほいをこせよ 梅花 主なしとて 春を忘るな

                 

                と詠み、彼との別れを惜しんだ庭木達が枯れ果てる中、梅と松だけが道真の後を追い空を飛び、松は途中で力尽きたが梅は大宰府までたどり着いた…という伝説。道真が天神様として登場する漫画「ノラガミ」では彼の道標(神に従い神としての在り方を示す眷属)として梅雨というキャラクターが登場するんですが、実は彼女は人間ではなく梅の精、という設定。これは能の演目の一つ「老松」において梅の精が擬人化された紅梅殿がモチーフなんじゃないかと。

                 

                それはともかく、白梅は女房となった経緯から道真に強い恩義を感じてはいるものの、恋…というか憧れを抱いているのは道真ではなく業平。しかも道真には既に史実通り島田宣来子という許嫁がいて、彼女は道真にぞっこん。白梅は宣来子の恋の相談相手になっている描写が。ただ、道真が大宰府に左遷された際は宣来子は京都に残ったとされている様で、それに対して白梅が「飛梅伝説」に絡めたキャラクターだとしたら、その辺の経緯がどうなるんでしょうか?

                 

                この「応天の門」が道真が大宰府に左遷されるまでを描くかは分かりませんが、気になる所かと。

                 

                本作「応天の門」の最新9巻はもうすぐ発売!!今から続きが気になります。

                 

                 

                | 零哭堂 | 漫画 | 13:35 | comments(0) | - |
                1/144シャア専用ザクの弱点は足首が曲がらないこと
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                  「プラモ狂四郎」 全15巻(写真は文庫版)

                   

                  少し前、この「プラモ狂四郎」の原稿が盗難にあってそれがオークションサイトに出品されていた、なんて記事が一部ネットで話題になってましたが…こういう事だったんだそうです。はぁ、やれやれ。

                   

                  最近、ガンプラを架空空間で戦わせる「ガンダムビルドファイターズ」のアニメが話題になってますし、ガンプラをモチーフにして様々な機体のパーツを組み替えてオリジナルMSを作る「ガンダムブレイカー」というゲームも出ていますが、これらは「プラモ狂四郎」という作品がなかったら存在しなかった…と言っても過言ではない…かも知れない漫画作品ですよ。それをこんなつまらん事で評価を下げるような事にはなって欲しくなかったよな、と。

                   

                  この作品、何が楽しかったかっていうと様々なプラモデルが、例えばアニメキットやスケールキット問わず、アニメキットでもアニメのスポンサーだったり、プラモデルを発売しているメーカーすら問わず、洋物キットや合金製玩具、置物まで戦わせていた、というのがもう堪らなく楽しかったんですよ。まぁ、「マクロス」関係のキットは登場しませんでしたが。

                   

                  マゼラアタック vs ティーガー1(第二次大戦で活躍した重戦車)

                  エルガイムMK-2 vs ブルーサンダー(同名の映画に登場する高性能戦闘ヘリ)

                  コアブースター vs Xウイングファイター(「スターウォーズ」に登場する戦闘機)

                  ドイツ戦車部隊 vs ジェットモグラ(「サンダーバード」に登場するドリル戦車)

                  ゼロ戦&F-15 vs ダンバイン&フォウ

                  武者ガンダム vs 木彫りの龍

                  モビルアニマル(オリジナルメカ) vs オモロイド(日東が販売していた3頭身の変形ロボットプラモ)

                   

                  …ともう、なんでもあり。ガンダムとダグラムとウォーカーギャリアが共闘したり、フルスクラッチや既存プラモ改造のオリジナルメカとかも出てましてね、元を正せばパーフェクトガンダムやパーフェクトジオング、武者ガンダムとかはこの作品が初出。「ビルドファイターズ」に登場するレッドウォーリァも本作でパーフェクトガンダム3という名前で出たのが初出なんですね。ちなみにパーフェクトガンダムとパーフェクトジオングは、「マクロス」や「イデオン」で手掛けた超高機動メカバトル…所謂「板野サーカス」でお馴染みのアニメーター・板野一郎氏が原案。仕事の合間に書いた落書きが元ネタなんだとか。

                   

                  他にも、最後のホビートピアのエピソードではシミュレーションで四郎がランバ・ラルやゴステロ様率いる死鬼隊と戦う、なんて夢の対決が展開されたりと、実に夢のある楽しい漫画だったんですよね。

                   

                  こんな夢のある作品でしたから後年に与えた影響は大きかったんです。「Gガンダム」でモビルファイターの顔が搭乗者の顔になる演出も本作からでしょうし、今じゃ美少女フィギュアを改造して裸にしてしまう改造を「魔改造」なんて呼ぶらしいですが、この「魔改造」ってのも本作に登場するキャラクターが見せたスケールモデルをムリヤリ合体ロボットとかにしてしまう改造(後にインチキと発覚)ですからね。

                   

                  この作品の個人的ベストバウトは、ワールドシミュレーション大会予選、四郎の1/144フルアーマーガンダム vs 山根が徹底的に改造した1/144グフ、ですね。山根の魅力が全開なバトルです。

                   

                  メカだと、大津とのプラモ特訓で四郎が作った1/24シティターボ改造のパーフェクトコンバットビークルや、シミュレーションゲーマー蔵井の切り札、1/16キングタイガーをベースにした超重要塞戦車ゴッドタイガー、ガンタンクの下半身を使ったスペースジェットモグラ辺りですかね。

                   

                  ただ、現在ボンボンコミックス版はもちろん、文庫本等もあまり出回ってません。プラモをリリースしていた会社やアニメキャラクターの版権とかの問題なのか、人気作品だった割に電子書籍化とかもされていないようで、ちょっと残念かな。

                   

                  | 零哭堂 | 漫画 | 21:03 | comments(2) | - |
                  ♪と〜おい夜空に木霊する〜
                  0

                    今回はコレ。

                     

                    「空挺ドラゴンズ」 桑原太矩 現在4巻まで発売

                     

                    巨大な龍が大空を舞うとある異世界を舞台に、捕龍船クイン・ザザ号と乗組員たちを描く作品です。なんたら漫画大賞とかにノミネートされたらしいんですが、結局は個人の嗜好でしかない、という理由でこの手の権威を何ら参考にしない私にはあんまり意味のない話だったり。作者である桑原先生の前作「とっかぶ」が好きだったんですよ。世間じゃ「地味な『スケットダンス』」みたいな評価しかされてないのが悲しいんですが。

                     

                    この世界での龍獲りという職業は、ロクに陸に降りられなかったりそもそも命がけだったりするものの、大物を獲れば一攫千金…というのも龍は食用としてだけでなく、油は燃料、皮や骨は工芸品に利用されている…と、要するに18世紀の捕鯨を連想すると分かり易い…というか、18世紀の捕鯨は鯨から油取ったら他は捨てちゃってた訳でね、余すことなく利用する…というのは日本古来の捕鯨からの引用でしょう。

                     

                    …油取るためだけに、大量の鯨を殺していた国の連中が、今じゃ掌返して「鯨は頭がいいので可哀想。鯨を獲る日本人は野蛮だ。」という論調で人々を扇動しているんだから性質が悪い訳で。

                     

                    それはともかく、ビジュアルイメージとして宮崎駿氏の漫画版「風の谷のナウシカ」とかに強い影響を受けており、異形の龍を料理して喰らう、というネタが「ダンジョン飯」とかを彷彿とさせるせいで、しばしパクリ呼ばわりされる事もある本作ではありますが、その本質は両作品とは大きく違います。

                     

                    空飛ぶポンコツ船に乗って仲間達と一攫千金を夢見て大物を追う…という様な冒険心を煽るような設定ではありますが、本作は決して冒険譚ではありません。割と…というか、かなり淡々としています。この作品で描かれる龍獲りとは彼らの生活そのものあって、彼らにとっては当たり前の日常。彼らにとっては龍獲りは決して「冒険」ではないんですね。本作で描いているのは日常風景であり、冒険物語ではないんです。そういう意味で言えば「ナウシカ」とは似て非なるもの、というのが正解なんじゃないかと。

