土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖 夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

自己満足ブログ
Case4 雪影村殺人事件
0

    久々の「金田一」読み直しは「雪影村殺人事件」です。

    エピソードの中身はこんな感じ。

     

    桜のように雪が舞い散る中絵を描いている少女の夢を見た朝、ハジメの元に一本の電話が。その相手はハジメがとある理由で2週間ほど滞在した地、秋田県雪影村の友人・島津からだった。彼の口から雪影村での友人の1人・春菜が自殺した事を知らされたハジメは、彼女の葬儀の為に単身雪風村に向かう。村で再会した友人達は誰もが昔とは変わっていた。そんな中、友人の1人・冬美が春菜の葬儀で使われる筈の「上送りの矢」を刺された状態で死亡しているのを発見する。

     

    「金田一少年の事件簿」はご存知の通り長期シリーズ作品であり、様々な趣向を凝らした多数のエピソードがある訳です。今回の「雪影村殺人事件」はそんな数多くのエピソードの中でも異色作であり、また名作という評価も多いものになっています。どこが異色かというと、先ずこのエピソードは数少ない美雪不在で進行するエピソードである点。と言いますか、レギュラーキャラクターで登場しているのはハジメを除けば二三のみ。しかも二三にしても、エピソードの冒頭でハジメを起こそうと声をかけるだけ。本編には全く関わりません。当然剣持警部や明智警視、佐木といった面子も出ませんし、「地獄の傀儡子(笑)」も登場しません。また、犯人に「オペラ座の怪人」的な2つ名がつけられていないのも特徴。

     

    あ、余談ですが今回、美雪が不在という事で助手役をハジメの母親の親友の娘だという太刀川都というキャラクターが担当します。推理小説家志望の女子高生で、ビジュアルはカチューシャと眼鏡が印象的な、ややイモっぽい女の子。

     

     

    ハジメに好意を持っていた様な描写があって、ラストでハジメとの別れの際に「いつだって会いにいけるんだから」と強がって泣いたシーン…結構グッと来ましたよ、ええ。

     

    ちなみにこのエピソードはコミックス1巻で完結する中短編的なボリュームなんですが、描写が秀逸かつ濃密、しかもきっちり枠に収めているので尺の短さは気になりません。ただ、綾花が殺害される前に探していたモノがその後何のフォローもされずに謎のままだったりはしてます。まぁ、トリックとかに大きく絡んだりはしていないので気にならないかもしれませんが。

     

    そもそも物語の舞台がハジメにとってはたまたま縁があった村…でもエピソード内でハジメがいかにたた2週間で得た友人達とその思い出を大切にしているかが読み取れる上、雪影村の寂れた漁村というシチュエーション…そして何より些細な嫉妬心が決定的な亀裂を作ってしまったという…なんとももの悲しいエピソードになっていて、確かに今までの「金田一」とは雰囲気そのものが違っている印象があります。そんな中にいつものメンバー…例えそれがヒロイン格にして助手役の美雪であろうとも、介在してしまっては何と言いますか…ハジメ達にとって大切な思い出、というモノが一種かすむというか、濁るというか…ハジメ単身で友人達の事件の真相に挑むからこそ、より一層何とも悲しい物語の結末が引き立つと言いますか…これは英断だったと思うんです。

     

    島津と春菜に嫉妬し、腹いせに"ちょっとした嘘"をついた冬美と綾花。

    自分の肩の怪我の方に気をとられ、春菜の絶望に気が付けなかった島津。

    島津の肩の異変に気付きつつも、甲子園への周囲の期待故声を上げられなかった立石。

    誰が悪いという訳でもない、ちょっとした行き違いから生まれた、些細ながらも決定的な亀裂。

    これが今回の事件の真相。

     

    ただ、私は見ていませんがドラマ版ではキャスト(というか事務所?)の都合なのか原作からは改変されてしまって、ハジメ以外の面子も全員集合になっていて、更には今回のトリックにも関係する雪影村の「21日から26日の5日間だけほぼ同じ時間に降る雪」というものも、真夏に降る雪、みたいな形でより現実感が薄い形にされたりと、あまり評判が良くない様です。

     

    しかし原作の漫画版…コレは名編だと思います。

    ややトリックが簡単と言うか、正直雑に見えるのも、今回の事件に纏わりつく物哀しさ…ドラマ性を優先した結果だと思いますし、恐らくこのエピソード、「金田一少年」ではなくても通用する作品かと思います。

     

    このエピソードでも、大切な人を失い、また大切な人が手を血に染めその罪を暴く羽目になったハジメ。やりきれませんね。

    ただこの辺の描写が、私が「名探偵コナン」に興味を持てないのに「金田一少年」は好きな理由かもしれません。

     

    今回の犯人

    島津匠…犯人強度 70万パワー

    何気に犯行の理由が復讐…という割に、決意してから犯行の実行が極めて短いのが特徴。そして野球部期待のエースでありながら、肩を故障してからは推理小説を書き、今回の犯行にもそのトリックを流用するなどただの脳筋スポーツバカではない模様。彼が春菜の不安、絶望に気づいていれば…更には彼の肩について周囲の誰かが気づいて声を上げていれば、今回の悲劇は無かったのかもしれない。

    | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 19:34 | comments(0) | - |
    Cace3 天草財宝伝説殺人事件
    0

      はい、久々の「金田一少年」読み直しです。

      今回のエピソードはこんな感じ。

       

      フリーライターのいつきの頼みで島原の乱の天草四郎が残したとされる財宝探しに乗り出したハジメ。天草に着いたハジメ達は地元の小学生たちから不吉な噂を聞く。天草財宝を狙う者は「白髪鬼」から死の制裁を受けるのだといとう。天草財宝の捜索に参加した面々は天草四郎のロザリオに隠された暗号文から財宝のありかを散策するが、その行く先々で「白髪鬼」による犠牲者が…。

       

      …実はこのエピソード、連載時の謎解き犯人捜しの正解者がたった3人(おまけ正解は多数)という、「金田一少年の事件簿」でも屈指の難事件です。今回、ハジメも一二による偶発的なヒントとかが無かったり、ハジメの仕掛けた罠に犯人が掛からなかったら真相にたどり着けなかったかも知れない事件…犯人は相当な切れ者と言えましょう。ミスらしいミスも犯してませんし、こりゃ確かにヤマカンでもなけりゃ犯人当てるの至難の業かも知れませんわ。

