土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖 夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

自己満足ブログ
File17 仏蘭西銀貨殺人事件
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    はい、2連続で「金田一少年」読み直しです。

    今回の事件はこんな感じ。

     

    旧友の高岡ますみと再会したハジメは、彼女が専属モデルを務めるファッションブランド「キミザワ」のブライダルコンペに招待される。しかしますみはハジメと再会する直前、1人の男を花瓶で撲殺し、死体を海に捨てていた。しかしそれをある人物に目撃されており、その人物の言うなりとなってコンペ会場で次々と人を殺めていくが…

     

    冒頭で犯人が提示され、その殺人をキッカケとして犯人が他の人物の指令で次々と殺人に手を染める…という構図は、「タロット荘」によく似ています。殺人の動機も毎度恒例ともいえる誤解からの行き違い…というモノで、「金田一少年」の事件フォーマットとしては実にフツーなエピソードです。

     

    ただ面白い点が2つ。先ず、わざわざページ数かけてますみとハジメ、そして美雪の関連性が描かれていますが、その過去回想シーンで描かれているのが美雪とますみのブルマー姿です。

     

    …世代的にギリギリだよなぁ…丁度私らの世代の後に、体操服としてのブルマーが淘汰されていって、今ではブルマーが見られるのはエロビデオとかそういうものに限定されていくわけですから、丁度この描写がリアリティを保てるギリギリなんじゃないかな?と。いや、私はブルマーにフェチを感じたりはしませんし、マニアでもないので詳しくは分かりませんけどね。まぁでも、今ではエロとかフェチのアイテムみたいになっちゃってるブルマーに取って代わられたショートパンツ…でもコレ、裾の隙間からチラッと見えたりする訳でコチラはコチラで…って、いやいやいや、私は別にショートパンツフェチとかでもないんですよ?ホントに。(笑)

     

    まぁともあれ、結構ハジメとますみの関係性がキチッと描かれているので冒頭で殺人をやっちゃうますみに対して結構入り込んでしまう部分はありますよね。ただまぁ、脅迫された上にレイプされそうになっているんだから、素直に警察に行けば正当防衛で済んで真犯人に利用される事もなかったんじゃないかな、とは思います、はい。

     

    そして、物語のキーともいえる真犯人とますみの関係…「精神的双子」というのは中々面白いネタだと思います。

    近しい境遇を巡ってきた真犯人とますみ…故にますみの行動や言動に関して真犯人には予想が出来てしまう…これを利用しての殺人、というのは結構面白い仕掛けかと。そして実は真犯人が真のターゲットとしたキャラクターも、その実真犯人やますみと同じような境遇の持ち主なのでは…と匂わせるラストも印象的です。

     

    ただまぁ…前回のエピソードが、父を裏切って蝶の研究成果を金持ちに渡して結婚した母への復讐…でも実は復讐対象の母は父を裏切っておらず、殺害とは違う形での復讐を狙っていた…という構図だったのに対し、今回もますみを利用して社長の裏切りに対する報復をするつもりが、実は社長は裏切った訳ではなく真犯人に対して善意で動いていて…という構図で、何となくパターン化したかの様な似通った構図になってしまっている点が残念かも。エピソード自体は面白いので、間に違うパターンのエピソードとか挟んだ方が、このエピソード自体の評価も高くなったんじゃないかな、とは思いますね、ええ。

     

    今回の犯人

    鳥丸奈緒子 犯人強度 120万パワー

    自分と似たような境遇を歩んでいるますみの行動を、自分の境遇からの行動に照らし合わせて犯行に利用するトリッキーな犯人。

    自分のアレルギーを犯行に利用し、それで自身に疑いの目がかからぬようにする等非常にしたたかな人物と言えるんじゃないかと。

    | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 20:08 | comments(0) | - |
    File16 黒死蝶殺人事件
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      はい、久々の「金田一少年」読み直しです。

      今回のエピソードはこんな感じ。

       

      剣持警部のツテで警察の保養所で楽しんだ帰り、ハジメと美雪はフリーライターのいつきと再会する。彼はかつて自分達が巻き込まれた悲恋湖での殺人事件の犯人・遠野英治にそっくりな人物がある雑誌の記事に掲載された写真に写り込んでいたとハジメ達に伝える。遠野は事件後爆死したと思われていたが、遺体は派遣されておらず生存している可能性はあった。写真の人物が遠野なのかを確かるべく、3人はその写真に写るもう1人の人物…絶滅種の蝶をよみがえらせたという班目紫紋の屋敷を訪ねる。

       

      死んだと思われていた人物と瓜二つの男が現れて、その人物が本人なのか別人なのか…というのが軸になる、というのはサスペンスやミステリーの題材としては割とあるパターンですが、「金田一少年」でこのパターンは今回が初ですかね。いや、過去の事件で死んだと思われていた人物が(主に犯人として)現れて…というのはあるんですが、劇中で犯人役…しかも最後自殺したと思われた人物の再登場は今までなかった…筈。

       

      ただまぁ…今回のエピソードの内容をすっ飛ばして先ず言ってしまいますが…今回の事件、遠野にそっくりな人物…深山は犯人ではなく、最後はこのエピソードの主要人物と結ばれる…という結末。言わばハッピーエンドになっているんですが…いいのか?それで…という思いを抱かずにはいられないのです。

       

      なんせ遠野という人物が起こした「悲恋湖伝説殺人事件」というのは、ある船舶事故において最愛の妹を見殺しにした奴…遠野が分かっていたのはイニシャルだけで、その船舶事故に遭遇した同じイニシャルの人物を片っ端から集めて殺害する…というトンデモナイ殺人事件です。つまり、遠野は妹を見殺しにした奴もろともイニシャルが同じと言うだけで無関係な人物も殺めている人物…サイコパスと言っても過言ではないと思うんですわ。それを…遠野=深山とハッキリ言及はされた訳ではありませんが、今回の事件で幸せをつかんでしまう…という結論には、私でなくとも違和感というか、否定したくなる人は少なくない筈。

       

      ハジメ曰く、「遠野は悲恋湖で死んだ。あそこにいるのはこれから新しい人生を踏み出そうとしている深山と揚羽だ」みたいな事を言っているんですが…

       

       

      本当にそうでしょうか?(youtube見てるとしつこく流れるよね、このCM/笑)

       

      深山=遠野という前提で話をしますが、彼は遠野としての記憶を全て失った状態で深山として揚羽に好意を寄せ、結婚に至る訳です。ただ記憶喪失ってのは厄介で、死ぬまで記憶が戻らないかもしれないし、突如記憶が戻るかも知れない…当然、ハジメ達は揚羽に彼が記憶を失う前に犯した凶行を伝える様な事はしていないでしょうが、ミステリーやサスペンス的な展開として、悲恋湖の事件に関連して深山の事を知り、遠野=深山と確信して例えば強請りにかかってくるなんて可能性はある訳です。それ以前に、深山が突如遠野としての記憶を取り戻してしまったら…コレ、どっちにしてももう1本エピソード書けるレベルですよね。

       

      個人的には、深山=遠野ならば悲恋湖の罪の清算はなされるべきだったんじゃないかと。記憶を失ったとはいえ、罪を逃れたままで本当の幸せなど、訪れないと思うのですよ。

       

      ただまぁ、ハジメが深山を見逃した心情は分からなくもないんです。

      今回の事件、同じ人物に対して別の人間が企てた違う形での復讐が、ふとした誤解と思い込みから悲劇に繋がった…悲しくもやりきれなさの残る事件です。しかも、真犯人と"もう1人の復讐者"は共に最後、自殺して果てるという誰も救われない結果になってしまった…その犯人と復讐者の残したのが

       

      「『生きる』ことが『死ぬこと』よりはるかにつらいこともある」

       

      という言葉。これをどうしても否定したいハジメにとっては、深山=遠野を見逃すしかなかったのかも知れません。

       

      ちなみに、個人的なイメージでは「金田一少年」はラストで犯人が自殺するか誰かに殺されて終わり…という印象があったんですが、この辺のデータをまとめているサイトがあったので見てみたら…犯人が最後逮捕されて終わったエピソードの半分程度なんですねぇ。今までのエピソードではかなり死亡率高い気がしていたんですが…。

       

      ハジメ自身、エピソードを重ねるにつれ、罪を犯して償わず死ぬのは卑怯、生きてさえいればいくらでもやり直せる、という性善説的な思想の持ち主として描かれる様になって来ている気がします。特に、悲劇的なバックボーンがある犯人に対してはラストは犯人側に寄り添い説得するようなケースもあるので、事件に巻き込まれる都度、何かしら思う所があってこうなっていったのかも知れませんね。

       

      …そうなると、「37歳」では何でああなってしまったのかが気になる所ではあるんですが。

       

      あ、今回トリックとか事件そのものにあんまり触れてないなぁ。蝶を題材にしたエピソードだけあって、蝶を使ったユニークなトリックがあったり事件解決に至ったキーワードも蝶だったりと、中々ミステリー的にも面白いエピソードだと思います、ハイ。

       

      今回の犯人

      小野寺正之 犯人強度 65万パワー

      非常に奇抜なトリックを用いたが、エピソード的には深山に食われてしまっていて凡庸な印象。

      復讐とは言え12歳の何も知らない女の子にまで手をかけるのは如何なものか。(しかも誤解だし)

      | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 16:12 | comments(0) | - |
      番外編2 「37歳の事件簿」 タワマンマダム殺人事件
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        はい、今回は「金田一少年」の方がやや滞っているのに「37歳」の新巻発売レビューです。

         

        ハジメは部下のまりんと共に、隣人の巨乳シングルマザー・森下桃香の頼みで彼女の仕事…タワーマンションでのケータリングの手伝いをする事に。しかしパーティの主賓で雇い主の美咲雛の姿が見えない。実は豪華なパーティの裏側で、セレブ達の嫉妬からある殺人事件が進行していた…

         

         

        というモノ。エピソードとしてはほぼ3巻のみで解決…まぁ、短編的なエピソードと言えます。

        一応犯人と犯人が使ったトリック…といいますか、このエピソードは最初から犯人が分かっているタイプのスタイルになっており、犯人の行動も全て描かれています。言わば、「刑事コロンボ」とかに近い感じ…と言えば分かり易いでしょうか。

         

        …っても、今の20代以下は「刑事コロンボ」って言っても分からんかも。「ウチのカミさんがね」というフレーズは知ってるかも知れませんが。ジェネレーションギャップって奴ですね。(苦笑)

         

        正直、犯人が分かっている上に犯人の行動も分かってしまっているので、このエピソードにはミステリー的な面白さは薄目です。ただ、どうしようもない悲恋だとか、ボタンの掛け違い的な哀しい誤解、というのが物語の根底、犯人達の動機になっていたケースが多かった「少年」に比べ、先のエピソードもそうでしたが「37歳」では犯人側の動機がやや短絡的と言うか、自己中心的なものになっているのがやはり印象的です。今回の事件にしたって動機はまだ明かされてはいませんが、恐らく「嫉妬」という線が濃厚。まぁコレは次巻での回答待ちではありますが。

         

        他にも自殺に見せかける為の動機付けが主人の不倫だったり、殺された本人も不倫していたり…少なくとも「少年」の時にはセフレとかそういう関係は直接言及はされ…てないよ…な?(自信なし)

        まぁともかく、本作の対象年齢…ターゲットは昔「少年」を読んでいて、現在ではいい歳こいた大人になっている私ら、というのが色濃く出ている気がします。

         

        あ、そうそう、さして重要でもないですが、「学園七不思議」で、初登場以降もちょくちょく登場していたワカメこと真壁先輩が刑事となって登場してます。ゴーストライターの件でミステリー作家にはなれなかったのは分かるんですが、ゴーストライターやってた女の子…鷹鳥との関係はどうなったんですかね?もし結婚していたら、ワカメが尻に敷かれてる気がしますが。(笑)

         

        それと、今回、犯人がハジメに「いつから気付いていた」と聞かれて、「最初からだ」と答えて、その理由が非常に些細な違和感からだった…というのが描かれますが、コレ、人気ドラマの「相棒」でもよくあるパターンですね。「刑事コロンボ」とかでもありましたが。

         

        さて、今回の事件…についてはあんまり語る事が無いので、「37歳」に関して"ある予想"をしてみようかと。

         

        現在まだ登場していない美雪に代わって、助手役のポジションとして"まりん"が登場しているのは、まぁ、分かるんです。でも、金田一やまりんと同じ会社という訳でもなく、それでいてハジメに近しいレギュラーキャラクターとして森下桃香&走野、という母子が登場していますが…この2人を出した理由に何かある気がするんですよ。

         

        実はワタクシ、彼女は高遠に絡んでいるキャラクターな気がするんです。前のエピソードで、高遠を頂点(=ゼウス)とする彼の弟子達の存在が示唆された訳ですが、例えば

         

        可能性とすれば…

         

        1.走野の父親が高遠、説

        彼女が高遠と繋がっていると、数年ぶりに再会したハジメの現状を高遠が言い当てた事に説明がつきますね。桃香自体も高遠の薫陶を受けていて、高遠は彼女をゼウスの妻・ヘラ、息子の走野をアポロンとかアレス辺りに当てはめる訳です。結局高遠絡みの理由で殺人を犯しますが、そうなると恐らく、その殺人の動機には高遠よりむしろ走野の存在が大きくなるでしょうね。高遠は恐らく自身の弱点になる様なものは作らない…と思うので、走野が桃香との間に生まれた子供…というのは高遠がそう思い込ませているだけ。

         

        2.零哭堂が妄想する"大穴"説

        桃香は高遠とは旧知の中で、高遠の正体も知っている。そして息子・走野とは血縁関係はなく、実は走野は高遠の関係者。(息子とか弟子のひとりとか)高遠との関りがあっても桃香自身は殺人を犯さず、高遠にとって彼女は理解者でもあるが、批判者でもある、という構図。そうなると、ギリシャ神話の神様の中では、数年前"あの紐"がキッカケで大きいお友達に大人気になった

         

        ヘスティア様。

        "家庭"や"炉"を司る神様なので、走野を守る為に自らは殺人に走らない。そして"永遠魔処女"=殺人を決して行わないと誓っている…なんてのはどうでしょう。最後はハジメに自身の正体を明かし、ハジメに走野の為に高遠を止めて欲しいと託す…なんて展開も面白いんじゃないかなぁ…と、ね。

         

        あ、ちなみにヘスティア様、

         

        コレでお馴染みの岩明均先生の漫画「ヒストリエ」の主人公・エウメネスのルーツとされるスキタイの主神なんだそうな。

        面白いなぁ…。

         

        今回の犯人

        姉小路牧子、九条美音子、園森紗英 犯人強度…3人合わせて15万パワー

        アイデア自体は良いのだが、如何せん詰めが甘い印象。

        そもそもそのアイデアも彼女達が自ら考えたのかも…?

        | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 15:00 | comments(0) | - |
        File15 魔術列車殺人事件
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          さて、久々の「金田一少年」読み直しレビューですが、今回は「魔術列車殺人事件」…そう、この後幾度となく登場しハジメを悩ませる終生のライバル?…地獄の傀儡師・高遠が初登場するエピソードです。なんせこの男、「金田一37歳」でも懲りずに犯罪に手を染めているんですから相当性質が悪い。

           

          エピソードの概要はこんな感じ。

           

          「地獄の傀儡師」と名乗る人物から警視庁に脅迫状が届く。中身は、「4月28日、北海道は死骨ヶ原湿原を通る列車に魔法をかけた」というモノ。そのメッセージに当てはまる寝台特急・銀流星に乗り込んだハジメ達だったが、そこには有名な幻想魔術団のマジックショー開かれていた。朝食を食べながらマジックを観覧するハジメ達だったが、その時、剣持警部のポケットにいつの間にか入れられていた携帯電話に「地獄の傀儡師」から列車に爆弾を仕掛けたという着信が入る。

           

          マジシャンという職業って、ミステリーとかでよく使われる題材な気がします。この「金田一少年」にも度々登場しますし、ハジメ本人が手先が器用で手品の心得がありますが、ハジメと同様探偵役が特技として手品を…なんてのは割とよく見る気がします。例えばアレをミステリーと呼ぶのかはさておき、ドラマの「TRICK」なんかはもうそのまんま探偵役が"売れない"手品師ですし、逆に舞台装置とか犯人側、という形でも少なくない気がします。まぁ、はっきり覚えているのは「逆転裁判」の或真敷一座とか、「相棒(及川)」の中村有志さんが出ていたエピソードなんかもそう。真相や真犯人という「謎」を追うミステリー作品に対し、タネや仕掛けという「謎」をはらむマジシャンという題材は、親和性が高いんでしょうね。

           

          さて本題。まずは冒頭、ちゃっかり金田一家で朝食を食べる明智警視…なんでも数々の事件を解決に導いたハジメに警察から感謝状が贈られる事となりますが、ハジメはその席ですっころんだ表紙に持っていたアダルトビデオをビデオデッキに差し込んで再生してしまう…というトンデモナイ事故を!!

           

          …どんな偶然の重なりがあってそうなるのよ!!(笑)

          ハジメが解決した数々の難事件より、よっぽど難解だと思いますわ、コレ。

           

          百合子先輩もこう言ってるしな!!

           

          んで、感謝状は無かったことになってしまうものの剣持警部の誘いでハジメは警視庁の美人婦警さんたちとの飲み会に参加する事に。その席で婦警さんたちは率先して高校生のハジメに酒を勧めていますが…いいのか?コレ。

          連載時はまぁ、まだ今よりかは幾分おおらかだった気がするので許されたのかもしれませんが、コンプライアンスがどうたらと五月蠅い昨今ではコレ…下手すると炎上案件だよね。

           

          …いや、描写云々を非難したいのではなく、嫌な時代になったな、と。(苦笑)

           

          風船を使ったトリックとか、電車を止める事で可能にした死体の移動等、トリック面は凝っていますし、犯人逮捕後も続きがあって、最後の犠牲者が出る…といったのも新機軸なんですが…高遠のキャラクターにあんまり魅力を感じないんですよね。天才マジシャンだった実の母が殺された…殺害したのが彼女のマジックのアイデアを盗み出したかった弟子たちだ、という事に気が付いたからその復讐…というのまでは分かるんですが、そこからどういう風に殺人コンサルタントみたいな人間になったのか…が正直、よく分らんのですよね。

           

          まぁ、実の所連載時とかに「金田一少年」を全エピソード読破した訳ではないですし、スピンオフ…例えば明智警視とか高遠の奴とかは全然読んでないのが原因なのだとは思いますが…なんだろ、高遠が絡まないエピソードの方が面白く感じるんですよね。地獄の傀儡師が絡むと全て原因がコイツになっちゃうって構図は、まるで

           

          何でもかんでも人類滅亡に繋げちゃうこの人みたいなんだもの…って、この人が絡んでるんだけどね、「金田一少年」も。(笑)

           

          この人みたいでもあるね。(笑)

           

          そういう訳で、「金田一少年」のファンには人気あるエピソードなのかも知れませんし、トリックとかは私も好きなエピソードではあるんですが…どうも高遠が好きになれない私には、ややビミョーな気がしてしまう一本ですね、ええ。

           

          あ、余談ですが…高遠の逮捕後、左近寺が最後にマジックを披露する直前、客席に「ガンダム」のシャアとセイラさんが描かれているコマがあります。暗転しているシーンでの描写なので分かり難いんですが、キョーミある人は探してみて下さい。

           

          今回の犯人

          高遠遙一 犯人強度…100万パワー

          地獄の傀儡師。ハジメにとってはライバル的存在になるキャラクター。

          以後の殺人事件でも事件の裏で暗躍し、ミスをした犯人に容赦ない死のペナルティ与える事が多い。

          でもその割に自分自身の犯罪であるこの事件では凡ミスを犯していたりする。

          ホントに希代の犯罪者なのか?コイツ…。

          | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 17:51 | comments(2) | - |
          File14 墓場島殺人事件
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            久々の「金田一」です。

            今回の「墓場島殺人事件」はこんな内容。

             

            クラスメイトの平嶋千絵の実家の旅館に遊びに来たハジメ&美雪を含む不動高校の面々。しかし彼女の実家はオンボロ旅館で町には遊ぶところなんかない寂れた漁村だった。そんな最中、ハジメ達は観光会社の人間と名乗る人物から無人島でのサバイバルツアーに誘われる。ツアーに参加する事にしたハジメ達が連れられてきたのは、太平洋戦争時に何万もの戦死者を出したといういわくつきの無人島・墓場島。そこでは既にある大学のサークルがサバイバルゲームに興じており、ハジメ達も巻き込まれるが…

             

            「金田一少年」のみならず、ミステリードラマ等では結構珍しいんじゃないかと思える無人島のジャングルが殺人事件の舞台になっている1本。そして何といっても面白いのが、この事件、今までの「金田一少年」のパターンを大幅に崩してきたエピソードなんですね。それは…

             

            いつもなら読者が真っ先に犯人候補から外すであろう「あからさまに怪しい奴」がそのまんま犯人だった!!

             

            というパターンです。

            コレにはびっくりでしたよ、ええ。(笑)

             

            その犯人…ハジメ達より先に墓場島に来ていた大学サークルのメンバーで、最初からハジメ達と衝突したり過激な言動、行動を取っていた檜山という男。もっとも単独犯ではなく共犯者がおりまして、それはハジメのクラスメイトで今回の旅行の発案者であった森下麗美。二人は同じ村の出身で幼馴染…いや恋人同士。しかしその村は今回の被害者である大学のサバイバルサークルのメンバーが起こしたボヤ騒ぎにて全焼。今回の殺人事件はその復讐という形になっています。

             

            ただまぁ…うーん…本筋とは離れてしまう話ではありますし、フィクションでの話ではあるんですが…今回の事件の発端となった村を全焼させた火事の原因がサバイバルゲーマーで、特にリーダー格の岩野なんかの描写が火事の原因を開き直ったり責任転嫁しようとしたり、今回の殺人事件でもハジメを身代わりにしようとしたり…なんて設定が特にドラマ版でかなり脚色されていて、結構サバゲーマーのイメージを損なわせる様な描写が多いんですよね。他にも、火事の件では他人の敷地に無許可で入り込んで村人との折り合いが悪かった、なんて話も。しかもドラマ版では殺害されたシーンが結構グロ描写だったんだそうで。

             

            私自身はサバゲーやりませんが、同じトイガン愛好家としてフォローさせて頂きますと…現実のサバゲーマーって、自分達の趣味が割と世間からよく思われてはいない、という事に自覚があるので、このエピソードの様な事は絶対…とは言い切れませんが、ちゃんと趣味に向き合っている人ほど、世間一般が考えているよりちゃんとしてますよ、ええ。

             

            …そもそも、サバゲーやるのにゴーグルだけのコイツ等はサバゲーマー失格だと思うけどな、うん。

            いや、作画とか演出上の都合だろうけど。(笑)

             

            あ、それと今回脇役で出てきたオンボロ旅館の娘・千絵…この娘、美雪とかとは違う形でクラスの男子から人気あるタイプだよなぁ…と。大人しくて目立つタイプじゃないんだけど、何だか庇護欲に駆られるタイプ…それでいて実は芯が強かったりして、告白とかはしないんだけど「俺が見守ってるぜ」とか思ってるクラスメイトの男子はきっと多いと思うぞ、と。(笑)

             

            今回の犯人

            檜山達之&森下麗美 犯人強度 90万パワー&70万パワー

            計画性や演技力に関してはかなり高い水準のコンビ。

            だが連携と言う点ではむしろやや不満が残るか。

            ただ、ラストの互いを思いやるような言動は光っているかと。

            | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 20:32 | comments(0) | - |
            File13 怪盗紳士の殺人
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              さて、新年一発目はしばらくやっていなかった「金田一少年」ネタ。

              ちなみにワタクシ…原作の方はブログ立ち上げた際のネタ切れ防止として、読み直し企画をやっているんですがそれ以前に全エピソードを見てはいません。「無印」版は大体見ていたんですが、他のシリーズは…アニメになっていた時に何話か見たかな?というレベルです。ドラマ版に至っては全く見ておりません。いや、ジャニタレにキョーミねぇんだもの。仕方ないね。

               

              そんな訳で、結構「金田一少年」にはドラマ化において原作漫画をアレンジしているものが多いんだそうで、今回紹介する「怪盗紳士の殺人」も結構な脚色がなされているんだそうな。その中身はこんなかんじ。

               

              世間を騒がす美術品専門の泥棒「怪盗紳士」は美術品そのものだけではなくそのモチーフをも盗む事で知られている。そんな怪盗紳士が次に目を付けたのは世界的な画伯・蒲生剛三の描いた肖像画。いつもの如く、剣持警部に助っ人を依頼されたハジメは美雪と共に件の肖像画がある青森の蒲生邸を訪れる。そこで2人はかつての級友・和泉さくらと再会。しかし怪盗紳士は予告通り肖像画を盗み出し、その直後肖像画のモデルであった和泉も誘拐されてしまう。和泉は発見時長かった髪の毛をぱっさりと切られていた。しかしそれは蒲生邸で起きるその後の事件の序章に過ぎなかった。

               

              …と、いうモノ。またしても不動高校関係者が巻き込まれる訳です。このハジメと和泉には過去エピソードがあり、不動高校在籍時、和泉は三つ編みおさげ&眼鏡という地味っ子スタイルで気も弱く、不良生徒2人の標的となってしまっていたんですが…その2人の目的が、彼女のパンツを奪いブルセラで売って一儲け、というのが時代を感じます。(笑)

              当時社会問題になっていたブルセラですが、今このエピソードを現代風にアレンジしてやるとしたら、和泉をJKリフレとかで働かせて…みたいになるんですかね。

              そしてその後は和泉が不良娘二人に脅されている所に居合わせたハジメが和泉を助ける…という定番の流れな訳ですが、助けた方法が不良娘2人のパンツをかすめ取る…というモノ。

               

              …不良娘は2人とも立っている状態…どうやって取ったんだ?彼女等が履いていたのが紐パンだというのならまだしも、作中の描写を見る限りどうやらフツーのタイプ。当然足を抜かなきゃ脱がせられない訳で。コレが気になって犯人の推理どころじゃなかったですわ、ええ。(笑)

               

              さて、ココで勘のいい人は分かっちゃうと思うんですが、パターン入った訳です。この件で和泉はハジメに好意を寄せるも直後転校。蒲生邸で再会した際は目の覚める様な美人になっていて、こうなったらもうコレは最終的に

               

              「じ、実は私、金田一君の事が…」

               

              なんて既視感を感じざるを得ない展開になるパターンになるのが予想出来てしまいます。これで私は「あ、犯人この娘だ」となってしまいました。(笑)

              おかげで事件のトリックが頭の中に入ってこない事入ってこない事…。

               

              いや、物語としてはかなり良くできたエピソードです。「金田一少年」伝統の犯行が怨恨復讐で、犯人に同情の余地があり殺された側にはない、むしろ…というものですが、今回の被害者はかなり酷い人物として描かれているので犯行を行った和泉の動機が際立っているんですね。同じ怨恨復讐パターンでも秀逸、といっていいかと。パターンではありますが、和泉とハジメの関係がしっかり描かれていたのもポイントなのかも知れませんね。

               

              さて、このエピソードももう一つの注目ポイントと言えば、後にも何度か登場する「怪盗紳士」初登場ですね。

              同じ様なパターンとして「名探偵コナン」における「怪盗キッド」とかある訳ですが、怪盗紳士は「金田一少年」オリジナルなのに対し、怪盗キッドは「名探偵コナン」の作者・青山剛昌氏の「まじっく快斗」の主人公な訳で、言うなれば「闇のイージス」に登場するジーザスの様なポジション…って、「コナン」より遥かに知名度がない「闇のイージス」じゃ例えにならんか。(苦笑)

               

              ともあれ、別の作品ではあるものの「主人公」な怪盗キッドより、怪盗紳士の方はあくまで「金田一少年」だけで収まってしまうキャラクター…故に、必要以上に出しゃばらないのが好感度高いです、個人的に、ですが。

               

              一応、ハジメにとってはライバル的ポジションの1人ではあるものの、後々登場してからはシリーズ通して出しゃばり始めるライバル関係となる「地獄の傀儡子」高遠よりは「敵」という印象は薄いんですが、キャラクター的な魅力で言えば、私は高遠より怪盗紳士の方が好きですわ。毎回、何かしらでハジメに邪魔はされるものの最後は彼にきちっと仕返し(というかお仕置き?)をして終わるのが、実はハジメより上手なのでは?という感じがして面白いですし、何より世間をにぎわす犯罪者で高いスキルとプライドの持ち主で、かつユーモアのセンスもある粋なキャラクターに思えるんですよね。

               

              まぁ、ただ彼女が高遠レベルに作品に出しゃばってしまうと…多分その魅力は薄れちゃうのかもしれませんね。

               

              今回の犯人

              和泉さくら 犯人強度…80万パワー

              犯行に及んだバックボーンは強いが、犯人としての力量は並か。

              ただ、怪盗紳士を筆頭に割とアクの強めな脇役の中で埋没しなかった点は評価したい。

              | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 20:28 | comments(0) | - |
              File12 蝋人形城殺人事件
              0

                はい、「金田一少年」のFile12です。

                 

                今回の事件は、明智警視の推理勝負を受けたハジメが美雪と共に長野県の山中にあるヨーロッパの古城・バルド城…通称「蝋人形城」にて開催されるミステリーナイトに参加。集められたのは国内外の探偵、警察関係者、推理小説かといった10名の参加者。参加者はMr.レッドラムと名乗る城主によって城に閉じ込められ、推理ゲームで対決し賞品となった「城の所有権」を狙うが、ゲームの最中参加者の1人がゲームで用いた蝋人形と同じ形で殺害されてしまう。

                 

                …というモノ。

                謎の洋館(城)を舞台にケレン味たっぷりの殺人が行われる…という割と派手めなエピソードですね。劇場型殺人とでもいいましょうか。また集められているミステリーナイトの参加者がそれぞれ推理に自信がある面子なので、明智警視とハジメの対決以外でも推理合戦が行われるのが見どころかも。

                 

                ちなみに参加者の中にはエドワード・コロンボなる人物がおりますが、彼の叔父がロス市警の刑事との事。コレはもう分かり易、く名作ミステリードラマ「刑事コロンボ」のオマージュだと思いますが、「刑事コロンボ」のあるエピソードでは、コロンボが自分の甥の写真、と称して自分と親族が写った写真を見せるエピソードがあった筈。もしかしたらこの写真の中にエドワードも写っていたのかも…なんて考えると、無関係な作品が繋がっていくような感じがして何だか楽しいですね、ええ。

                 

                でも今回の事件と言えば、まぁやっぱり…

                 

                この人…ではありません。(笑)

                 

                コッチ。

                 

                北欧系の美少女でドイツにおいて最年少で監察医になった才女、マリア・フリードリヒさん。

                フリード星の王女で大介さんの妹ではありません。(笑)

                 

                何とも謎めいた人で、城に飾れれていたかつてのバルド城の城主で猟奇殺人を引き起こしたエリザベート・フリードリヒにそっくりで、血を舐める様な描写があったり、瞬間移動まがいの事をしたり、唇が氷の様に冷たかったり…ミステリーナイトの参加理由も先祖の城をドイツに持ち帰る事で、フリードリヒ家に伝えられていた城の秘密の抜け穴を知っていたりとフリードリヒ一族に関係ある人物である事は確かなものの、最後はエリザベートの肖像画と共に忽然と消え、ドイツに問い合わせても「マリア・フリードリヒなる監察医は存在しない」という回答が。

                 

                たま〜にオカルトめいた描写のある「金田一少年」ですが、このキャラクターはその最初の存在と言えるかも。恐らく彼女…というか、エリザベートのモデルは血の伯爵夫人と呼ばれるバートリ・エルジェーベド(エリザベート・バートリー)でしょうね。数々の残虐行為を行った人物と伝えられており、このエピソードで登場する拷問具「鉄の処女」を用いて若い女を殺害し、その血を浴びた、なんて言い伝えが残っています。

                 

                また、真犯人がこの事件を起こした動機が、実在の事件である「三億円事件」に関係する、というのも面白い試みというか、これまでになかった展開です。明智警視がこのミステリーナイトに参加した理由の一つも、この三億円事件を追っていたという彼の父が関係していて、現実と物語が混在一体というか、まぜこぜになった非常に面白いエピソードになっているかと思います。

                 

                色々とアイデアが詰まっているエピソードですが、肝心のトリックとか…あんまり印象に残ってないんですよね。殺害方法とか演出は印象に残っているんですが…事件の背景にある三億円事件とか、マリアさんを筆頭とする個性が強めのメンバーとかに推理モノとしての軸が食われちゃった印象が。

                 

                まぁでも、割と好きなエピソードではあります、ええ。

                 