                     

                    その点で言えば「ダンジョン飯」の方は本作と似ていると言えるのかも知れません。「ダンジョン飯」の方でもダンジョン散策は彼らにとっては日常…だったら飯位食うよね?というのがアイデアの発端だったのでしょうから。

                     

                    ただ、ファンタジーな世界観にその世界なりのリアリティを持たせる…というのは大変な事だと思うのですよ。例えば昨今よく見る「異世界転生」系のライトノベルなんかで良くあるのが、「ドラクエ」とかのRPGである様なステータス画面やら職業とかスキル設定を主人公とかが気軽に見てしまえる、というモノ。直接的に「あるゲームの中に転生して…」というものもありますが、結局の所、この手のゲーム的な描写を使うのはコレをしてしまえばその異世界のイメージがおのずと「ドラクエ」とか「ファイファン」的なモノに読者の方が勝手に脳内で補完してくれるから世界観の構築に手間がかからない、というのがあるんだと思います。

                     

                    そりゃ楽ですよね。例えばエルフは美形、ゴブリンは徒党を組み、オークが女の子を襲う…とか、他にも冒険者ギルドの設定とか、プリーストだのメイジだのシーフだのといった職業についても、説明に手間をかけずとも読者の方が勝手に連想してくれるんですから、こんなに楽な事はない訳でね、そういうのに割く時間を他のテーマなりネタに使えるんですから、重宝がられる訳ですよ。いや、そういう作劇を否定している訳ではないですが。

                     

                    そう考えると、本作「空挺ドラゴンズ」の様にファンタジーな異世界を異世界として真っ向勝負で描く…というのは敢えて選んだ苦行の道、と言えるのかも。本作に関して言えば、連呼される「『ナウシカ』のパクリ」というのも、確かに似通ったエピソードはありましたが、少なくとも世界観は完全に別物になってる訳で、世界観の構築、という点では独自性を打ち出して頑張っている作品といえるんじゃないかと。

                     

                    ただ惜しむらくは、「『ナウシカ』のパクリ」という評価の呪縛を断ち切れる程ほどの世界観を構築しきっていない点でしょうか?その世界観の確立と、その世界に合わせたリアリティの構築が出来た時こそ、パクリ呼ばわりから脱却出来る時なのではないかと。

                     

                    その時が来る事を信じ…続き、大いに期待したい作品です。

                    | 零哭堂 | 漫画 | 20:13 | comments(0) | - |
                    名作の影に隠れて
                    0

                       

                      コチラのブログを有料版に切り替えて、HP「ミイラとりがゾンビに」の方はプロバイダ契約を切りました。契約期間は今年の10月までなので、あと数か月でHPの方は閉鎖となります。

                       

                      さて、今回はコレ。

                       

                      「七夕の国」 岩明均 全4巻

                       

                      同じく岩明均先生の「寄生獣」は名作です。傑作といってもいいかも知れません。何せ90年代に連載していた古い漫画なのにも関わらず、2000年も10年以上経ってから実写映画やアニメになった…といってもこちらは海外に映像化の権利を取られていてやりたくても出来なかったのが、その権利が消えたので…なんて話も聞きますが、それにしたって20年近く経過しても尚、映像化が引く手あまただった訳ですから、その評価は推して知るべし、といったところでしょう。

                       

                      ただ、「寄生獣」終了後、岩明先生が描いた今回紹介する「七夕の国」の方はあまり話題に上りません。

                      でもね、私は凄く好きなんですよ、この作品。

                       

