BookLive!コミックのCMでコレを思い出した人は多い筈
- 2018.09.30 Sunday
- 20:21
今日はコレ。
原作:佐木飛朗斗 作画:所十三 「疾風伝説 特攻の拓」
90年代を代表するヤンキー漫画ですね。当時の少年マガジンは今となってはスピンオフというか、続編の「GTO」の方が有名になってしまった感もある「湘南純愛組」や、地味に実写版やOVAも作られていた「カメレオン」と本作がヤンキー漫画3本柱として君臨していた訳です。連載時に生まれていない世代でも、よくコラ画像やアスキーアートで
コレとか
コレなら見た事があるって人も多いんじゃないかな?
中身は、典型的ないじめられっ子だった浅川拓が、転校してきた鳴神秀人の強さに憧れてヤンキーデビュー…という、言わば成り上がりモノ的で「カメレオン」に近い設定なんですが、「特攻の拓」の場合、拓の周りのヤンキー達がキョーレツな奴等ばっかりなので拓は成り上がるとまではいかず、せいぜい知り合った大物に気に入られたり、敵から一目置かれる…という程度。主人公としてはやや頼りないというか、実際問題として作中でのマブダチの多さとは裏腹に、読者は拓が好きでこの漫画を読んでる…という人はあんまりいないんじゃないかなぁ…と。
ちなみに本編ではちゃんとした完結とはなっておらず、続きは小説版で…とされたのに結局小説版も刊行されたのは1巻のみ。最近になって本作の10年後を描く「After Dance」、20年後を描いた「カブラギ」、数十年後を描いた「外天の夏」がありますが、いずれも経緯は知りませんが原作者と作画担当が揉めた、とかで作画担当が別の人になっています。前日譚の「アーリーデイズ」はそのままでしたが。
ともあれ、本作の迫力ある…人間とは思えない、「グラップラー刃牙」並の喧嘩シーンは大変面白く、今なおネット界隈では本作の登場人物に関して「誰が最強?」的な話題が出たりする程。またヤンキー漫画ではあるものの主軸が暴走族なのでバイクとかはかなりカッコ良く描かれていて、実の母親すら現在どこにいるのか知らない、なんて言っている中学時代の友人なんかはバイク好きだったので好んで読んでましたっけ。
…ただ…私自身はヤンキーではなかったしヤンキーに憧れもなく、ガキの頃からクルマ派でバイクには全く興味が無かったので、本作を読む目的は別の所にあったんです。本作の熱心なファンや作者には大変申し訳ないんですが…はっきり言ってしまうと、ギャグ漫画的に楽しんでました。(苦笑)
ガタイのいい相棒とバイクを平然と担ぐ、一定のダメージを受けると覚醒して不死身になる…といった超人的強さを誇るヤンキー達や、やたら「""」や「!?」を多用する独特過ぎる台詞回し、トドメに「ハードラックとダンスっちまった」でお馴染みのトンデモなルビの数々…それらを楽しみに読んでたんです、ええ。つまり
コレと同じ感覚です、はい。(笑)
まぁ、斜に構えた私の楽しみ方はアレですが、本作も1990年代という時代を駆け抜けた、ある意味象徴する漫画作品の一つ、と言っても過言ではないのかも。本作だけの影響、とは言いませんが、うちの近所にも本作に出て来る様な年代のバイクを、本作に出てきそうな改造して乗り回している40代50代の中年ヤンキーがまだいますからねぇ。
…流石に都内では絶滅危惧種、なのかも知れませんが。