新巻…2年と63日ぶりですね…(追記あり)

  • 2019.02.03 Sunday
  • 22:00

あ、こんなタイトルですが、「ガンダムW」とか関係ないです。(笑)

 

1巻から追いかけている漫画「アイリス・ゼロ」の8巻が先月発売されました。

「ヒストリエ」とか「ベルセルク」並のリリース感覚になってしまっていますが、この作品の場合は以前作者の体調不良により長期休載になっていて、現在も療養の為に休載する事が少なくない状態。致し方なしなのですが…流石にこのペースだと、諦めて作品から離れてしまうファンも出て来るのかな…と勝手ながら心配しています。

 

…私?私は鍛えられてますから。(笑)

 

そんな訳で、コレね。

 

蛍たかな+ピロ式 「アイリスzero」 現在8巻まで発売中

 

少年少女が「瞳(アイリス)」と呼ばれる異能を持っているのが当たり前の世界。そんな中、高校生の水島透は瞳を持たない「欠落者」ゆえに幼少の頃からヒドイ迫害を受けており、その現在まで続く体験は、極力他人に関わらない、目立たない「低視聴率」という行動原理を彼に植え付けさせた。そんな「低視聴率」をモットーとする彼だが、ある日校内でも有名な美少女・佐々木小雪と知り合った事で様々な事件に巻き込まれる事に…

 

という作品。イラストの雰囲気や原作付き、という事で一見ラノベのコミカライズだと思われるかも知れませんが、本作は漫画オリジナル作品。ただまぁ、ラノベっぽい雰囲気がある感は否めませんが。最近アニメにもなっていた「青春ブタ野郎」シリーズとか、最近大暮維人氏によるコミカライズが話題の「物語」シリーズとかに近いかも知れません。

 

さて、本来「ありえない」とされていた「角膜移植による瞳の後天性発症」を巡る星宮玲のエピソードは前の7巻で完結しましたが、今回はそのアフターフォロー的なエピソードと、透の妹が関連したエピソード、そして最後にややきな臭さを感じる衝撃的な次のエピソードの掴みが入っています。

 

今回の見どころは、透に好意を持った星宮と小雪…透からの2人への想いみたいなものが描かれている点でしょうか。瞳狩りのエピソードで、欠落者である透への迫害が酷い物である…という描写があり、そもそも1巻では一歩間違えば殺人、というシーンもあった訳です。そんな状況で欠落者に対して偏見を持たない小雪との出会いにより、透は今の仲間を得る訳です。小雪から好意を持たれている事を自覚してはいるものの、それに対して自分の気持ち、返事を告げる事が出来ない…それも、自身が欠落者であるという体験から。

 

欠落者として今まで誰からも相手にされなかった自分が突然異性に好意を持たれた。自分もその異性に少なからず好意を持っているという自覚はある…しかし欠落者故として過ごしてきた孤独故、その好意に対する自分の好意が「自分に優しくしてくれるから」という自分本位の感情からなのか、それとも相手に対し真摯な形で「異性として好き」なのかが分からない。そんな自分に相手への好意を口にする「資格」があるのか…それが透の現状での精いっぱいの回答。

 

ただ、この後に聖からの小雪に指摘が入ります。

素直に透への好意をぶつける真っすぐな小雪…彼女の側にも透に好意を伝える「資格」があるのか、と。透にしてみれば、欠落者である自分を受け入れてくれる、仲間と呼べる存在が出来た事が奇跡的。しかし自分が小雪の好意を受け入れるにしても拒絶するにしても間違いなく今の関係は変わってしまう。校内でも人気者として知られる小雪には、今のグループを離れてもまた他のグループに入る事が出来るが、透にはそれは出来ない。それを分かった上で、小雪と透ではその立ち位置に大きな隔たりがある…それが透の言う「資格」なのだ、と。

 

以前も作中で指摘されていますが、この透達のグループ…思えば非常に不安定なのです。聖は中学の時の件、あさひは透が欠落者である事を暴いた件、時田と久我は瞳狩りの件で、それぞれ透に対して「借り」がある…的な思いがある筈。ただ、カップリング的にはあさひは時田と、聖は久我とくっつけそうな描写がありますが、全体の関係性と言う意味ではいつも一緒に行動している風に見える割に、薄い。例えばあさひが一緒にいるのは小雪がいるからだし、時田も久我が一緒にいるからいる。それだけの関係で、その間にいるのが透、という形な訳です。

 

それが反映されているのが、透の妹が関わったエピソードでの結び。透の妹の瞳は「相手のフレンドリストが見られる」というもの。そして妹は友人に「兄には友達はいない」と言っている点ですね。妹の判断する友達に、小雪や聖、あさひ、久我、時田は入っていない訳です。そうなると…透にとっての彼女等は一体何なのか…コレ、次のエピソードへの伏線でしょう。

 

…まぁ、現実世界でも友情なんてものは口で言う程固く結ばれているものばかりではないし、「ずっ友」なんて言いあっている連中程簡単にその関係が崩れてしまう気はします。特に学生時代なんかは小、中、高、大とカテゴリが変わる都度、始まっては終わる訳ですよ。ある意味この漫画の描写は考えすぎ…と見えなくはないんですが、透のポジションにとって考えるとそうはいかなくなる訳で、この辺は作者がどう結論つけるのか…かなり楽しみです。

 

そのキーとなるのは間違いなく、後天的に瞳を得たが元々は欠落者で透と同じく迫害を受けていた経験を持つ星宮…彼女の場合、現状で透の心情や本音を一番近い形で理解してあげられる存在。主要メンバー6人の関係性を描いたところで、彼女を出してくる所など、この作者はやっぱり構成が上手いなぁ…と。

 

それと、今回…透の妹・香弥が関わったエピソード…コレは彼女の友達が歳の離れた高校生と遊んでいて、その友達の為にその高校生…透達の先輩だった訳ですが、彼の正体を探る為に高校にやってくる…というモノなのですが、ここで透は香弥を諭す為にこのような台詞を言っています。

 

正義感を持つことは別にいい。

でもな、"正しいこと"は武器じゃない。

"正しい"っていうのは他人を殴ってもいい理由にしちゃいけないんだ。

 

これ…何気に重みのある言葉です。独り善がりな正義感に酔っぱらって日夜SNSとかブログの炎上に加担している様な連中に聞かせてやりたい台詞ですね。ネットの匿名性を利用して他人に身勝手な暴力を振るうような輩は、決して正義などではないです。むしろ卑怯者ですわ。

 

さて、今回のラストで、小雪がいきなり倒れるという緊急事態が!!詳細は全く分かりませんが、この巻でもそうでしたが、小雪は家族…特に両親に関わる話題が出ると顔を曇らせる…という描写があります。いや、以前の巻でもあったんです、こういうシーン。この辺の…今まで病気になってみんなでお見舞いに行く、というエピソードで小雪の自宅は描かれましたが、彼女の家族は描かれていませんでした。そもそも、病気の娘がいるのに両親とも不在…という時点で何だかありそうだな、とも推測できます。家が豪華な一戸建てな辺り、会社の重役とか政治家とかのパターンで、家にあまりおらず親の愛情自体も薄い…少なくとも小雪にとってはそうなのかも知れません。

 

まぁ、この辺もある意味フラグでしょうね。

次のエピソードはどんなものなのか、そして次の巻はいつ発売になるのか。楽しみです。

 

いやいや、いくらでも待ちますよ、私は。「鍛えられた漫画ファン」ですから。(笑)

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