       

      ミステリーモノとしての見せ方と言うか、ミスリードのさせかたも巧妙だったのが正解者が少なかった理由でしょうね。ヒントとかはきっちり提示されていますし、ましてや無茶なトリックを使った訳でもない。ただ意地悪だったのが財宝探索の参加者の名前にヒントがある、と提示しているのに犯人が直接それに関係していない、という部分。ココは若干狡さを感じます。ただ謎解き物としてはかなり出来がいいエピソードと言えるんじゃないかと。

       

      さて、今回はいつきさんがまたまた不幸に。しかも「金田一少年の殺人」に続いて「親しくしていた人物が病気の娘の為に殺人を犯す」上に、かつての恋人をこの事件で失う事に…って、ロリコンって訳じゃなかったんだな、いつきさん。(笑)

       

      ちなみにいつきさんの元カノがこの人

      個人的に結構好みのタイプの眼鏡美人です。(笑)
      それはともかく、事件の構図…というか、犯人の位置づけ、動機がモロに「金田一少年の殺人」と同じなんですよね、この事件。娘の病気の為に、復讐とか怨恨と言った「金田一少年」お約束な要素のない無関係とも言える人間を次々と殺めていく…という展開がそっくりです。しかもどちらの事件にもいつきさんが関わっていて、最後の最後で犯人の願い…娘の命が助かるかもしれない…という希望が残るのも共通。いや、だから焼き直しだなんだという気はありませんよ?
      このエピソードですが、今までは架空の地名を用いる事が殆どだった「金田一少年」ですが、今回は執筆に当たり天草にて取材を行っており、登場する地名も全て実在の物になっているのも特徴。またトリック等に関係している訳ではないものの、ダウジングというややオカルト的な部分のあるモノを持ち出した事に多少批判があるんだそうで。
      あ、ダウジングと言えば、ダウジングの使い手として財宝探索にも参加したキャラクター・美浦エミリはワカメ頭から美雪に部長が代替わりしてからミステリー研究会に入部したハジメ達にとっては後輩の娘。入部時のあいさつで男子全員を虜に、女子全員から敵意を浴びる…という小悪魔的美少女で、ハジメに気がある…という設定。本命対抗の美雪、玲香に対する更に脇役的ポジションでハジメに好意を持つキャラクターで後輩ポジションというのは初ですかね。ただ彼女に関しては「興味本位」という程度にしかハジメに好意を持つにいたるバックボーンがないので、ダウジングとか便利な設定かも知れませんが…どーもイマイチ魅力に欠けると言いますか…まぁ、本命はかなりやきもきしている描写があるんですけどね。
      それと今回、単行本2巻分では尺があまったからか単行本には明智警視の過去を描いた短編エピソードが1本入ってます。コチラは明智警視のファンサービス的なもので特筆すべきものは特にない印象でした。
      今回の犯人
      和田守男…犯人強度 300万パワー
      見た目はコッテコテの関西弁が印象的な人のよさそうな小太りの中年だが、殺人のアイデアや実行に際してのミスのなさに関しては一級品の強敵。娘の為なら手段を問わない非常さも然ることながら、最終的な目的=殺人、ではなく娘の命…その為に自らの命すら差し出そうとする様は印象的。
      | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 14:48 | comments(0) | - |
      Case2.「銀幕の殺人鬼」
      0

        はい、「金田一少年」読み直し企画、今回は「Case」シリーズ第2弾「銀幕の殺人鬼」です。

        事件の概要はこんな感じ。

         

        不動芸術高校の映研部部長・蔵沢にスカウトされ彼らが作る自主製作映画の撮影の為に同校を訪れたハジメ達。ハジメ達は不動芸術高映研部の活動を知る為に「大追跡」という作品を見る事に。しかし作品の途中で画面は切り替わり、脅迫文と大きな蠍の紋章が映し出された。蔵沢たちはその脅迫文を無視して撮影を続けるが、部員の1人がかつて撮影したホラー映画「サソリ座の惨劇」にあるシーンに酷似した状態で殺されてしまう。

         

        …と、いう事ですが、正直このエピソード…出来があんまり宜しくない気がします。正直、これまで読み直してきましたがコレが現在ワーストですね。いや、コレは勿論個人的な感想で、ですが。

         

        先ず、物語自体が何というか…やや力業な印象。犯人の動機としては「金田一少年の事件簿」らしい復讐劇ですし、それも誤解やすれ違いが絡んだお得意の展開。そして意外な事にトリックでも致命的なボロを出さずに手際よく4人を殺めた手際と言い、割と手強い部類の筈なんですが…根本的な問題として物語そのものの魅力が足りていない…そんな印象なのです。

         

        まぁ、一番の原因はこれですよ、やっぱり。

         

        黒河さんの背中のあざ

         

        これ見よがしに派手に書いておいて、全く説明がないサソリに見える背中のあざ…何の為の描写だったんですかね。ドラマやアニメ版では一応説明があったみたいなんですが、原作は派手に出した割に何の説明もされぬまま事件解決。読者にミスリードさせようという演出なのかも知れませんが、少なくともただ描いただけで説明しないままな原作のやり口では、誰も納得しませんわな。

         

        …まぁ、そもそもあからさま過ぎてコレで殺人犯スコーピオン=黒河さん、という風に考えてしまう人もそんなにはいないとは思うんですが。

         

        それでもまぁ、このエビソードの欠陥である事は間違いないんじゃなかろうかと。

        それと、今回も「犯人の動機は復讐だが、それにはある誤解が…」というパターンではあるんですが、他のエピソードに比べても今回この部分は弱く、同情してしまう様な要素も薄いんですよね。事件の原因になった事故の件にしたって

         

         

        としか思えないんですよね、何だか。

        キャラクターの描写が絶対的に足りていないというかなんといいますか。

         

        …Caseシリーズ2作目ですが、やっぱり1エピソード毎に出版社の都合から来る尺を設けてしまったのは、物語の完成度とかを考慮すれば悪手だったんじゃないかな、と思わずにはいられないのです。

         

        今回の犯人

        遊佐チエミ…犯人強度 100万パワー

        エピソードの出来はともかく、犯人の技量に関しては少ない時間で立て続けに4人も葬った…という点では評価できるかも。

        ただ…やや殺人の演出が厨二っぽく見えてしまうのが難点か。

        ちなみにドラマ版で彼女を演じたのは現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん」に出演中の上白石萌歌さん。

        | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 21:52 | comments(0) | - |
        Case1 魔犬の森の殺人
        0

          はい、久々になる「金田一読み直し」ですが、今回からCaseシリーズに突入です。

          最初期シリーズではコミックス1.5巻分程度で1エピソードという形態で、特定のエピソードを読み直したい、なんて場合は不便な構成になってしまうんですが、Caseシリーズは1エピソードの話数を区切り、コミックス1巻分の中編エピソードとコミックス2冊分の長編という2パターン構成になっています。コミックス2冊分のエピソードはその分大掛かりになって読みごたえが増した一方で、コミックス1冊分のエピソードでは若干の物足りなさとかを感じてしまうケースもあったり。

           

          さて、今回の事件はこんな感じ。

           

          美雪が千家や八尾に誘われてた八尾の別荘のある山梨の山奥でのキノコ狩りに強引についていったハジメ。美雪との関係を幼馴染から一歩進めよう…というか、思春期的なエロ衝動から悪事を目論んだハジメだったが、キノコが原因で別荘は火事に。寝泊まりする場所を失い山奥を歩き回る4人は何かの研究施設にたどり着く。そこで大学のオカルト研究会の面々と知り合ったハジメ達だが、そのオカルト研の1人の死体が猛獣に襲われた様な姿で発見され、研究所の周囲を狂犬病の野犬に囲まれてしまう。

           

          …先ずツッコミどころですが、ハジメが幻覚作用を持つキノコを使って美雪の処女を狙う一幕ですが…フツーに犯罪だよな、アレ。(笑)八尾の別荘が火事になったのもハジメの目論見が原因な訳で、殺人事件でうやむやにならなければハジメは糾弾されていてもおかしくない立場。ある意味、犯人に感謝せねばならないのかも知れません。

          ついでに火事のドサクサで犯人はハジメ達を山奥の研究所…標的であるオカルト研の元へ誘導した…となってますが、火事が起きなかった場合はどうやってハジメ達を研究所に連れ出したんですかね。この場合どうするつもりだったのかが描写されていなかったので気になります。

           

          さて、このエピソードはある一点において「金田一少年」ファンには語り草になっていましてね…そう、犯人の正体です。今回の事件の犯人である千家は不動高校の生徒…ココまでは今までのエピソードでもあった訳ですが、実は千家の場合は本作が初登場ではなく既に「首吊り学園」で「ハジメの友人」というポジションで既に登場していたキャラクターなのですね。

           

          今までもハジメの友人が犯人…というケースはあった訳ですが、それはどれもそのエピソード冒頭でハジメとの関係が描かれた、そのエピソードで初登場となるキャラクターだった訳で、他のエピソードで既に登場していたキャラクターが後に犯人となる、というのはこの千家が初な訳です。どうしてもミステリーモノには"犯人を推理する"という楽しみ方が付き物な訳で、純粋に描写からトリックを崩して犯人を推理していく…というスタイル以外にも、私のように「作品のパターンからトリックの解明とか度外視して犯人を推理する」タイプにとって、千家の様なポジションは本来速水玲香とか佐木と同じ…犯人候補から早々に除外されてしまうパターンな訳です。

           

          コレは、私の様な本来想定している作品の楽しみ方からやや邪な方向に外れた"犯人を推理する"やり方に対する、"ちゃんと正々堂々とトリック解明して犯人当てろや"という送り手からの意思表示…というのは流石に感がせえすぎかも。ただ、犯人が千家、という意外性を除けば今回のエピソードはヒントがあからさまだったりしてミステリー…というか、トリックの難易度としてはそんなに高くはないというのも、何だかより"トリックを解いて欲しい"というメッセージに見えなくもない気が…。

           

          そんな訳で、トマトを潰すメロンのダイイングメッセージとか、割とトリックとかは単純と言うか…犯人が千家、という意外性を除外できれば犯人特定は簡単なエピソードかも知れません。「犬」が絡んだ事件で「笛」が出てきたらそれはもう「犬笛」である可能性が極めて濃厚…即ち犯人のトリックなーには何らかの形で犬が使われているのが察せる…って、こういう穿った見方をこのエピソードでは指摘されてるんだっけ。(苦笑)

           

          まぁ、ともあれ今回のエピソード、意外性はあれどエピソードとしての出来に関しては、Caseシリーズの特徴である「尺」に慣れていないというか、試行錯誤しているのが伺えるような…そんな印象を受けますね、ええ。

           

          あ、それとこのエピソードに限りませんが、犯人が凶行に及んだ理由となる存在…今回の事件の場合は愛した人、ですが、犯人が凶行に及ぶに至ったというのが納得できる聖人君主っぷりですよね。しかも女性の場合、総じて美女、美少女ときたもんだ。特に今回の場合は顕著かも。(強くも儚い美人、という点で)

           

          まぁ、オカルト研の二ノ宮さんもかなりの美女だけどね。

           

          今回の犯人

          千家貴司…犯人強度 60万パワー

          読者的にはまさかこいつが…という意外性が光る犯人ではあるものの、事件にヒント的要素が多いので引っ掛からなければ特定は容易かも。 そもそも彼の間違いは、彼が直接誘った訳ではないにせよ、ハジメに近しい美雪をキノコ狩りに誘ってしまった事。ハジメの恐ろしさについては良く判っている筈だろうに。

          | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 18:01 | comments(0) | - |
          File19 速水玲香誘拐殺人事件
          0

             

            さて、いよいよFileシリーズのラストエピソードです。

            今回の概要はこんな感じ。

             

            アイドルの速水玲香のツテで、彼女が出演する舞台の稽古でガード役のアルバイトをするハジメ。そこでハジメと美雪は玲香から今所属しているプロダクションの社長・鏑木葉子から養子縁組を誘われている事を聞かされる。一連の事件で家族と呼べる人を失っている玲香は、新しい家族が出来る事を喜んでいた。しかし、舞台稽古の後に玲香はマネージャーもろとも何者かに誘拐されてしまう。プロダクションには「道化人形」を名乗る犯人から身代金1億円を要求するビデオが届く。そして身代金受け渡しにはハジメが指名される。犯人の無茶な指示をこなし受け渡し場所に向かうハジメだったが、不慮の事故により受け渡しは頓挫。ハジメ達の元には道化人形から「二人ハ殺シタ」という連絡が…

             

            と、いう訳で登場する度に不幸度が増していく気がしないでもないアイドルにしてサブヒロインの速水玲香に焦点を当てたエピソードです。しかしこの娘、今までの経緯で既に

             

            ・幼少期に兄もろとも強盗犯の人質にされる。

            ・父は強盗犯に殺害される。

            ・一緒に人質になっていた兄とは生き別れる。

            ・育ての親が実は強盗犯。

            ・ある事件に巻き込まれ、いけ好かないキザな警視から犯人扱いをされる。

            ・事件である少年に好意を持ったが、既に強力なライバルがいた。

            ・所属するプロダクションの社長に関係を強要されそうになる。

            ・その社長と育ての父が再開した兄によって殺害される。

            ・再開した兄も自分を助けて死んでしまう。

             

            という状態な上に、更に今回のエピソードにて

             

            ・養子縁組を誘ったプロダクション社長は金の亡者。

            ・マネージャーは強姦魔。

            ・マネージャーと共謀した彼の妻に誘拐される。

            ・実の母が実は近くにいるが、名乗り出てはくれない。

             

            …という、数え役満状態。しかも今後のエピソードでも不幸が降りかかるんだから凄いね、もう。彼女に不幸度で肩を並べられるヒロインは、「逆転裁判」の真宵ちゃんくらいなもん…いや、彼女でも役者不足か?

            「37歳」では未登場ですが…もしかして事件に巻き込まれて殺されちゃってるんじゃ…。

             

            さて、今回は真犯人の裏に黒幕がおりまして…そう、「地獄の傀儡師」こと高遠です。

            でも、今回のエピソードでははっきり言って、自身の美学とかを偉そうに語りつつ、犯人のミスに対して「醜い」と開き直り犯人を殺害しているんですが…何だろな、コイツ自分のミスを棚に上げて、ハジメに見破られたのを全部犯人の責任にして自分は「負けたわけではない」とか強がったり、と…ホント、カッコ悪いです。正体を明かした際にハジメ達に色々偉そうに語ってましたが、

             

            人、それを負け犬の遠吠えという。

             

            彼を推していた原作者とかには大変申し訳ないんですが、高遠…地獄の傀儡師つて、ライバルキャラクターとしての説得力と言うか、そういうものが割と欠如しちゃってる気がするんですよね。ですからワタクシ、彼の登場するエピソードってあんまり好きではないです、ハイ。

             

            あ、今回玲香の実の母である事が明かされた三田村圭子というキャラクター…名前からすると女優の三田佳子さん辺りがモデルなのかも知れませんが、今読み返して思ったのは、沢口靖子さんに似てないか?とという事。

             

             

            …目の感じとか、眉毛の感じ…髪型だって、前髪を流している方向こそ逆ですが…結構似てるんじゃないかと。

            尤も、「金田一少年」でこのエピソードやったのはもう…20年くらい前ですから、当時の沢口さんとは違うと思うのでモデルとかそういう訳ではないとおもいますが、沢口さんも独身で、独身である理由に色々噂がある人なので…なんだかイメージが被ると言いますか…。

             

            今回の犯人

            安岡真奈美…犯人強度 60万パワー

            誘拐は夫である保之と仕組んだ狂言誘拐で、それを利用して夫への復讐を果たす…が、プランは高遠のものであり、正直、彼女自身の印象は弱い。最後は言い訳じみた理由で高遠に殺されてしまう。

            自身もかつてアイドルとして活動し、人気が出てきたころに保之の策略で強姦された…という復讐に至るバックボーンはあるものの、だからといって復讐に玲香ら無関係な人物を巻き込んだ時点で彼女に同情の余地はない。

             

            今回の高遠…25点(100点満点で)

            トリックの出来は良いと思うんです。でも、ラストで言い訳と屁理屈ばっかたれてんじゃねぇ!!この負け犬が!!…と思ってしまいました、ええ。

            | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 18:54 | comments(0) | - |
            File18 魔神遺跡殺人事件
            0

              はい、久々の「金田一少年」読み直しです。

              もうすぐFileシリーズも終わりですね。

               

              今回の概要はこんな感じ。

               

              明智警視のベンツのドアを盛大にぶつけてしまったハジメは、先輩の宗像さつきから遺跡発掘のアルバイトを紹介される。島根の摩陣村にあるさつきの実家に二泊三日…美人な先輩とのアヤマチを期待するハジメだったが、何のことはない結局美雪と佐木弟も同行する事に。4人が着いた摩陣村は凶鳥の命と魔神具の伝説が残る曰く付きの村で、唯一村外への出入り口であるトンネルから中に入ってしまうとそれぞれ七鏡の館、矛の館、宝玉の館しかなく、もう1棟の銅鐸の館は謎の火事で焼失していた。

              そんな中、大和猛が鏡岩により閉ざされ密室状態の場所で目撃される。凶器はバラバラになった宝玉のレプリカと断定されるが、そのレプリカは七鏡の館にある筈の物。ハジメ達は七鏡の館に戻り宝玉のレプリカの所在を確認するが、残りの魔神具のレプリカも既に焼失していた。

               

              ちなみに、今回はクローズドサークルって言うんですか?隔離した環境の中での殺人事件になっているんです…が!!このエピソード、何だか分かりませんがサービスカットが…というよりハジメのラッキースケベ遭遇が多くなってます。不動高校にドラマのロケに来ていた速水玲香に撮影中抱きつかれ、たまたま腰かけたのが巨大送風機でパンチラゲット、その後も宗像先輩のパンモロ(フリフリホワイト)はあるわ、露天風呂で誘われるわ

               

              トドメに夜這いしてコレですぜ!?

