備えても憂う時は憂う羽目になる

  • 2019.02.07 Thursday
  • 17:56

新ネタ、は〜じめ〜るよ〜

 

…という事で、昨日は「脇役列伝」として漫画「スプリガン」に登場するネオナチのお笑い芸人ことボー・ブランシェを紹介しましたが、今回は本命?の「主人公列伝」と題しまして、紹介するのはこの方。

 

象撃ち銃を構える我らがバート・ガンマー氏。(右)

左は当時彼の奥さんだったヘザーさん。

 

B級モンスターパニック映画の傑作「トレマーズ」シリーズに登場するバート・ガンマー氏その人です。

 

「主人公列伝」として紹介していますが実は彼、最初の作品…無印の「トレマーズ」では主人公ではありませんでした。主人公的なポジションにいたのは舞台となるネバダ州のド田舎…陸の孤島"パーフェクション"…この小さな町の何でも屋コンビ、ケビン・ベーコン演じるバルと、フレッド・ウォード演じるアールの2人で、それにヒロインとして大学で地質工学を専攻しているロンダが加わる…という編成。マイケル・グロス演じるバートは、むしろリーダー風吹かせるバルに食って掛かる…ありがちなスプラッタホラーやミステリーなんかだと真っ先に殺されてしまう様なポジションのキャラクターだったんです。

 

バートは妻であるヘザーと共に、来るべき核戦争に備え武器や食料を備蓄し、半ば要塞化しているシェルターをパーフェクションに建てて暮らしている人物で、他の町の住民からもパラノイア…変人扱いを受けています。実は陸の孤島であるパーフェクションに居を構えたのも、敵が攻めて来た際に防衛しやすい立地だから…との事。地中を進む巨大人食い生物…グラボイズに襲われたバル達は、離れた所に住むバートに無線で危険だと伝えますが…この後の経緯はもう、動画で見た方がいいね、ウン。

 

コレね。

 

H&KのG3(セミでしか撃ってないから多分HK91)やレミントンやウィンチェスターのポンプ式散弾銃、AR-15にM70や信号弾…挙句の果ての水平2連の象撃ちライフル…という数多の銃器コレクションにて返り討ちにしてしまいます。(笑)ココからバート・ガンマーの成り上がり伝説が始まる訳ですよ。結局バル達と合流したバートはいがみ合いながらもグラボイズの殲滅に成功しますが、ここで武器となったのも彼お手製の爆弾。恐らくパーフェクションに彼がいなかったら…詰んでたかも知れません。

 

そして「2」ではメキシコ油田でのグラボイズ退治を依頼されたアールの助っ人として、火薬満載の軍用トラックに乗って颯爽と登場。奥さんのヘザーと離婚して以降腐っていた彼は旧敵・グラボイズの再来に決起する訳ですが…その離婚の原因はヘザーさんに「冷戦が終結したらボケっとしていて頼りない」と三行半を突きつけられた為だったりします。(笑)

でも離婚という不幸を乗り越え、この時点でシリーズの準主役に格上げです。

 

グラボイズからシュリーカーになり、グラボイズとは行動パターンが一変する…初見殺し状態においても大格闘の挙句1匹を生け捕りに。しかしトラックに隠れていた1匹が倉庫にて息を吹き返し、トラックに大量に積まれていた携帯食料でシュリーカーは増殖してしまいます。

 

逃走を図ろうとする一行ですが、逃走用に唯一残った車までの間にシュリーカーが!!ここでバートは狙撃なら任せとけ!!とLARグリズリービッグボア…対物ライフルにて狙撃に敢行!!見事命中、シュリーカーを仕留めます…が、銃の威力があり過ぎてシュリーカーを貫通した弾丸はよりによって逃走用の車のエンジンをも貫通してしまいます。(笑)

 

その後、彼の機転でシュリーカーを倉庫に閉じ込める事に成功しますが、今度は倉庫内に保管されていた大量のお菓子をシュリーカーが食べて大繁殖してしまい…。(笑)

 

…そう、バートは周囲から「パラノイア」と言われる程のサバイバリストではあるんですが…彼の入念な準備や対策というものは、この「トレマーズ」という一連の映画シリーズだと悉く裏目に出てしまうのです。

 

遂に主役に上り詰めた「3」では、シュリーカーが今度は空を飛ぶアスブラスターに変態し、対グラボイズ要塞となった彼のシェルターに侵入してしまいます。備蓄していた食料で大繁殖される事を懸念したバートは、これまた備蓄していた大量の火薬でアスブラスターをシェルターもろとも吹っ飛ばす訳ですが…何と!シュリーカーと違いアスブラスターは食料を食べても繁殖はせず、逆に昏睡状態になる…つまり、吹っ飛ばした意味が無かったことが後に分るんですが…その時のバートの呆然とした顔と言ったらもう…彼には悪いんですが、笑わずにはいられません。

 

バート・ガンマーの魅力というのは、ガンマニア&コレクターでサバイバリスト、という割と狂ってるキャラクターや、対グラボイズの戦いでは次々と立つ死亡フラグを粉砕し、グラボイズに丸のみにされても生還するそのタフネスっぷりも勿論その一つではあるんですが、彼の最大の魅力ってのは

 

割とダメな中年オヤジ

 

である点だと思うんですよ。

「1」ではリーダー風吹かすバルに食って掛かってヘザーさんに仲裁されたり、「2」で対物ライフルで車のエンジンぶち抜いた際は言い訳がましい事を言い出す…「3」でシェルターを爆破した際も愚痴めいた事を言っていたり、と、間違っても理想の中年男性像、とは言えないキャラクターです。

 

他にもヘザーさんと離婚した理由が「冷戦が終わったらだらけていて頼りない」という点だって、彼の生活力のなさが想像できますし、離婚後、WW2のものと思しき戦争記録映画みたいなのをボケーっと見ているだけのクセに、アールからの助っ人依頼の電話では忙しいとうそぶいたり…。離婚後再建したパーフェクションのシェルターのセキュリティコードが「ヘザー」だったりと別れた奥さんに未練たらたらだったり…どこにでもいそうなダメな中年です。性格もかなり偏屈ですから、商売とかも下手そうですしね。

 

でも、対グラボイズとなるとキリッとした頼れる中年オヤジに変貌する…このギャップがカッコいいんです。こうなると普段のダメな所が逆に「バートはやっぱりこうでなきゃ」と思わせる要素になってしまうんですね。

 

ちなみにコレ、「4」で描かれた彼の曽祖父であるハイラムの血なのかも。リジェクションの鉱山主であったハイラムは紳士的な態度とは裏腹に、かなりダメでしょうもない中年オヤジでした。しかも戦いを忌避する臆病な性格でもあった訳です。でもそんなハイラムは一旦は逃げ出した筈なのに、街でなけなしの財産を使い果たして購入した多数の銃器を携え、リジェクションに舞い戻り激闘の末にグラボイズを退治、街を守ります。

 

我らがサバイバリスト、バート・ガンマー、普段はダメなのに決める時は決める…そのギャップと、でも割と裏目に出てそれでも諦めず生き残る…このタフネスっぷりが堪らなく魅力的なのです。

 

さて、実はシリーズ6作目「トレマーズ コールドヘル」の映像ソフトが出回っています。当初、値段のつり上げ以外何の意味もないブルーレイとDVDのセット販売しかなかったのが、それぞれ単体でのリリースも始まりました。近いうち視聴して記事を書こうと思っておりますのでお楽しみに。

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  
<< February 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM