「ブラックラグーン」
- 2018.07.03 Tuesday
- 21:17
やっと新巻が出たと思ったら、「その作品と無関係な作者が原作を担当したアニメの宣伝」と「過去のエピソードの再録」でした〜という作品は、漫画好きな人ならピンと来る方もおられるかも知れませんが、
コレの事ですわ、ええ。
まぁ、私は割と無関心なのですが。
理由は、切った作品だから…なのですね、実の所。どのタイミングだったか…ですだよ姉ちゃんやらモーゼル使いのカッコつけ兄ちゃんが出ていた頃には最早ギャグ漫画を読むかのような視点でしか見られなくなっており、もっと突き詰めて言えば…日本でのエピソードの際にはもう冷めてしまってましたね。
いやね、本作に関して否定的な評としてよくある
仁王立ちしているのに主要キャラには弾が当たらない、弾倉には弾が無限に入っているかのような銃撃戦
うすら寒い厨二的なカッコつけな台詞回し
ポンプアクションのMAG-7で二丁拳銃なんて出来る訳ねぇだろ
アーメンハレルヤピーナッツバターなノリが意味不明
…というのは、割とどうでも良いんです。私が覚めたのは主人公の一角・レヴィの発言の矛盾です。自サイトでも書いた事があるんですが、レヴィのキャラクター…その発言の節々に筋が通っていない、と言いますか、キャラクターに芯が通っていないのが透けて見えてくるんですよ。最初に気になったのが、海底に沈むナチスの絵画をサルベージする依頼で、レヴィがネオナチの隊長が自慢の愛銃の説明をしている所を返り討ちに…というシーンで、
「こんなのは撃てて当たればいいんだよ」
等という訳ですが、そういった本人も後生大事にカスタム銃を二丁もぶら下げてるじゃねぇか、と先ずこのシーンに引っ掛かってしまった訳です。そしてその後、日本編においては中国から密輸したトカレフ(正確には中国製の51式か54式だろ…というツッコミはまぁどうでも宜しい)しか入手出来ない事を嘆いて、挙句の果てにはご自慢の愛銃を密かに取り寄せてもらっている訳でね、そうなると
「銃なんて撃てて当たればいいんじゃないんですかい?姐さん」
位言いたくなりますわな。中国製トカレフが当たるのか?というのは置いておいて、ではあるんですが。(苦笑)
何だか、芯を感じないんですわ、レヴィというキャラクターに。それはそのまま作者にも当てはまってしまう様で、「銃を構成するのは鋼と木!これが基本!」等と拘っている様な発言をして実際に作中でもポリマーを多用した銃を使っている主要キャラクターがエダ位だったりしているのに、「銃は飽くまで小道具として描いています」的な逃げ口上で、ポンプアクション散弾銃で二丁拳銃、みたいな事をやらかしてる訳です。拘っているのかそうではないのか、どっちやねん!と。
いや、別段作者の広江礼威氏の作風が嫌い、という訳でもないんですよ?「ブラックラグーン」信者には「打ち切られて当然、『ブラックラグーン』こそが至高!」みたいに言われがちな「SHOCK UP!」とかはむしろ好きです。でも、「ブラックラグーン」は…最初の初見でこそ好印象だったものの、気になりだすとまぁ引っ掛かる引っ掛かる…ハードボイルドガンアクションの最高峰、的な持ち上げ方をされてますが、
伊藤明弘 「ワイルダネス」 現在7巻で休載中
コッチの方が私は好きなんですよ。銃撃戦の描写や台詞回しなんかも含め。
この「ワイルダネス」も長期休載中ですが、こちらは作者の伊藤明弘氏が病気で利き腕をまともに動かせない…というやむを得ない理由があり、それでもリハビリとして「ABLE」という作品を描いて完結させていますので、「ジオブリーダース」と同様続きが描かれる希望がある作品なんですね。
更に言ってしまえば、台詞回しをネタ的に楽しむ、というやや邪な楽しみ方をするなれば、今度は
コレとかありますからね。(笑)
ま、ともあれ言えるのは私には合わなかった、という事でしょう。更に言えば合わなかった上に代替となりうる別の選択肢があった、と。だから別に「ブラックラグーン」のファンだという人にケチつけたい訳ではないですし、ケチつけた所で建設的ではない訳で。
え?この記事でケチつけてるじゃねーかって?
作品にはケチつけてるけど、その作品のファンにはケチつけてません。
好きな人は好き、嫌いな人は嫌い、で、私は嫌いだった、と、そういう事です。
好きな方でも嫌いな方でも粘着し過ぎると、むしろ目は曇るよね、と。作品に惚れ込むは結構ですが、信者にはなりたくないものです。