コッチはコッチで面白い
- 2019.07.31 Wednesday
- 21:24
チョコレートプラネットというお笑いコンビのTT兄弟と言うネタが流行っているみたいですが、TTと聞いて思い出すのがコレ
大分濃い口ですが、コレでもアニメでは緑川光氏が声を当てたイケメンライバルなのです。
コレ、戸田泰成氏が描いた「スクライド」より、知識至上主義のスーパーホーリーであるT・Tを倒した際の劉凰の台詞で、一部のマニアには知られたシーンだったりします。
谷口悟朗氏の監督作品は氏の意向を尊重して、漫画などのメディアミックス展開をした際には全くの別物になるパターンになる事が多いんですが、戸田氏の描いた「スクライド」はアニメの舞台設定を一部残しつつ、大幅なアレンジをした傑作と言えるコミカライズだと思います。この手の手法はコミカライズを担当した漫画家さんの力量次第ではかなり作品の間口を広げる面白いモノになりうると思うんですが、一方で全てが無茶苦茶で読者置いてけぼりな「ガン×ソード」のような失敗例もあったりしますが。
と、いう事でコレね。
戸田泰成 「スクライド」 全4巻
戸田氏というと、OVA「ジャイアントロボ the annimation 地球が静止する日」の今川監督とタッグを組んで「ジャイアントロボ」の漫画を描いていますが、どうも消化不良と言うか、尻切れトンボに終わってしまった感があるのですが、この「スクライド」は傑作です。ついでに言うと「アストレイR」も面白いんです。劇画調ともちょっと違う…どことなく荒木飛呂彦氏のタッチをもっと泥臭く、荒っぽくしたような絵が魅力的で、かつ中身は無茶苦茶、破天荒、力技…一見読者置いてけぼりな漫画に見えてしまうんだけども、読んでいると何だか目が離せない…そんなパワーに溢れる作品なのです。
アルター能力やロストグラウンドといった基本的な設定はアニメ版と共通なれど、反ホーリーのネイティブアルター集団・ロウレスやホーリーを超える権限とアルター能力を持つスーパーホーリーなどコミカライズ版のオリジナルキャラクターが活躍する一方、君島の様に散在感が薄くなっていたりジグマールや瓜実、クーガーの様に大幅に設定を変えられたアニメキャラクターがいたりと、一見、お約束的に
「こんなの『スクライド』じゃない!!」
なんて拒絶されてしまいそうな要素多数…ではあるんですが、読んでみるとコレが非常に面白いんです。いやむしろ…個人的には「スクライド」はアニメ版よりコミカライズの方が面白い、とすら思うんですよ、ええ。
コミカライズ版の最大の魅力は…やはり主人公のカズマでしょうか。基本的な設定はアニメ版を踏襲しているのですが、コミカライズ版には"あらゆる障害に反逆する「反逆者(トリーズナー)」"という異名があり、かつ脳筋バカというか、一部チンピラヤンキー的ですらあった様に見えたアニメ版の彼とは違い…語彙力があると言いますか…発する台詞がセンスに富んでいてカッコイイんです。おかげでアニメスタッフにも
「コミカライズ版のカズマの方が知能指数は高い」
みたいな事を言われてしまっています。(笑)
ホント、敵に何か言われて返す言葉が良いんですよ、ええ。
あ〜しかし…「スクライド」ですらもう20年前近いんだなぁ…30過ぎるとホント、時の流れがあっという間に感じてしまいます。