新公道最速伝説

  • 2018.10.07 Sunday
  • 22:47

今日はコレ。

 

しげの秀一 「MF GHOST」 現在3巻まで発売中

 

現在40代より上の世代ですと、しげの秀一先生といえば「頭文字D」ではなく「バリバリ伝説」になると思うんですよね。私自身、ゴルフ漫画の「あした天気になあれ」とかが好きでマガジンを読む事が多く、ほぼ同時期に連載していた「バリバリ伝説」も覚えています。基本バイクにキョーミなかった…というか、現在進行形でもないので詳しく読んだりはしなかったんですが、一部熱心なファンがついていた作品でしたっけ。ヤクザとの交際が発覚して芸能界を引退した島田紳助氏なんかも「バリバリ伝説」のファンで、自らチーム率いて鈴鹿8耐なんかに参戦してましたっけ。

 

そんな訳で個人的にしげの先生はバイクの人、という印象が強くて、「頭文字D」でクルマ漫画を始めた時はかなり意外な印象でしたっけ。まぁ、「頭文字D」は国内外で大ヒットして今では走り屋漫画のカリスマ的な人になってますが。本作「MFゴースト」はその「頭文字D」の続編的な作品で、登場するクルマこそ現行モデルながら、舞台は環境保護の観点から電気自動車が席巻して内燃機関で動くクルマはほぼ壊滅…作品のメインになるMFGはそんな内燃機関のクルマの最後のあだ花、的な競技として設定されています。

 

ちなみにコースは閉鎖された公道で、観客も立ち入り厳禁。観客は参加者猟に並んで飛ぶドローンのカメラからの動画で視聴する、とか何とか色々と設定されており、その競技自体にもグリップウェイトレシオだの4WDやMRへのハンデだの何だの、色々ルールがある模様。物語スタート段階ではそのグリップウェイトレシオの縛りがある為にノーマルでも馬力があってバランスが良い欧州車が強く、その為リッチマンズレギュレーション、なんて言われていてドライバーとしての技量ではなくクルマの力でランク上位にいるキャラクターもいます。そういう事で、国産車が殆どだった「頭文字D」とは違ってポルシェやフェラーリ、ランボルギーニ、AMGやアウディ、日産GT-Rといった現在世界中のサーキットで活躍するクルマが多く登場する様はむしろ「サーキットの狼」的かも知れません。

 

グリップウェイトレシオ等のルールは、主人公のクルマが非力なトヨタ86という事で、この辺のルールが所謂「大物喰い」を今後演出していく為の要素になっていくんでしょうが、どうなんですかねぇ…とりあえず本作の現在の評価は「『頭文字D』と比較してビミョー」というものが多い気がします。

 

まぁ、個人的な意見を言ってしまえば私自身は「頭文字D」自体、あんまり好きじゃないんです。道路交通法違反とかそういう事を言うつもりはないですし、涼介と死神のバトルとか好きなシーンはあるし峠バトルそのものは良いと思うんです。ただ…拓海やイツキの恋愛模様とかは…あれ必要か?という印象でしたし、バトル以外の要素に不要なモノが多い気がするんですね。本作においてもヒロイン的キャラクターの恋のパート…正直アレ、必要?作者のしげの先生的にはホントはコッチ重視でやりたいのかも知れませんし、もっと硬派にやれという気は無いんですが…でもあのキャラクター画力でラブコメやられても…というのが本音です、ワタクシの場合。(苦笑)

 

さて本題。

「頭文字D」は基本決着がつくまでタイマンバトルでしたが、「MFゴースト」の場合は予選があって、上位15名が決勝進出、決勝は公道サーキット2周で決着…というスタイルになっている為、正直大逆転劇みたいなのはあんまり期待できない印象なんですね。リアリティ重視と言えばそれまでではあるんですが、「サーキットの狼」にしろ「よろしくメカドック」にしろ、後方からの大逆転や、最後まで続くデッドヒートを演出する為に様々な理由付けで時に主人公を後方においやり、また一気にトップとの差を無くしたりした訳ですし、タイマンバトルの「頭文字D」でさえ、偶発的な事故やトラブルにより逆転決着、なんてのはそこかしこにあった訳です。

 

そこでこの「MFゴースト」のルールを鑑みると、ホントにフツーのレース…スタートグリッドからリタイヤ等での脱落以外は順位の変動が殆どない…なんて漫画的には面白くない絵になってしまうケースが起きかねない…そんな足かせにも見えてしまいます。リアリティ重視なのか、はたまた漫画的な見栄え、面白さを重視するのか…この匙加減、レース競技を舞台にしたことで案外難しいかじ取りを強いられるんじゃないか…そんな予感がしてしまいます。まぁそこは大ベテランのしげの先生ですから、上手い事やってくれると信じて推移を見守ろうかと。

 

しっかし…大ベテランのしげの先生ではあるんですが、クルマの描写はともかく、キャラクター描写はむしろ下手になってないか?と。ネットとかでしばし見かける下世話な「画力の無い漫画家」でも名前が挙がってしまう事が多いですし、昔からキャラクターの画はビミョーではあったんですが「バリバリ伝説」の頃より酷くなってしまっている印象すら。そういえばもう一人のクルマ漫画の雄・楠みちはる先生も同様にキャラクターの画に批判が多いです。

 

中々、メカモノもキャラクターも上手い、という人はあんまりいないのかも。そしてメカもキャラも上手い人に限って、こんどは漫画が下手、なんてパターンである事が多いのかもしれません。

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM