散り際の台詞は柳沢慎吾じゃねぇぞ

  • 2019.03.02 Saturday
  • 00:01

今回の「ライバル列伝」は彼。

 

「聖戦士ダンバイン」より トッド・ギネス

 

「スーパーロボット大戦」シリーズでもお馴染みの「聖戦士ダンバイン」ですが、スパロボにおける「ダンバイン」の逸話は結構多いんです。例えば、スパロボ最初のオリジナルロボ、搭乗者の精神エネルギー(プラーナ)を糧とするサイバスターは、現在のスパロボのスタイルを確立させた「第2次スーパーロボット大戦」に「ダンバイン」を参戦させたかったものの、諸事情により断念、代わりに追加された、というのが誕生の理由…というのは有名な話。マジンガーやゲッターと同列扱いにする為、サイバスターを主役メカとする架空のロボット作品として「魔装機神サイバスター」をでっちあげた訳です。そしてその「サイバスター」の世界観を軸に展開する「スーパーロボット大戦EX」にて「聖戦士ダンバイン」は初参戦、サイバスターと共演を果たす事に。

 

他にも、「スーパーロボット大戦F」で戦闘デモの際にキャラクターがしゃべる仕様になった際は、当時声優を引退し音信不通となっていたトッド役の逢坂秀実氏を興信所まで使って探し出し、出演してもらった…なんてエピソードも。逢坂氏の捜索にはショウ役の中原茂氏も協力したんだとか。同様に「超電磁マシーン ボルテスV」の剛健一役・白石ゆきなが氏も「新スーパーロボット大戦」の時には声優を引退していて、スパロボへの出演で声優としても復帰したんだそうな。

 

さて、トッドです。「聖戦士ダンバイン」という作品はロボットアニメではあるものの、フォーマットはファンタジー世界を舞台にした戦記的なものになっている為、一見仰々しく思えてしまうキャラクター同士の掛け合いが見事にハマる作品でした。アニメファンには「富野節」なんて言われる台詞の言い廻しなんかも「ダンバイン」ではバッチリ決まっていましたね。

 

ただ、「ダンバイン」のライバル…というと、最終回、ショウと刺し違えたバーン・バニングスだという人は多いんでしょうが、私としては、断然トッドなんです。考えてもみて下さい。バーンは地上から召喚されたショウ、トッド、トカマクの3人の上官的なポジションで、ドレイク軍の筆頭騎士の様な存在…ではあるんですが、序盤から連戦連敗、騎士の出である事に誇りを持っている割に、卑怯、卑劣な事も結構やる男。正体バレバレの黒騎士として再登場した当初…ズワァースに載っていた時は強敵としての存在感を発揮していましたが、結局地上に出てからはいいところナシ…撃墜されて救助された漁船?の甲板で体育座りで涙を流すことに。

 

その後搭乗するガラバが…オーラバトラーではなくオーラファイター…モビルスーツに対するモビルアーマーの様な存在なんですが、「ガンダム」とは違ってオーラバトラーはやっぱり剣で斬り結ぶ戦闘が魅力な訳で、剣を使えないガラバはイマイチ魅力に欠けます。そこそこ量産されていてゼットとかも乗ってましたし、専用カラーとかでもないのがまた痛い。ハイパー化しても、エレ様にオーラ力を封じられたりとイマイチな印象が付きまとうんです。

 

一方、トッドはドラムロでやられて戦死したと思いきや、マーベルを召喚したナックル・ビーに救われていて、ビショップについてピアレスを駆って再登場…このピアレスとショウのダンバインの激闘が、まぁ迫力あるんですよ、ええ。その後もドレイクの元に戻りライネックで執拗にショウを狙う訳です。そして戦いの最中、剣で斬り結びながらショウやマーベルと交わす会話がまぁ、また良いんだコレが。

 

「貴様のおかげで俺は地獄を見たんだよ!」

「他人に説教する程歳をとったのかよ、ショウ!」

「ショウ・ザマ、貴様がいなければ戦いは地上まで拡大しなかったんだ!」

「おふくろに心配かけただけ無益だったってことさ。バイストンウェルで終わらせるだけで良かったんだ!」

「西部のイモには分からん事さ!東部の落ちこぼれの事はなぁ!」

 

…とまぁ、名台詞が飛び出す飛び出す…名台詞も

 

「私は騎士の出の筈だ!」

 

みたいな若干情けなさを含むものが多いバーンとはえらい違い。逢坂氏の演技自体はそんなに際立って上手い…という訳でもないんだけども、台詞回しがとにかく独特で、その声質もトッドのキャラクターにホントぴったりなんですよ。「聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説」というプレステのゲームでは代役で堀内賢雄氏が声を担当していたんですが、正直物足りなかったです。スパロボスタッフが興信所使ってまで逢坂氏のトッドに拘ったのも、アニメ見ていると納得なのです。

 

思えば、ショウにとってはトッドって鏡というか、影と言うか…対の存在なんですね。時を同じくしてバイストンウェルに召喚されたものの、片や反ドレイクの聖戦士として成長、片や野心を持ちつつもくすぶっている…トッドというキャラクターは、「ドレイク側に残ったショウ」の姿なんだと思うんです。だからこそ彼はショウに拘り続け、ショウもトッドを止めたいような台詞を吐いていますし、視聴者も彼の言動には注視してしまうんです。

 

「良い夢を…見させてもらったぜ…」

 

という彼の最後の言葉、それを受けてのショウの

 

「これが…いい夢でたまるかよっ!!」

 

は、ショウだけでなく視聴者の思いも代弁してくれている…そんな気がします。

彼の死に際し、ドレイクはトッドの故郷で彼の最愛の母が住むボストンへの攻撃を控えるよう通達を出します。ドレイクもトッドの死には、何か思う所があったのでしょうね。

 

ちなみにトッド、「スパロボF完結編」からドレイク軍を見限って自軍に参加してくれるんですが、この理由がドレイク軍が彼の生まれ故郷であるボストンを攻撃した為。最愛のおふくろと故郷を守る為に単身ドレイク軍の大群の前に立ちはだかります。これ以降も、トッドはスパロボではフラグ次第で仲間になるキャラクターの代表格になる訳ですが、アニメ本編見てるとね…分かる気がします。スパロボスタッフがトッドを殺したくない理由が。

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