土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖 夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

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仕掛けるのは恋の罠ではない
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    もう10年以上前になるのか…群馬県に出張していた時の事。その時は確か現場で機械トラブルがあって作業が午前中で中止になってしまって、宿に帰るにもビジネスホテルなので部屋の清掃とかでチェックインできず、仕方ないので街中を車でドライブという名の暇つぶしをするハメになりましてね。

     

    そんな折、ホビーショップみたいな店を見つけたので入店して色々見ていたんですが…マルイの電動ガンが置かれているエリアに「害獣対策にもうってつけ」なんて文言が書かれてたポっプがあったんです。一応エアガンの取説には大抵例外なく「人や動物に向けて撃ってはいけません」とあるんですが、そういえば何かの記事でおばあちゃんが東京マルイ製と思しきMP5SD6とかM4A1を構えている写真を見た記憶が。

     

    まぁ、害獣対策に電動ガン…という事への是非はともかくとして、農家や畜産業の人にとってはコレ、死活問題な訳でね、これをただ単純に「撃たれる動物が可哀想」等と言ってしまうのも捕鯨問題とかと規模は違えど同じだよな、とは思う訳です。

     

    前置きが長くなりましたが、そんな害獣対策を描いている漫画がコレ。

     

    緑山のぶひろ 「罠ガール」 現在2巻まで発売中

     

    家が農家な田舎女子高生・朝比奈千代丸は育てている農作物を害獣から守る為に「わな猟免許」を取得している女の子。ある時は農作物を守る為、ある時は学校やご近所さんに頼まれて仕掛けに奔走する…という世にも珍しいわな猟漫画です。この手の漫画の先駆けといえる岡本健太郎さんの「山賊ダイヤリー」でもわな猟は描かれていますが、こちらは狩猟の一環としてのわな猟ではなく、農作物を守る為、害獣駆除の為のわな猟に特化しているのが特徴。

     

    角川、アスキーメディアワークス…要は電撃コミックス系としてのリリースですが、美少女が罠仕掛けてキャッキャウフフ…という、ゆる〜い萌え漫画的な作品ではありません。キャラクターとしても主人公の千代丸は良く言えばクール系JKですが…実際はビジュアルも地味目で分かり易い言い方をすれば、「〇〇萌え〜」とかなりそうもないタイプ。最も彼女の親友で巻き込まれ&巻き込みキャラクターのれもんの方は、ビジュアルや性格設定からそういった需要もあるかも知れませんが、かなり珍しいタイプの作品化と思います。コレがモーニングとかビックコミック系ならまだしも、電撃コミックス系で発売されている訳ですから。

     

    まぁ、漫画ですから殺伐としたものになっている訳ではないんですが、扱っている内容や害獣駆除に関しては、割とガチです。そして、かなり真面目に描かれている作品なのです。

     

    この作品の面白い所は、農作物が被害に遭ってもすぐにわなを仕掛ける!!とはならないんです。まず最初にやるのは守る事。例えば、ホームセンターで材料を買い集めて防護ネットで畑を囲んだりする訳ですが、それを打ち破られてしまって結局守るだけでは解決しない事を悟り…最終手段としてわなを仕掛ける訳です。

     

    「山賊ダイヤリー」でもありましたが、わなの種類…例えばアニメとかでも出て来る獲物の足に噛みつくタイプのわな「トラバサミ」は現在許可制になっている、なんて知識を始め、わなの種類やら仕掛けの作り方、もっと言えば、都会在住の人は考えもつかないかも知れない「わな猟に免許が必要」な事などが丁寧に説明され、描かれている他、防護ネット等が用をなさない野生動物の強さというのが描かれる訳です。最初のエピソードでは防護柵を破ってビワを食い荒らす鹿に対してくくり罠を仕掛け、獲物をわなにかけた千代丸(と、れもん)だったが、防護柵を壊した件で鹿の力が強い事を分かっている2人はそこで葛藤する訳です。

     

    トドメをきちんとさせるのか。

    返り討ちにならないか。

    そもそも可哀想ではないのか。

     

    コレが、読者にもきちっと伝わってきます。そして2人は自分達で処理できないと判断し、助けを呼ぶ、という対応をとるのも非常にリアリティがありますよね。この辺の丁寧さは非常に好感が持てます。

     

    他にも、学校に出没する害獣退治を請け負ったり、知り合った猟師と獲物の解体をしたり、千代丸に感化されてれもんもわな猟免許を取ろうとしたり…と、正直猟師や林業、農家以外にはあまり内情とかが理解されていないであろう害獣駆除というものの実態を登場キャラクター達と一緒に読者が学んでいける…という、案外コレは良書なんじゃないかと思える作品になっているんですね。

     

    「山賊ダイヤリー」もそうですが、この手のジャンル…キョーミのあるなしで評価は真っ二つになり易いとは思うんですが、個人的にはこういう真面目に描いている作品であるならば、応援していきたい…そう思わせる作品です。

     

    この作品が、もし「チートなわな技術を持つ美少女JKが猪でも鹿でもバンバン獲ってキャッキャウフフ。その間に知り合った男の子とラブラブイチャイチャ。」…なんて派手な作品だったら…私ゃ応援しませんよ、ええ。

    | 零哭堂 | 漫画 | 19:07 | comments(0) | - |









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