少女小面伝説

  • 2018.09.08 Saturday
  • 22:37

今回はコレ。

 

織田涼 「能面女子の花子さん」 4巻

 

常に能面の「小面」をつけている女子高生・花子の日常生活を描いたコメディです。

別に、ヨーヨー振り回して「何の因果かマッポの手先」とか言い出しません…って、ネタが古いね。若い子完全に蚊帳の外なネタだね。

 

…まぁ、ウチのブログはそんなんばっかりですが。

 

何でも、このマンガがスゴイとか何とかいう賞で女性向け部門で上位に入ったとかなんだとか聞きましたが、私はたまたま本屋で見つけて何だか面白そうだと購入…要はコミックス博打買いして知った作品なので、その手のなんたら賞とか言うのは良く分かりません。アニメにもなった「昭和元禄落語心中」と同じくITANという漫画誌に連載されていたらしいんですが、この雑誌は紙媒体での発行は休刊となっており、現在はwebコミックスとして連載されているそうです。ちなみにITAN自体が割と女性向けの漫画誌だったらしく、本作も本来であればターゲットは女性。確かに絵柄は少女漫画っぽいんですが、中身が中身なので男でもフツーに楽しく読める作品になっています。

 

まぁ、基本出オチみたいな作品です。花子さんは代々能面を作ってきた一族で、一族の女は能面を被って商売をしていたという慣習から能面…小面と呼ばれる少女の面を被って生活している…という設定ではあるんですが、花子さんの一族は現在では能面を作る技術は受け継いで入るものの別にそれで生計を立てている訳ではなく、実の所本人にも理由は良く分かってないっぽい…という何だかふわふわとした理由づけではあるものの、どんな局面においても能面を外さない、という点が徹底されているので、所作に気品があるたおやかで物腰柔らかい少女ながら、割と天然気質で本人も悪戯好きなおちゃめな点もある花子さん自身の個性も相まって、何だか読んでいるとキミョーな空間に放り込まれた感じになる作品です。

 

コレが青年コミックですと、サービス的に能面を外したら実は美少女…っぽいイメージをつけてしまうんでしょうが、本作にはそういう媚びた描写は一切ありません。まぁ…花子さんは実は美少女だと信じているクラスメイトもいるにはいるんですが、本作の場合、作中最大の謎である筈の「花子さんの素顔」に殆ど執着していないんですね。

 

…で、この漫画を読んだ時、何となく印象が被ったのがこの作品なんです。

 

永吉たける 「スミレ16歳!!」 (全5巻)

 

実はドラマにもなっている作品で、後ろで謎のオッサンが操っている人形の少女・スミレが送る学園生活を描いたコメディです。

この作品を読んだ時の感じと、「能面少女の花子さん」はかなり近い物があるんですね。

 

花子さんにしてもスミレにしても傍から見ると違和感バリバリなんだけども、意外と彼女等の周囲の人間は「そういうもの」と割り切ってしまう…違和感を持ち続ける人も勿論いるんだけども、彼女等をしっかり受け入れて友情を築いてくれる仲間がいる…という点ではこの2作品はかなり近しい作品と言えるのかもしれません。

 

実際、実は私の部屋の本棚の奥には「スミレ16歳!!」とその前身である「スミレ17歳!!」がまだあるんですね。万年金欠な私ですから、本棚の中身は結構頻繁に入れ替わってしまうんですが…別に頻繁に読み返す訳でもないし、特殊な価値があったりする作品ではないんですが何だかふとした時に読み直したくなるし、手放す気にも何故かならない…という不思議な作品なんですね。

 

実はこういう作品、割とあったりするんですよ。波長が合う…とでも言うのかな、名作である、とか有名な作家の作品、だとか、そういう世間での評価とか関係なく、何となく手放し難い、取っておきたい作品ってのは。

 

「能面女子の花子さん」も、そういう作品になるかも知れません。

 

 

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