土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖 夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

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File2 異人館村殺人事件
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    事件の発端は、一のクラスメイト・時田若葉が教師の小田切と共にラブホテルから出て来るところを何物かに隠し撮りされ、それを学内の掲示板に張り出された事。この件で退学になった若葉は親に故郷の青森県六角村に連れ戻され、許嫁と結婚をさせられる事に。結婚式に呼ばれた一と美雪は小田切と共に六角村に。

    六角村…通称異人館と呼ばれるこの村は教会を中心にダビデの星を描いたような村で、その頂点に6つ洋館にはそれぞれ癖のある住人が住んでいた。籠の鳥のようになった若葉の家を訪れた一達はその地下室で首のないミイラを発見する。

    その夜、花嫁は結婚前夜を村の教会で過ごす、というしきたりに従い教会に引きこもる若葉。彼女が引きこもった数時間後、葬儀の時にしか鳴らない筈の教会の鐘が鳴る。その鐘の音に不吉な物を感じた一達が教会に向かうと、そこにはベッドに横たわる若葉の首のない遺体が…

     

    …というのがあらすじ。

    この事件が「金田一少年の事件簿」の2エピソード目な訳ですが、実はこのエピソード、2エピソード目にしてやらかしちゃった事で有名ですね。

     

    と、いうのも本作のメイントリック、島田荘司氏の「占星術殺人事件」という小説で使われたものと丸っきり一緒…という事が問題になってるんですね。実は「金田一少年」のトリックは古今のミステリー小説などから拝借したと思しきものが少なくないんだそうですが、何故この「異人館村」のエピソードだけやり玉に挙げられたのか…というと、この「占星術殺人事件」というのが島田氏の作家デビュー作で、かつ斬新というか奇抜なトリックだった点。しかも比較的パクリ元の発表から10年程度しか経っていない上、その評価が非常に高かった点。その評価は2014年にイギリスの大手新聞社の「世界の密室ミステリーベスト10」という企画で2位になっている程だったりしている位ですからね。

     

    …トドメに、島田氏が「占星術殺人事件」の映像化を許可していなかった所に実写ドラマ版で本エピソードを第一話に据えてしまったからさあ大変!!一時は裁判沙汰になる可能性まであったんだそうで。一応、和解してトリックの使用許可も下りたんですが、ドラマ版の1stシリーズ第一話はDVDに未収録で欠番という「ウルトラセブン」12話的な扱いになった他、漫画の文庫版でも「トリックは『占星術殺人事件』のものを使っています」的な、ミステリー、推理漫画の元祖としてはかなり恥ずかしい文言が書き加えられる羽目になってます。

     

    ミステリー小説なんかの所謂「トリック」という奴は、突き詰めてしまうと何某かの古典のパクリと呼ばれかねない形になってしまう。その為「ミステリーの生命線」なんて言われがちなトリックのパクリに関しては割と寛容な部分がある、と聞いた事があるんですが、今回の「異人館村殺人事件」では少しばかり使い方は変えてはいるもののパクったのか?と言われれば間違いなくパクったんでしょう。ただ、使うなら使うにしても経緯が絶対的に足りなかった…この点が一番の問題点なのではないかと。許可が出たかどうかはともかくとして、漫画の題材、トリックとして使うにあたって根回しと言うか、一言あってしかるべきだったのだとは間違いないでしょうし、パクられた側が騒ぐのはともかく、パクった側のファンが開き直って「宣伝してやったんだ」的に居直るのは間違いですわな。

     

    ん?今回も中身に触れてないな。

    そんな訳で少し触れておくと、今回の怪人は「七人目のミイラ」…ですが、事件自体が「金田一少年」シリーズでも屈指の残虐非道な殺人ながらホラー的な怪人のインパクトはあまり表立っていない印象。と、いうのも最後のネタ晴らしと真犯人の豹変っぷりが見事過ぎて全部持ってかれている印象ですね。それと、あからさまに怪しい、「犬神家」のスケキヨチックな

     

    この人、そこかしこで怪しい行動をしてはいたものの、最後はフツーに良い人…というか、可哀想な人に。

    「金田一少年」におけるこの手の"あからさまに怪しいキャラクター"って、大抵犯人の隠れ蓑だったり、そうでない場合は何がしかの訳アリなだけのキャラクターってパターンが多いんですが、この人みたいなオチのついた怪しいキャラクターって、シリーズ通しても珍しいよね、と。

     

    …しっかし、金田一の通ってる学校、殺人犯多過ぎねぇか?

    もうすぐ「Fileシリーズ」読み終わるけど、人殺しの学校関係者が何人いるんだよ。(笑)

     

    今回の犯人

    六星竜一…犯人強度 200万パワー

    「金田一少年」の2作目にしてシリーズ屈指の武闘派。

    暗殺者として母親に教育されただけあって情にほだされず利用するつもりが本当に愛してしまった若葉をも殺害、自身も命を失うが目的を完徹している。

    | 零哭堂 | 金田一 | 21:10 | comments(0) | - |









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