               

              …つーか、ハジメの先輩ってエロい人多いね。桜木るい子先輩といい、宗像先輩といい…しかも、そんなエロい先輩は何故かハジメに対してかなり好意的、という…う〜ん、羨ましい。(笑)

               

              ちなみに宗像先輩では結びのシーンでもパンモロ(水色の花柄)が。こんなんもう痴女ですやん。(笑)

              でも彼女、凶鳥からの戒めにより、「宗像家の女は18までに初めて契った相手を当主として迎えなくてはならない」という掟を信じてしまっていて、今回の一連の殺人も自分がこの戒めを反故にしていたからだ…と思い込んで自殺未遂まで…って、と…いう事は…宗像パイセン、あんなエロい行動してるのに処女って事ですか!?

               

              …いや、エロい、エロ過ぎる!!…どじょうすくい饅頭。(笑)

               

              でもまぁ、契ろうとしたのにはある意味打算的な部分がなかった訳ではないんでしょうが、その相手にハジメを選んだ…というのは決して打算だけではないモノがあったんでしょうねぇ…。でなければあんな行為にはそうそう及べまいて。

               

              しっかしそれにしても…ハジメがモテるってのは、まぁ良いんですよ。エロい点とずる賢い点はありますが、いざとなったら頼れる男ではありますし、正義感な面もある訳です。ビジュアルにしたって及第点以上な訳で、家柄も…なんせ有名な名探偵の孫、ですから。深く関わらない女生徒からは嫌われている…まではいかないにしろアレではあるんですが、彼の本質に触れた女の子からは悉く好意持たれてますからねぇ。

               

              …でも、今回の宗像パイセンの誘惑もそうですが…好意を寄せられて相手に積極的に出られると腰が引けちゃうんですよね、ハジメちゃん。ヘタレめ。(笑)

               

              あ、今回若干オカルトめいた結末を迎えてるんですよね。真犯人の言葉を信じれば、今回の殺人計画は「凶鳥の命」のお告げであり、トリックも凶鳥の命が教えてくれたもの、とか…そして犯人が明かされて犯人が自殺しようとした瞬間、雷が落ちて犯人は事件の記憶を失ってしまう…と、何ともミステリアスな形で決着がつけられているのが本エピソード最大の特徴でしょうね。トリック云々よりむしろ、この謎の方が気になってしまいます、ええ。

               

              それとそういえば2番目に釣鐘が落ちてきて首と手が胴体から離れちゃって死んでしまった港屋というキャラクターですが…釣鐘=銅鐸、と連想されて今回の事件の犠牲者…と印象付けられてしまいますが、コレ、事故死なんですよね。トンネルの崩落による振動で山の上の無人の寺から釣鐘が落ちてきて命中…完全に事件とは無関係な事故の筈。でもこの事故が殺人と魔神具の関連が印象付けられていまっているんですから…やっぱり殺人事件の実行犯が村西弥生なら、黒幕はやっぱり…と思わせますよね。

               

              ちなみにこのエピソード、Fileシリーズで唯一実写ドラマで採用されていないエピソードなんだそうで。

              まぁ、ハジメ役がジャニタレだから、宗像先輩の行動とかにNGが出るんですかね。分かりませんが。

               

              あ、本編と無関係なネタですが、宗像パイセンが浮名を流した相手、として名前が挙がる

               

              野球部の久里先輩

              サッカー部のGKで成績優秀な白石

              バスケ部人気ナンバー1の成瀬先輩

               

              …は、当時少年マガジンで連載していた「Dreams」「シュート!」「Harlem Beat」のキャラクターから引用したものでしょうね。

               

              今回の犯人

              村西弥生 犯人強度???

              実は宗像さつきの父・志郎とかつて不倫関係にあり、はずみ今日子を殺害している。実は弥生こそさつきの本当の母親。最愛の志郎が事故死する原因を作った事への復讐と、凶鳥の戒めを利用してさつきを手込めにして宗像家を牛耳ろうとした2人からさつきを守る為に今回の殺人を実行。しかし計画は凶鳥の命のお告げだという…真相は果たして。

              ちなみに18歳時の容姿は中々の美少女。もっともさつきの実母なのだから当然か。

              | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 20:56 | comments(0) | - |
              File17 仏蘭西銀貨殺人事件
              0

                はい、2連続で「金田一少年」読み直しです。

                今回の事件はこんな感じ。

                 

                旧友の高岡ますみと再会したハジメは、彼女が専属モデルを務めるファッションブランド「キミザワ」のブライダルコンペに招待される。しかしますみはハジメと再会する直前、1人の男を花瓶で撲殺し、死体を海に捨てていた。しかしそれをある人物に目撃されており、その人物の言うなりとなってコンペ会場で次々と人を殺めていくが…

                 

                冒頭で犯人が提示され、その殺人をキッカケとして犯人が他の人物の指令で次々と殺人に手を染める…という構図は、「タロット荘」によく似ています。殺人の動機も毎度恒例ともいえる誤解からの行き違い…というモノで、「金田一少年」の事件フォーマットとしては実にフツーなエピソードです。

                 

                ただ面白い点が2つ。先ず、わざわざページ数かけてますみとハジメ、そして美雪の関連性が描かれていますが、その過去回想シーンで描かれているのが美雪とますみのブルマー姿です。

                 

                …世代的にギリギリだよなぁ…丁度私らの世代の後に、体操服としてのブルマーが淘汰されていって、今ではブルマーが見られるのはエロビデオとかそういうものに限定されていくわけですから、丁度この描写がリアリティを保てるギリギリなんじゃないかな?と。いや、私はブルマーにフェチを感じたりはしませんし、マニアでもないので詳しくは分かりませんけどね。まぁでも、今ではエロとかフェチのアイテムみたいになっちゃってるブルマーに取って代わられたショートパンツ…でもコレ、裾の隙間からチラッと見えたりする訳でコチラはコチラで…って、いやいやいや、私は別にショートパンツフェチとかでもないんですよ?ホントに。(笑)

                 

                まぁともあれ、結構ハジメとますみの関係性がキチッと描かれているので冒頭で殺人をやっちゃうますみに対して結構入り込んでしまう部分はありますよね。ただまぁ、脅迫された上にレイプされそうになっているんだから、素直に警察に行けば正当防衛で済んで真犯人に利用される事もなかったんじゃないかな、とは思います、はい。

                 

