土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖 夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

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建設現場の愚痴
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    東京の多摩の現場で火災が発生し、4人の方が亡くなって22人が重症、というニューズが流れています。

    同じく現場で働く仲間として、亡くなった方のご冥福と負傷した方々の一日も早い回復をお祈りいたします。

     

    現場といえば、来年の2月から5m以上での作業では原則ハーネス型安全帯を使用する事が義務付けられるんだそうで。

    現状、多く使われているのは腰ベルト型の安全帯で、コレは私も使ってますが、フルハーネス型は鳶等の高所作業を主とする作業員が付けている他はあまり浸透しているとは言えません。

     

    腰ベルト、とかフルハーネスといっても分かり難い人に説明すると、安全帯というのは高い所で作業する際、墜落してしまった際の命綱の様なものです。付属のフックを手すりや所定の設備に掛けて作業する訳です。そして

     

    コレが腰ベルト型。文字通り腰に装着します。

     

    コチラかフルハーネス型と呼ばれる安全帯。

    お笑いタレントがバラエティー番組で宙づりにされる際に装着するモノにロープとフックがついていると考えてください。

     

    腰ベルト式は墜落した際に自分の体重プラス落下による衝撃が全部ベルトを巻いている腰にかかってしまい、腰骨や内臓の損傷の危険性が高く、更に建設現場の、しかも不安定な場所では中々救助にも時間がかかる訳で、救助されるまでの負担も腰ベルト型だと大きくなってしまいます。しかしフルハーネス型の場合は落下時にかかる衝撃の支点が分散されるので、墜落してしまった際の身体への負担が少なくなる=怪我する可能性が減り、助かる可能性は上がる、という訳です。

     

    そんな訳で、欧米ではほぼフルハーネス型が100%であり、今回も諸外国に合わせた形にする、という名目もあるんでしょう。実際、東京オリンピック関連施設の建設現場にIOCの視察が入った際、

     

    「日本では未だに腰ベルト式の安全帯を使わせていて安全意識が低い。」

     

    という指摘を受けた、なんて聞きますから、そういう部分も少なからず関係しているのかと。

    確かに、建設労働者にとっては自分の命を守るもの。今回の改正はいいことづくめに見えがちなんですが、ところがどっこい、という奴でして、大手ゼネコンの安全担当の人の講話で聴いたことがあるが、ゼネコン各社の多くはこの法改正には反対していたんだとか。理由は、

     

    今では住宅などの小規模なものを除く建設現場でほぼ100%と言っていいほど普及した腰ベルト式安全帯ですが、そこまでになったのに20年、30年かかった。それなのに今度はフルハーネス全員装着を義務化したらまた混乱が起きる。

     

    という様なモノでした。要は、なんでも、高所作業する人、しない人が現場でどっちがどっちと区別がつかない上に、場合によっては通路なのに安全帯必須、みたいな場面も出て来るので一律全員安全帯…という形にしたんでしょうね。そこでまたフルハーネス必須にするとまた元の木阿弥、という話なんでしょうが…。

     

    そもそもさ、欧米ではルハーネス安全帯が100%、というけども実は高所作業しない人は安全帯をハナッからつけないんですよ。高所作業車用の安全装備なんだから、高所作業しない人は安全帯なんかしないし、高所作業する人だって、高所作業するときに安全帯をつけるのよ。実際、石油系外資の精製工場の現場に入ってた事があるんですが、その工場ではむしろ

     

    「鉄が擦れて火花が散る危険があるから安全帯は禁止。但し高所作業をする際ははフルハーネス装着義務。」

     

    というルールだった位です。

    おかしいんですよね、そもそものゼネコンの言い分が。高所作業はしませんよ、という人が安全帯をつける理由なんてないんですよ。例えば外構工事や重機のオペレーターに安全帯って必要だと思います?そりゃ重機の組み立ての際は高所に登るケースがありますから必要ですが、例えばクレーンとかブルドーザーの操作するのに安全帯って必要ですか?と。

     

    何というか、変な日本人の平等意識みたいなのって、こういう場合害悪になるケースが多い気がします。

    みんな一緒、みんな一律って…一億層中流社会じゃねぇんだからさ、と。考え方がおかしいというかなんというか…。

    そもそもが、現場は安全第一、とはよく言いますが、実際の所

     

    工期第一、安全二の次

     

    で、形だけ取り繕ってます、というのが多過ぎる。未だに「怪我と弁当は手前持ち」の感覚が強いんですよ。労災が起きた時の逃げ道づくりばっかり強いて、内容が伴っていないというか…ホント、安全とか、品質面もそうなんだけど、工期…要するにカネだよね、コレに負けておざなりってのが多過ぎるし、そもそも建設業法とかの法律面だって、安全帯の件もそうだけど、時代や現在の現場の状況に即したものではなくなってきている気がするんですわ。

     

    …まぁ、愚痴ったところで改善される訳でもないんですが。

     

     

    | 零哭堂 | 雑記 | 20:48 | comments(0) | - |









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