File17 仏蘭西銀貨殺人事件

  • 2019.03.13 Wednesday
  • 20:08

はい、2連続で「金田一少年」読み直しです。

今回の事件はこんな感じ。

 

旧友の高岡ますみと再会したハジメは、彼女が専属モデルを務めるファッションブランド「キミザワ」のブライダルコンペに招待される。しかしますみはハジメと再会する直前、1人の男を花瓶で撲殺し、死体を海に捨てていた。しかしそれをある人物に目撃されており、その人物の言うなりとなってコンペ会場で次々と人を殺めていくが…

 

冒頭で犯人が提示され、その殺人をキッカケとして犯人が他の人物の指令で次々と殺人に手を染める…という構図は、「タロット荘」によく似ています。殺人の動機も毎度恒例ともいえる誤解からの行き違い…というモノで、「金田一少年」の事件フォーマットとしては実にフツーなエピソードです。

 

ただ面白い点が2つ。先ず、わざわざページ数かけてますみとハジメ、そして美雪の関連性が描かれていますが、その過去回想シーンで描かれているのが美雪とますみのブルマー姿です。

 

…世代的にギリギリだよなぁ…丁度私らの世代の後に、体操服としてのブルマーが淘汰されていって、今ではブルマーが見られるのはエロビデオとかそういうものに限定されていくわけですから、丁度この描写がリアリティを保てるギリギリなんじゃないかな?と。いや、私はブルマーにフェチを感じたりはしませんし、マニアでもないので詳しくは分かりませんけどね。まぁでも、今ではエロとかフェチのアイテムみたいになっちゃってるブルマーに取って代わられたショートパンツ…でもコレ、裾の隙間からチラッと見えたりする訳でコチラはコチラで…って、いやいやいや、私は別にショートパンツフェチとかでもないんですよ?ホントに。(笑)

 

まぁともあれ、結構ハジメとますみの関係性がキチッと描かれているので冒頭で殺人をやっちゃうますみに対して結構入り込んでしまう部分はありますよね。ただまぁ、脅迫された上にレイプされそうになっているんだから、素直に警察に行けば正当防衛で済んで真犯人に利用される事もなかったんじゃないかな、とは思います、はい。

 

そして、物語のキーともいえる真犯人とますみの関係…「精神的双子」というのは中々面白いネタだと思います。

近しい境遇を巡ってきた真犯人とますみ…故にますみの行動や言動に関して真犯人には予想が出来てしまう…これを利用しての殺人、というのは結構面白い仕掛けかと。そして実は真犯人が真のターゲットとしたキャラクターも、その実真犯人やますみと同じような境遇の持ち主なのでは…と匂わせるラストも印象的です。

 

ただまぁ…前回のエピソードが、父を裏切って蝶の研究成果を金持ちに渡して結婚した母への復讐…でも実は復讐対象の母は父を裏切っておらず、殺害とは違う形での復讐を狙っていた…という構図だったのに対し、今回もますみを利用して社長の裏切りに対する報復をするつもりが、実は社長は裏切った訳ではなく真犯人に対して善意で動いていて…という構図で、何となくパターン化したかの様な似通った構図になってしまっている点が残念かも。エピソード自体は面白いので、間に違うパターンのエピソードとか挟んだ方が、このエピソード自体の評価も高くなったんじゃないかな、とは思いますね、ええ。

 

今回の犯人

鳥丸奈緒子 犯人強度 120万パワー

自分と似たような境遇を歩んでいるますみの行動を、自分の境遇からの行動に照らし合わせて犯行に利用するトリッキーな犯人。

自分のアレルギーを犯行に利用し、それで自身に疑いの目がかからぬようにする等非常にしたたかな人物と言えるんじゃないかと。

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