逆転の関ケ原(ちょっと追記)

  • 2019.02.16 Saturday
  • 20:58

今回はコレ。

 

ニンテンドーDS用ソフト コーエー 「采配のゆくえ」

 

はい、「采配のゆくえ」です。

まだコーエーテクモゲームスになる前のコーエーは、「三国志」や「信長の野望」「大航海時代」「太閤立志伝」といった歴史ゲームを数多くリリースしていた訳ですが、今となっては無数の敵を薙ぎ払っていくアクションゲーム「無双」シリーズが有名になっている訳です。まぁ、実は最初に発売された「三国無双」は今の「無双」スタイルではなく、対戦格闘ゲームだったんですけどね。

 

…で、「無双」シリーズの人気を受けて、最近平成30年4月から12月までの最終利益が過去最高、なんて報じられたカプコンは後追いで「戦国BASARA」という「無双」シリーズを強く意識…というか、ぶっちゃけた話、開発の起点が「『無双』をウチ(カプコン)が作ったらどうなるか」というモノだったりするらしい…悪し様に言ってしまうと"パクリゲー"が出てきた訳です。

 

そこでコーエーがとった対抗策、意趣返し…なのかは分かりませんが、この「采配のゆくえ」開発には「無双」と「戦国BASARA」の相関がある…という人は結構います。何せこの「采配のゆくえ」も「無双」シリーズの多くを手掛けたオメガフォースという会社の手によるものな訳ですから、そう邪推されるのも無理からぬ事かと。

 

まぁ、確かに「采配のゆくえ」は「逆転裁判」に似ています。いや、似ているなんてレベルではないんです。インターフェース的なものが先ず殆ど一緒、キャラクターデザインに関しても何となく、という枕詞付ではありますが、私的にはかなり近い雰囲気があるかと。そして各キャラクターの見せるユニークなリアクションなんかも、かなり「逆転裁判」的なのです。それこそ、恐らく「逆転裁判異伝 逆転の関ヶ原」なんてタイトルでカプコンから発売されたら普通に受け入れられてしまうのではないか…その位、似通ったゲームなのです。

 

ただ、「逆転裁判」は裁判という舞台装置を使ったミステリーアドベンチャーなのに対し、「采配のゆくえ」はコレはコレでちゃんと合戦アドベンチャーとしてきちっと成立しているんです。それ故か、「戦国BASARA」への意趣返し、という部分も含めた「逆転裁判」のパクリゲーという悪評は付きまとっているものの、完成されている人気ゲームのシステムに便乗しているとはいえ、アドベンチャーゲームとしてはかなり良く出来たゲームでもあるので、意外と「逆転裁判」好きでこのゲームが好き、という人はいたりします。何を隠そう私もその一人ですし。

 

そんなこの「采配のゆくえ」最大の魅力は、やはりキャラクターでしょうか。関ヶ原がベースな訳ですから、史実の武将とかばっかりな訳ですが、この武将に勿論歴史上の逸話だとか出自とかを絡めたキャラクター付けがなされていて、それが何ともユニークなんです。商人出身の小西行長がそろばん持って利を重んじていたり、宇喜多秀家がおぼっちゃん風だったり…そうそう、「ドリフターズ」の主人公、妖怪首おいてけこと島津豊久も登場しますが、豊久を主要キャラクターとして起用したのは「ドリフターズ」より「采配のゆくえ」の方が先なのです!!

 

ただ主人公の石田三成は「実直なバカ」として描かれており、フィクションでイメージされがちな光成像とは大幅に異なっています。大抵、高い実務能力を持つ豊臣の忠臣ではあるが、嫌味で傲慢…なんてキャラ付けされてしまいますからね。

 

元々、個人的に石田三成という武将が好き…というのもありますが、「采配のゆくえ」の光成像、私は結構好きです。光成に関してのネガティブなイメージって江戸時代に固められた…なんて話もありますし、その風潮を諫めたのは「水戸黄門」こと水戸光圀で、「徳川の敵だったからと言って光成を憎むのは間違い。光成は主君の為に義を持って行動したのだ」的な事を言った、なんて話もあり、この光圀の光成表にはせごどんこと西郷隆盛も感銘を受けた、なんて話もあるんですね。

 

ちなみに、一見ゲームオリジナルに見えるヒロイン、「たま」と「はつ」ですが、たまの方は史実では柳生家に嫁いだとされる島左近の娘・珠がモデル。一方、はつの方は実在の人物ではないですが、司馬遼太郎の小説で徳川が光成に送った女間者だったが光成に惚れてしまう初芽局がモデルですね。

 

最後、彼女達のうちどちらかを選ぶかによってエンディングが変わるんですが、わたしははつさん派です。忍者装束の時に光成の前から去る際、チラッと一度振り向くのが可愛いんですよ、ええ。あと胸元を調べると苦無向けて来たり。(笑)

 

…でも一番可愛いのは島津義弘の愛猫・鬼ぼんたんだけどな!!(笑)

 

詰まる時は詰まる難易度の「逆転裁判」と違い、「采配の」ゆくえの難易度はかなり緩いです。ただ、キャラクターの魅力やシナリオの面白さは良作の部類に入る優良アドベンチャーだと思います。ただ、史実は史実としてコレに忠実なので、ifの要素があんまりないのが残念。関ヶ原に勝っても負けても、結局家康が幕府を開く事に。この辺はもう少し遊んでも良かったんじゃないか…なんて気がします。

 

ちなみにこのゲームが発売された後に、二次創作として「家康に負けて光成も捕らえられて自害させられる寸前、宇喜多秀家と小西行長が軍を率いて光成を助けに来て、それにガラシャの件の誤解が解け、ガラシャを殺した真犯人を突き止めるために細川忠興が光成に協力してくれて…」という、「采配のゆくえ」の続きをネットで書いていたを見た事があるんですが…コレがよく出来てたんですよねぇ…ホント、燃える展開って奴で。

 

まぁともかく、「戦国BASARA」の意趣返しだとか、「逆転裁判」の露骨なパクリだとか…そういうの置いておいてアドベンチャー好き、戦国時代好き、嫌味ではなく「逆転裁判」好きには是非プレイして欲しいゲームなのですよ、「采配のゆくえ」は。

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