まだ わからんか・・・心じゃよッ!

  • 2018.12.03 Monday
  • 23:14

スクエア 「ライブ・ア・ライブ」

 

知っている人は知っているスクエアの隠れた名作です。

オムニバス形式のRPGで、それぞれ「原始編」「功夫編」「西部編」「幕末編」「近未来編」「現代編」「SF編」と7つのシナリオをクリアすると新たに「中世編」が登場し、これをクリアすると8人の中から一人選んで「最終編」に挑戦する事になります。

 

思えばかなり思い切ったゲームでした。各編のキャラクターデザインは当時小学館系の漫画誌で活躍していた漫画家が手掛け、戦闘システム等は共通とはいえ、7編がそれぞれ独自の物語、そして全部違うギミックが与えられた当時としてはかなりユニークなスタイルの作品と言えるんじゃないかと。戦闘しかない「現代編」に対して戦闘が基本的にラストしかない「SF編」、主人公が言葉を発しない「原始編」、7編の中でもかなりのボリュームで最初に選ぶと何だか分からなくて詰む可能性すらある「幕末編」、染みるシナリオとちょっとした罠がある「功夫編」、短時間で終わるものの隠し要素は多い「西部編」等々、それぞれがかなりの個性派です。

 

ただ、最初に選択可能な7本のシナリオだけなら、この「ライブ・ア・ライブ」は名作たり得ない…いびつでバランスの悪いゲームでしかないんですが、この後に控える「中世編」…コレがある意味本作のキモなのです。この「中世編」、剣と魔法の世界で魔王に姫が攫われる…なんてありがちなRPG風なスタートを見せますが、ゲームを進めていくうちに「ドラクエ」でも「FF」でも…所謂RPGとしてのお約束を悉く裏切っていくというか、本来主人公の活躍で幸せになる筈の人々が、仲間が…そして主人公までが翻弄されていきます。この、行動すればするほど追い詰められ不幸になっていく主人公の心情は、ダイレクトにプレイヤーの感覚に重なります。

 

そして主人公…「中世編」におけるオルステッドの結末を見届けた上で、「最終編」が始まるというのが、大変に痺れるんです。

私は「西部編」のサンダウンがお気に入りでした。体力がなく打たれ弱いんだけど、溜めはあるものの最高ダメージを叩き出す「ハリケンショット」が何といっても魅力で、他にも「フォースショット」や「乱れ撃ち」、「マルチカウンター」等便利な技ぞろい。しかも渋い中年ガンマンというのが何とも…。他にも「功夫編」の心山拳師範も、最強技の「旋牙連山拳」が溜め無し高火力で使い易かったんですよ。このゲームをプレイした友人はこのゲームの主役格キャラで紅一点のレイを継承者にしていましたが、私はサモが密かにお気に入りでした。(笑)

 

また音楽が良いんですよね。下村陽子さんの代表作と言ってもいいかと。何年か前にサントラCDが復刻しましたし、非常に評価の高い楽曲が多いゲームなんです。特に「功夫編」のテーマ「鳥児在天空飛翔 魚児在河里遊泳」やボスの共通テーマ「魔王オディオ」はゲーム好きには結構有名だと思います。

 

 

 

でも個人的には、「西部編」のテーマ「WANDERER」なんだよなぁ…。

と、いうか「西部編」が好きなんですよ。特にサンダウンを追い掛け回す賞金稼ぎのマッドドッグが好きでね。彼を最後、殺さずに済む方法を知った際は目からウロコ&感激したもんです。

 

 

「ライブ・ア・ライブ」というゲームは完全無欠の傑作と言う訳ではありません。正直、粗が多い類のゲームではありますし、やや人を選ぶきらいがある1本です。でもハマった人には何かしらズシリと重く突き刺さる、後々まで記憶に残る…そんなゲームだと思います。

 

このゲーム、WiiやNEW 3DSのバーチャルコンソールとしてリリースされているので気になった方は是非に。

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