                今回の犯人 多岐川かほる 犯人強度…75万パワー

                実は「三億円事件」の犯人の1人で、仲間割れで殺された恋人・狭山と殺されかけた自身の復讐の為に今回の事件を計画。

                狭山の残した犯罪計画書を元に推理小説家となり、復讐の機会を伺っていたが彼女自身はハプニングに弱く、犯罪者向けとは言い難い。仮に生き延びたのが彼女ではなく狭山だったら、果たして…。

                | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 20:02 | comments(0) | - |
                File11 タロット山荘殺人事件
                0

                  久々の「金田一」、今回の舞台は雪深い青森県の山奥にある山荘。

                  事件の経緯はこんな感じ。

                   

                  アイドル・速水玲香の失踪したという報道が流れる中、ハジメの元に一通の手紙が届く。手紙の送り主は何と失踪中の玲香で、「青森で父親が経営している山荘に来て欲しい」というもの。ムリヤリ同行してき美雪と山荘に向かう。山荘に着いた2人は玲香はただの静養だった事を知り安堵、山荘に宿泊する事にしたが、その晩、ある過去の一件が原因で玲香の父・雄一郎は宿泊者の1人で芸能記者の伊丹を殺害してしまう…。

                   

                  そう、今回のエピソードは「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」の様に犯人が最初から明かされます。こういう手法のミステリーは倒叙物、と言うんだそうで。ただ犯人当てがキモな「金田一少年」ですからそこから一ひねりありまして、第二の殺人から雄一郎を脅迫して意のままに動かし犯行を行う「陰の脅迫者」がいる、という構図に。

                   

                  今回のキモはやはり対抗ヒロイン・速水玲香の再登場ですね。

                  まぁ再登場したのは

                   

                  この人もなんですが。(笑)

                   

                  しかもこのエピソードが美雪と玲香の初顔合わせ。そしてエピソードのラストには今後も準レギュラーとして玲香が登場する事がほのめかされています。

                   

                  しかしまぁ、今回のエピソードでもそうですが、玲香は登場する度に不幸度が増してしまっている気がします。

                  初登場の「雪夜叉伝説殺人事件」では明智警視に容疑者にされてしまうもハジメに助けられますが、その際乙女の秘密(笑)がバラされてしまいます。でもこんなものはまだ可愛い方で、今回の「タロット山荘」では雄一郎は実の父親ではなく彼女が2歳の時に彼女と兄を誘拐した犯人で、2人の目の前で本当の父親を絞殺した殺人犯だという事が発覚。しかも雄一郎を操っていた「陰の脅迫者」が実の兄で、彼も妹…玲香を守る為に人を殺めてしまう…。

                   

                  他にも所属する芸能事務所社長から肉体関係を迫られてもいましたな。

                  しかも今後も登場する都度に様々な不幸が…養子縁組が流れたり、誘拐されたり、殺人犯として拘束軟禁されたり…。

                   

                  それでも前向きに芸能界で頑張ってるのは凄いキャラクターと言わざるを得ませんな。

                   

                  ちなみに、前回書いた「37歳の事件簿」の方で、噂ではありますがハジメ37歳時点で速水玲香は既に死んでしまっている、という説がありますね。他にも実は殺人を犯してハジメの手で逮捕されている、みたいな噂も。ただどちらにしても、「37歳」版のハジメが推理する事を拒んでいる事や、美雪と未だくっついていない点にコレだと説明ついちゃうんですよね。

                   

                  う〜ん…気になる。

                   

                  今回の犯人

                  小城拓也 犯人強度…50万パワー

                  玲香の実の兄。自分と玲香を誘拐し、父を殺害した雄一郎を利用して玲香を守る為に赤間と雄一郎を殺害。

                  ただ些細なミスといい、犯人としての力量は低いかと。

                   

                   

                  | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 12:23 | comments(0) | - |
                  番外編1 「37歳の事件簿」 歌島リゾート殺人事件
                  0

                    と、いう事で今回は「金田一37歳の事件簿」の1stエピソード「歌島リゾート殺人事件」について。

                    やっぱり、昔のシリーズを最初から順にレビュー書いていくより新作の方が興が乗ります、ハイ。

                     

                    「金田一37歳の事件簿」 現在2巻まで発売中

                     

                    コミックスの構成としては、2巻で「歌島リゾート殺人事件」は完結し、次のエピソード「タワマンマダム殺人事件」の冒頭部分が入ってます。

                     

                    さて、「37歳の事件簿」ですが、1stエピソードの段階でハジメの他、旧シリーズからは明智さん、剣持のオッサン、地獄の傀儡子こと高遠、意外な所では親友ポジションだった村上と、後輩ポジションかつビデオ撮影係の佐木弟…この2人は37歳という事で飲み屋で3人仲良く酒を飲んでいるシーンで登場していますが、20年間で殺人犯になったり殺人犯に殺されたりはしなかった様です。

                     

                    そして既に結構言われてしまっているみたいなんですが…「37歳の事件簿」と銘打ってはいますが登場人物の容姿にあまり変化がないのが残念。最初のシリーズ連載開始からリアルタイムに合わせて20年後…という設定にしたのだとは分かるんですが、この絵柄なら27歳位でも違和感がない…というかむしろしっくり来てしまいそうなイメージ。もう少し老けたビジュアルにした方が良かったんじゃないかと。

                     

