土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖 夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

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File5.秘宝島殺人事件
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    さて、金田一のFile5です。

     

    今回は、金田一家の家計の危機に一が悲報島にて行われる「宝探しツアー」に参加。そこで殺人事件に巻き込まれる、というモノ。実はこの宝探しツアーへの参加理由である家計の危機は一の母ちゃんと美雪の共謀…というオチ。この母ちゃん、以降も美雪や時に明智警視と共謀して一を何がしかに参加させて殺人事件に巻き込んでいる割と厄介な親。それと美雪さん、真面目な優等生の印象が強かったけど、ブランド品のバッグやアクセサリ目当てに一の母ちゃんと共謀するとは中々の悪女です。(笑)

     

    それと、今後もちょくちょく登場するフリーライターのいつきさんの初登場エピソードですね。最初は一達とあまり良好とはいえない関係でしたが、事件後の彼の行動は以降のエピソードでの彼の行動を考えると非常に「らしい」と言えるものになってますね。

     

    今回の怪人は島に眠る秘宝を守っているとされる半分猿で半分人間の怪物・山童ですが、エピソード内での印象は割と薄い印象。と、いうのも今回の事件、ハナッから怪しいキャラクターが多過ぎるんですね。例えば何がしかの過去があると思しきオッサン3人組に、謎の外国人美少年、正体不明の木箱を後生大事に抱える妙齢の美女…と、一、美雪、剣持警部の3人を除外して半分以上に怪しい描写があります。

     

    …まぁ、そうなると作劇上で犯人は怪しくない側の人間の誰か、だという事が穿った見方をすれば分かってしまう訳ですが。ただ、今回のトリックは割と一点突破。ある一点に気づくかどうかが全てかも。この手の読み手の思い込みを利用したトリックを「叙述トリック」というんだそうです。詳しくはwikiとかこの漫画とか参照です。

     

    しかも、読者に「ずるい」と言い訳出来ないようにあるコマに決定的な"証拠"を描いていて、物語自体の評価はともかくとして推理モノとしての完成度だけで言えば漫画という媒体を上手く利用した、正に作戦勝ちしたエピソードと言えるんじゃないかと。そしてクライマックスで犯人以外にもう一人、豹変するキャラクターが出て来るのも人の欲というものの業の深さを感じさせて印象的です。

     

    しっかし今回の犯人、何と13歳。13歳で4人殺害と言う凶悪な事件を起こし、かつ一に

     

    「恐ろしいほど頭のいい奴だったよ。オレがこの事件の謎を解けたのは運が良かっただけさ」

     

    とまで言わしめている訳でね。しかも幼少期に自分の養父まで殺害してるってんだからトンデモナイ。恐らく美作碧と出会わず別の形で今回の犠牲者を殺害し、犯人として逮捕される事なく逃げ切った場合…「地獄の傀儡子」なんぞ目じゃないキャラクターになったんじゃないかと。そんな幼くして歪んだ彼に「いつのまにやら彼女のことが好きになってやがった」とまで言わしめた碧も凄いわな。事件のトリックもそうですが、数多い「金田一少年」のエピソード群の中でも印象に残る犯人の一人かと。そういえばキャラクター的な位置づけで言うと、「異人館」の犯人、六星竜一に近いものがあるかと。

     

    そんな彼が犯したたった一つのミス…いや油断が命取りとなった、というのも何とも。何事も最大の敵は油断、という事でしょうか。ただ彼の場合、このミスのおかげで真人間に戻れるチャンスをもらえた、と言えるのかも。「金田一少年」の世界が現実の法に基づいているのかはともかくとして、現行法に当てはめるならば、かの神戸連続児童殺傷事件の酒鬼薔薇聖人が少年法に守られてのうのうと生きている位ですから、今回の犯人も極刑は免れる公算は高い訳ですが…う〜む。

     

    ただ、「残っちまった謎」である茅さんの箱はともかく、当て馬犯人なクリスが結局訳の分からん形になっていたのは残念。結局無関係だったけど、目的はソレなの?と。こればっかりは取って付けた様で違和感あり。本筋と関係ないっちゃあないんですが。

     

    まとめですが、多少変な部分はあるものの、物語、サスペンス的な魅力に富んだエピソードかと思います。実はまだ全部基本シリーズを読破してませんが、印象に残ったエピソードの一つですね。

     

    今回の犯人

    佐伯航一郎…犯人強度 190万パワー

    男の娘殺人犯だが武闘派の一面もあり。13歳にしてハジメを完全に手玉に取る狡猾さも兼ね備えている。

    但し詰めの甘さ、油断し易い一面もあり、そこを見破られての敗北となる。

    | 零哭堂 | 金田一 | 10:31 | comments(0) | - |









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