                そして、物語のキーともいえる真犯人とますみの関係…「精神的双子」というのは中々面白いネタだと思います。

                近しい境遇を巡ってきた真犯人とますみ…故にますみの行動や言動に関して真犯人には予想が出来てしまう…これを利用しての殺人、というのは結構面白い仕掛けかと。そして実は真犯人が真のターゲットとしたキャラクターも、その実真犯人やますみと同じような境遇の持ち主なのでは…と匂わせるラストも印象的です。

                 

                ただまぁ…前回のエピソードが、父を裏切って蝶の研究成果を金持ちに渡して結婚した母への復讐…でも実は復讐対象の母は父を裏切っておらず、殺害とは違う形での復讐を狙っていた…という構図だったのに対し、今回もますみを利用して社長の裏切りに対する報復をするつもりが、実は社長は裏切った訳ではなく真犯人に対して善意で動いていて…という構図で、何となくパターン化したかの様な似通った構図になってしまっている点が残念かも。エピソード自体は面白いので、間に違うパターンのエピソードとか挟んだ方が、このエピソード自体の評価も高くなったんじゃないかな、とは思いますね、ええ。

                 

                今回の犯人

                鳥丸奈緒子 犯人強度 120万パワー

                自分と似たような境遇を歩んでいるますみの行動を、自分の境遇からの行動に照らし合わせて犯行に利用するトリッキーな犯人。

                自分のアレルギーを犯行に利用し、それで自身に疑いの目がかからぬようにする等非常にしたたかな人物と言えるんじゃないかと。

                | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 20:08 | comments(0) | - |
                File16 黒死蝶殺人事件
                0

                  はい、久々の「金田一少年」読み直しです。

                  今回のエピソードはこんな感じ。

                   

                  剣持警部のツテで警察の保養所で楽しんだ帰り、ハジメと美雪はフリーライターのいつきと再会する。彼はかつて自分達が巻き込まれた悲恋湖での殺人事件の犯人・遠野英治にそっくりな人物がある雑誌の記事に掲載された写真に写り込んでいたとハジメ達に伝える。遠野は事件後爆死したと思われていたが、遺体は派遣されておらず生存している可能性はあった。写真の人物が遠野なのかを確かるべく、3人はその写真に写るもう1人の人物…絶滅種の蝶をよみがえらせたという班目紫紋の屋敷を訪ねる。

                   

                  死んだと思われていた人物と瓜二つの男が現れて、その人物が本人なのか別人なのか…というのが軸になる、というのはサスペンスやミステリーの題材としては割とあるパターンですが、「金田一少年」でこのパターンは今回が初ですかね。いや、過去の事件で死んだと思われていた人物が(主に犯人として)現れて…というのはあるんですが、劇中で犯人役…しかも最後自殺したと思われた人物の再登場は今までなかった…筈。

                   

                  ただまぁ…今回のエピソードの内容をすっ飛ばして先ず言ってしまいますが…今回の事件、遠野にそっくりな人物…深山は犯人ではなく、最後はこのエピソードの主要人物と結ばれる…という結末。言わばハッピーエンドになっているんですが…いいのか?それで…という思いを抱かずにはいられないのです。

                   

                  なんせ遠野という人物が起こした「悲恋湖伝説殺人事件」というのは、ある船舶事故において最愛の妹を見殺しにした奴…遠野が分かっていたのはイニシャルだけで、その船舶事故に遭遇した同じイニシャルの人物を片っ端から集めて殺害する…というトンデモナイ殺人事件です。つまり、遠野は妹を見殺しにした奴もろともイニシャルが同じと言うだけで無関係な人物も殺めている人物…サイコパスと言っても過言ではないと思うんですわ。それを…遠野=深山とハッキリ言及はされた訳ではありませんが、今回の事件で幸せをつかんでしまう…という結論には、私でなくとも違和感というか、否定したくなる人は少なくない筈。

                   

                  ハジメ曰く、「遠野は悲恋湖で死んだ。あそこにいるのはこれから新しい人生を踏み出そうとしている深山と揚羽だ」みたいな事を言っているんですが…

                   

                   

                  本当にそうでしょうか?(youtube見てるとしつこく流れるよね、このCM/笑)

                   

                  深山=遠野という前提で話をしますが、彼は遠野としての記憶を全て失った状態で深山として揚羽に好意を寄せ、結婚に至る訳です。ただ記憶喪失ってのは厄介で、死ぬまで記憶が戻らないかもしれないし、突如記憶が戻るかも知れない…当然、ハジメ達は揚羽に彼が記憶を失う前に犯した凶行を伝える様な事はしていないでしょうが、ミステリーやサスペンス的な展開として、悲恋湖の事件に関連して深山の事を知り、遠野=深山と確信して例えば強請りにかかってくるなんて可能性はある訳です。それ以前に、深山が突如遠野としての記憶を取り戻してしまったら…コレ、どっちにしてももう1本エピソード書けるレベルですよね。

                   

                  個人的には、深山=遠野ならば悲恋湖の罪の清算はなされるべきだったんじゃないかと。記憶を失ったとはいえ、罪を逃れたままで本当の幸せなど、訪れないと思うのですよ。

                   

                  ただまぁ、ハジメが深山を見逃した心情は分からなくもないんです。

                  今回の事件、同じ人物に対して別の人間が企てた違う形での復讐が、ふとした誤解と思い込みから悲劇に繋がった…悲しくもやりきれなさの残る事件です。しかも、真犯人と"もう1人の復讐者"は共に最後、自殺して果てるという誰も救われない結果になってしまった…その犯人と復讐者の残したのが

                   

                  「『生きる』ことが『死ぬこと』よりはるかにつらいこともある」

                   

                  という言葉。これをどうしても否定したいハジメにとっては、深山=遠野を見逃すしかなかったのかも知れません。

                   

                  ちなみに、個人的なイメージでは「金田一少年」はラストで犯人が自殺するか誰かに殺されて終わり…という印象があったんですが、この辺のデータをまとめているサイトがあったので見てみたら…犯人が最後逮捕されて終わったエピソードの半分程度なんですねぇ。今までのエピソードではかなり死亡率高い気がしていたんですが…。

                   