                      紙とか薄い板に小さな穴をあける事が出来るという、かなりしょぼい超能力を持つ大学生・南丸。彼はある日知り合いでも講義を取っている訳でもない丸神教授から研究室へ呼び出される。研究室を訪れた南丸は教授と自分のルーツが同じで、教授も似たような力を持っている事を知る。時を同じくして二人のルーツの町である丸山町では体の一部をスプーンでえぐり取られた様な傷を持つ他殺体が発見される。丸山町を訪れて以降行方の知れない教授や彼と南丸が持つ超能力は何か関係があるのか?南丸は丸神ゼミの面々と事件の地・丸山町へ向かう。

                       

                      というのが内容。実は「寄生獣」は元々読み切り作品だったのが連載作品となり、連載途中で岩明氏いわく「当初のテーマに類似したモノが世間で流行し陳腐化していくと、その事に疑問を抱きテーマを方向転換した」との事。物語自体の筋は大きくは変わっていないものの、予定とは若干違う形に落ち着いた作品、と言えますし、まさしくその疑問を抱き方向転換したが故に、今なお支持される傑作となった…コレに対し、「七夕の国」は不定期連載で全4巻、と割と最初から最後まで一気に、構想通り事を進めて物語なのかも。

                       

                      「七夕の国」そういう訳で、変な超能力を使えはするが至ってフツーの大学生が、ミョーな風習やらしきたりみたいなのがある古い町に行って、実はその町自体やそこに生きる人達、そして自身の超能力まで巻き込んである事件が起きて…と、一気に"問題提起"から"読者との答え合わせ"まで進む作品になっています。ただ、物語としての完成度は好き嫌い、嗜好は置いておいて高い筈の「七夕の国」が何故「寄生獣」程は人気や評価を得られなかったのは、完全無欠で最初から最後まで当初の予定通りに進み過ぎたから…なのかも知れません。そういう意味で言えば、「寄生獣」って作品は、進めていくうちに作者にブレが生じ、そのブレが作品内に生きるキャラクター達に反映された結果、それが逆に作品自体をより魅力的な形に結実させたのかも知れません。

                       

                      ただだからと言って「七夕の国」は駄作!!と言われれたら、私はその人に人差し指を突きつけて

                       

                      と叫ばせてもらいますとも!!

                      この「七夕の国」は当初から決めていたであろう物語が、予定調和と言いますか、淀みなく進んでいくのが心地よいのです。言ってみれば、徹頭徹尾やろうと思ったことが出来ている作品。最後の答え合わせの内容がやや突飛過ぎるという評も分からなくはないんですが、それを踏まえたうえで、最終的に南丸君が導き出した答えというのがね、私はたまらなく好きなんです。

                       

                      わかんねぇよ!!

                      責任だってとれねぇ!

                      ただ気に入らねえからジャマしてるだけさ!!

                      なぁ、幸子ちゃん!さっき言ってたばかりじゃないか!

                      外の町で部屋借りる話はどうなったんだよ!

                      ここから出られりゃあの世でもどこでもいいってのか!?

                      この世のことだってまだろくに知らないくせに!

                       

                      よかァない!!

                      みんな…みんなこの世の広さをわかってない!

                      広すぎて広すぎて!そうじすんのだって大変なんだぞ!!

                      え〜い何言ってんだおれは!!

                      世の中のことテレビでざっと見て、わかった気になったって!そんなのウソだぜ!!

                      世の中…誰も気づかない、ほんま小さな場所にだって、いろんな人の思いや、知恵や…失敗ややり直しがつまってるんだ。

                      世界は目で見えてる大きさの百倍も千倍も広いんだぜ!

                      それに比べりゃコワイ夢も、見えない鎖も、ハデな超能力も小せえよ!ごくごく一部だよ!

                      そんなもんに命なんかあずけられっか!!

                       

                      おれのゆってることが正しい!!

                       

                      彼が、「窓の外」に行こうとする頼之に「一緒につれていって」と言う幸子を説得する為に語った言葉…稚拙で、不器用ながら、とてもとても力強い台詞。どこかとぼけていて頼りない南丸君ですが、実の所この事件に居合わせた誰よりも、心が強い人間だったのではないか…そんな風に思うのです。

                       

                       

                      | 零哭堂 | 漫画 | 20:30 | comments(0) | - |
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