                  ハジメ自身、エピソードを重ねるにつれ、罪を犯して償わず死ぬのは卑怯、生きてさえいればいくらでもやり直せる、という性善説的な思想の持ち主として描かれる様になって来ている気がします。特に、悲劇的なバックボーンがある犯人に対してはラストは犯人側に寄り添い説得するようなケースもあるので、事件に巻き込まれる都度、何かしら思う所があってこうなっていったのかも知れませんね。

                   

                  …そうなると、「37歳」では何でああなってしまったのかが気になる所ではあるんですが。

                   

                  あ、今回トリックとか事件そのものにあんまり触れてないなぁ。蝶を題材にしたエピソードだけあって、蝶を使ったユニークなトリックがあったり事件解決に至ったキーワードも蝶だったりと、中々ミステリー的にも面白いエピソードだと思います、ハイ。

                   

                  今回の犯人

                  小野寺正之 犯人強度 65万パワー

                  非常に奇抜なトリックを用いたが、エピソード的には深山に食われてしまっていて凡庸な印象。

                  復讐とは言え12歳の何も知らない女の子にまで手をかけるのは如何なものか。(しかも誤解だし)

                  | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 16:12 | comments(0) | - |
                  番外編2 「37歳の事件簿」 タワマンマダム殺人事件
                  0

                    はい、今回は「金田一少年」の方がやや滞っているのに「37歳」の新巻発売レビューです。

                     

                    ハジメは部下のまりんと共に、隣人の巨乳シングルマザー・森下桃香の頼みで彼女の仕事…タワーマンションでのケータリングの手伝いをする事に。しかしパーティの主賓で雇い主の美咲雛の姿が見えない。実は豪華なパーティの裏側で、セレブ達の嫉妬からある殺人事件が進行していた…

                     

                     

                    というモノ。エピソードとしてはほぼ3巻のみで解決…まぁ、短編的なエピソードと言えます。

                    一応犯人と犯人が使ったトリック…といいますか、このエピソードは最初から犯人が分かっているタイプのスタイルになっており、犯人の行動も全て描かれています。言わば、「刑事コロンボ」とかに近い感じ…と言えば分かり易いでしょうか。

                     

                    …っても、今の20代以下は「刑事コロンボ」って言っても分からんかも。「ウチのカミさんがね」というフレーズは知ってるかも知れませんが。ジェネレーションギャップって奴ですね。(苦笑)

                     

                    正直、犯人が分かっている上に犯人の行動も分かってしまっているので、このエピソードにはミステリー的な面白さは薄目です。ただ、どうしようもない悲恋だとか、ボタンの掛け違い的な哀しい誤解、というのが物語の根底、犯人達の動機になっていたケースが多かった「少年」に比べ、先のエピソードもそうでしたが「37歳」では犯人側の動機がやや短絡的と言うか、自己中心的なものになっているのがやはり印象的です。今回の事件にしたって動機はまだ明かされてはいませんが、恐らく「嫉妬」という線が濃厚。まぁコレは次巻での回答待ちではありますが。

                     

                    他にも自殺に見せかける為の動機付けが主人の不倫だったり、殺された本人も不倫していたり…少なくとも「少年」の時にはセフレとかそういう関係は直接言及はされ…てないよ…な?(自信なし)

                    まぁともかく、本作の対象年齢…ターゲットは昔「少年」を読んでいて、現在ではいい歳こいた大人になっている私ら、というのが色濃く出ている気がします。

                     

                    あ、そうそう、さして重要でもないですが、「学園七不思議」で、初登場以降もちょくちょく登場していたワカメこと真壁先輩が刑事となって登場してます。ゴーストライターの件でミステリー作家にはなれなかったのは分かるんですが、ゴーストライターやってた女の子…鷹鳥との関係はどうなったんですかね?もし結婚していたら、ワカメが尻に敷かれてる気がしますが。(笑)

                     

                    それと、今回、犯人がハジメに「いつから気付いていた」と聞かれて、「最初からだ」と答えて、その理由が非常に些細な違和感からだった…というのが描かれますが、コレ、人気ドラマの「相棒」でもよくあるパターンですね。「刑事コロンボ」とかでもありましたが。

                     

                    さて、今回の事件…についてはあんまり語る事が無いので、「37歳」に関して"ある予想"をしてみようかと。

                     

                    現在まだ登場していない美雪に代わって、助手役のポジションとして"まりん"が登場しているのは、まぁ、分かるんです。でも、金田一やまりんと同じ会社という訳でもなく、それでいてハジメに近しいレギュラーキャラクターとして森下桃香&走野、という母子が登場していますが…この2人を出した理由に何かある気がするんですよ。

                     

                    実はワタクシ、彼女は高遠に絡んでいるキャラクターな気がするんです。前のエピソードで、高遠を頂点(=ゼウス)とする彼の弟子達の存在が示唆された訳ですが、例えば

                     

                    可能性とすれば…

                     

                    1.走野の父親が高遠、説

                    彼女が高遠と繋がっていると、数年ぶりに再会したハジメの現状を高遠が言い当てた事に説明がつきますね。桃香自体も高遠の薫陶を受けていて、高遠は彼女をゼウスの妻・ヘラ、息子の走野をアポロンとかアレス辺りに当てはめる訳です。結局高遠絡みの理由で殺人を犯しますが、そうなると恐らく、その殺人の動機には高遠よりむしろ走野の存在が大きくなるでしょうね。高遠は恐らく自身の弱点になる様なものは作らない…と思うので、走野が桃香との間に生まれた子供…というのは高遠がそう思い込ませているだけ。

                     

                    2.零哭堂が妄想する"大穴"説

                    桃香は高遠とは旧知の中で、高遠の正体も知っている。そして息子・走野とは血縁関係はなく、実は走野は高遠の関係者。(息子とか弟子のひとりとか)高遠との関りがあっても桃香自身は殺人を犯さず、高遠にとって彼女は理解者でもあるが、批判者でもある、という構図。そうなると、ギリシャ神話の神様の中では、数年前"あの紐"がキッカケで大きいお友達に大人気になった

                     

                    ヘスティア様。

                    "家庭"や"炉"を司る神様なので、走野を守る為に自らは殺人に走らない。そして"永遠魔処女"=殺人を決して行わないと誓っている…なんてのはどうでしょう。最後はハジメに自身の正体を明かし、ハジメに走野の為に高遠を止めて欲しいと託す…なんて展開も面白いんじゃないかなぁ…と、ね。

                     

                    あ、ちなみにヘスティア様、

                     

                    コレでお馴染みの岩明均先生の漫画「ヒストリエ」の主人公・エウメネスのルーツとされるスキタイの主神なんだそうな。

                    面白いなぁ…。

                     

                    今回の犯人

                    姉小路牧子、九条美音子、園森紗英 犯人強度…3人合わせて15万パワー

                    アイデア自体は良いのだが、如何せん詰めが甘い印象。

                    そもそもそのアイデアも彼女達が自ら考えたのかも…?

                    | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 15:00 | comments(0) | - |
                    File15 魔術列車殺人事件
                    0

                      さて、久々の「金田一少年」読み直しレビューですが、今回は「魔術列車殺人事件」…そう、この後幾度となく登場しハジメを悩ませる終生のライバル?…地獄の傀儡師・高遠が初登場するエピソードです。なんせこの男、「金田一37歳」でも懲りずに犯罪に手を染めているんですから相当性質が悪い。

                       

                      エピソードの概要はこんな感じ。

                       

                      「地獄の傀儡師」と名乗る人物から警視庁に脅迫状が届く。中身は、「4月28日、北海道は死骨ヶ原湿原を通る列車に魔法をかけた」というモノ。そのメッセージに当てはまる寝台特急・銀流星に乗り込んだハジメ達だったが、そこには有名な幻想魔術団のマジックショー開かれていた。朝食を食べながらマジックを観覧するハジメ達だったが、その時、剣持警部のポケットにいつの間にか入れられていた携帯電話に「地獄の傀儡師」から列車に爆弾を仕掛けたという着信が入る。

                       

                      マジシャンという職業って、ミステリーとかでよく使われる題材な気がします。この「金田一少年」にも度々登場しますし、ハジメ本人が手先が器用で手品の心得がありますが、ハジメと同様探偵役が特技として手品を…なんてのは割とよく見る気がします。例えばアレをミステリーと呼ぶのかはさておき、ドラマの「TRICK」なんかはもうそのまんま探偵役が"売れない"手品師ですし、逆に舞台装置とか犯人側、という形でも少なくない気がします。まぁ、はっきり覚えているのは「逆転裁判」の或真敷一座とか、「相棒(及川)」の中村有志さんが出ていたエピソードなんかもそう。真相や真犯人という「謎」を追うミステリー作品に対し、タネや仕掛けという「謎」をはらむマジシャンという題材は、親和性が高いんでしょうね。

                       

                      さて本題。まずは冒頭、ちゃっかり金田一家で朝食を食べる明智警視…なんでも数々の事件を解決に導いたハジメに警察から感謝状が贈られる事となりますが、ハジメはその席ですっころんだ表紙に持っていたアダルトビデオをビデオデッキに差し込んで再生してしまう…というトンデモナイ事故を!!

                       

                      …どんな偶然の重なりがあってそうなるのよ!!(笑)

                      ハジメが解決した数々の難事件より、よっぽど難解だと思いますわ、コレ。

                       

                      百合子先輩もこう言ってるしな!!

                       

                      んで、感謝状は無かったことになってしまうものの剣持警部の誘いでハジメは警視庁の美人婦警さんたちとの飲み会に参加する事に。その席で婦警さんたちは率先して高校生のハジメに酒を勧めていますが…いいのか?コレ。

                      連載時はまぁ、まだ今よりかは幾分おおらかだった気がするので許されたのかもしれませんが、コンプライアンスがどうたらと五月蠅い昨今ではコレ…下手すると炎上案件だよね。

                       

                      …いや、描写云々を非難したいのではなく、嫌な時代になったな、と。(苦笑)

                       

                      風船を使ったトリックとか、電車を止める事で可能にした死体の移動等、トリック面は凝っていますし、犯人逮捕後も続きがあって、最後の犠牲者が出る…といったのも新機軸なんですが…高遠のキャラクターにあんまり魅力を感じないんですよね。天才マジシャンだった実の母が殺された…殺害したのが彼女のマジックのアイデアを盗み出したかった弟子たちだ、という事に気が付いたからその復讐…というのまでは分かるんですが、そこからどういう風に殺人コンサルタントみたいな人間になったのか…が正直、よく分らんのですよね。

                       

                      まぁ、実の所連載時とかに「金田一少年」を全エピソード読破した訳ではないですし、スピンオフ…例えば明智警視とか高遠の奴とかは全然読んでないのが原因なのだとは思いますが…なんだろ、高遠が絡まないエピソードの方が面白く感じるんですよね。地獄の傀儡師が絡むと全て原因がコイツになっちゃうって構図は、まるで

                       

                      何でもかんでも人類滅亡に繋げちゃうこの人みたいなんだもの…って、この人が絡んでるんだけどね、「金田一少年」も。(笑)

                       

                      この人みたいでもあるね。(笑)

                       

                      そういう訳で、「金田一少年」のファンには人気あるエピソードなのかも知れませんし、トリックとかは私も好きなエピソードではあるんですが…どうも高遠が好きになれない私には、ややビミョーな気がしてしまう一本ですね、ええ。

                       

                      あ、余談ですが…高遠の逮捕後、左近寺が最後にマジックを披露する直前、客席に「ガンダム」のシャアとセイラさんが描かれているコマがあります。暗転しているシーンでの描写なので分かり難いんですが、キョーミある人は探してみて下さい。

                       

                      今回の犯人

                      高遠遙一 犯人強度…100万パワー

                      地獄の傀儡師。ハジメにとってはライバル的存在になるキャラクター。

                      以後の殺人事件でも事件の裏で暗躍し、ミスをした犯人に容赦ない死のペナルティ与える事が多い。

                      でもその割に自分自身の犯罪であるこの事件では凡ミスを犯していたりする。

                      ホントに希代の犯罪者なのか?コイツ…。

                      | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 17:51 | comments(2) | - |
                        12345
                      6789101112
                      13141516171819
                      20212223242526
                      2728293031  
                      << October 2019 >>
                      + SELECTED ENTRIES
                      + RECENT COMMENTS
                      + CATEGORIES
                      + ARCHIVES
                      + MOBILE
                      qrcode
                      + LINKS
                      + PROFILE