                    ただ、「金田一少年」のメインヒロインと言うべき美雪はハジメのスマホに送られるLINEの文章と回想シーン的な形で後ろ姿の登場のみ。一応、ハジメとは相変わらずの友達以上恋人未満な関係の様ですが、現在大手航空会社でチーフパーサーとなっていて世界を飛び回っているらしく、やや疎遠気味のよう。対抗ヒロインの速水玲香に至っては今の所影も形もありません。旧シリーズを知っているファンからすれば彼女の動向も気になる所かと。

                     

                    美雪が不在の状態…という事でかつての美雪的ポジションにはハジメが勤める音羽ブラックPR社の後輩・葉山まりんが担当。会社ではダメ社員扱いなハジメを慕う子犬の様なキャラクターなんですが、彼女は何となくハジメの事を出会う前から知っていた風な言動を見せているのが気になる所。探偵とかに憧れみたいな感情を持っている風でもあるので、もしかしたら一二…もしくはいつきさんの養女になった都築の娘辺りの知り合いで、その縁で一二、もしくはいつきさんにハジメの事を聞かされていて…というパターンなのかも。更に2本目の「タワマンマダム」の方で活躍が期待されるハジメの住むアパートの隣人で推定Eカップの泣きぼくろが色っぽいシングルマザー・森下桃香も登場しています。

                     

                    さて、肝心のハジメといいますと…うだつの上がらない万年主任のサラリーマン像がミョーにリアリティがあります。散らかった部屋、昔ほど尖ってはいられなくなった性格、出社30分前まで寝ている…40歳独身の私には、ミョーにシンクロする部分が多くて、なんか嫌。(苦笑)あんなに颯爽と事件を解決していた若き日の彼の姿は何処へ…という奴で、本人も「もう謎は解きたくない」とのたまう始末。まぁ、行く先々で殺人事件に巻き込まれりゃ無理もない気がしますが、ハジメがこんな風に変わってしまった理由というのも、現在未登場の美雪初登場辺りに被せて描かれていくんですかね。この辺は注目ポイントかな。

                     

                    で、事件の方ですが…「金田一少年」に対するセルフパロディ的なネタが多い印象です。舞台はお約束ともいえる伝統と信頼の「(旧)オペラ座館」で、他にも決め台詞が

                     

                    「謎がすべて解けちまった…」

                     

                    と飽くまでネガティブですし、いつも通りみんなを集めて回答編…と思ったら集まったのは犯人だけで逆に大ピンチ…しかも犯行は割と場当たり的なモノであり、凶行の理由もカネの為。基本、犯人に同情の余地があったり誤解から生じた悲劇だったりと、解決後に一抹の後味の悪さが残るのが「金田一少年」の伝統でしたが、「37歳」の方ではそういうのはナシ。犯人もあっけらかんと犯行を認めてしまいます。同情の余地が無かったり犯行が基本私利私欲という構図は、「金田一少年」の元ネタである横溝ミステリー作品というより、「火曜サスペンス劇場」的なノリに見えてしまいます。深みも余韻もあったもんじゃない、と言われればそうかも知れませんが、むしろ「37歳」の犯人像の方が今現在を鑑みればリアリティがあるのかも知れません。

                     

                    まぁ、初回ボーナスみ込の評価ですが、私は嫌いではないです、「37歳の事件簿」

                     

                    あ、ちなみにかつて高校生名探偵として名を馳せていた男の成れの果て…という、「37歳」におけるハジメに似た描写の作品がありましてね、

                     

                    五十嵐正邦 「まったく最近の探偵ときたら」 現在4巻まで発売中

                     

                    コレです。作者はマガジンで「川柳少女」を連載している人。

                    中身は、かつて天才高校生探偵として一世を風靡したが、現在では事務所の家賃もマトモに払えない探偵・名雲と、彼の押しかけ助手となつた女子高生・真白の織りなす探偵コメディで、この名雲というキャラクターが「37歳」版のハジメに近い…というか、もっとヒドイのです。逆流性食道炎、腰痛、知覚過敏、老眼と名雲の場合はマトモな所を探す方が大変なレベル。でも決める時は決める…でも大抵真白にぶち壊される…というドタバタは結構病みつきになる楽しさです。

                     

                    オススメは、名雲が自分の行きつけのバーに真白を連れていくエピソードですね。同じコメディでも「川柳少女」は七々子の可愛らしさで押してくる作品ですが、こちらの「まったく最近の探偵ときたら」の方はよりコメディ…最早ギャグ漫画的なノリなのが特徴です。かなり面白い作品なので興味ある人は是非に。

                     

                    今回の犯人

                    麻生早苗 犯人強度…300万パワー

                    全身整形による変貌然り、犯人と暴かれた後の豹変といい、とにかく変わり身っぷりがスゴイ。

                    情緒的な理由なしに、ただ欲望の為に次々と人を殺めるシリアルキラー。

                    | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 20:18 | comments(2) | - |
                    File10 金田一少年の殺人
                    0

                      さて、久々の金田一レビューです。

                      今回は「金田一少年の殺人」…初期シリーズでも名作との呼び声高いエピソードですね。

                      中身はこんな感じ。

                       

                      悲恋湖の事件で知り合ったフリーライターのいつきの願いで、軽井沢に屋敷を構える大物作家・橘五柳の新作の版権をかけた暗号解読ゲームに参加する事になったハジメと美雪。ハジメは橘と一悶着起こしてしまい、夜彼の部屋へ謝罪に行く事に。帰りが遅いハジメを心配した美雪やいつきは橘の部屋を訪ねると、そこには橘の死体と血の付いた凶器を持ち立ちすくむハジメだった。

                      状況から警察はハジメを犯人と断定、連行しようとするが隙を見てハジメは逃走、自分を罠にはめた「見えざる敵」の正体を見破る為、警察の追尾を掻い潜りながら謎を解き明かす。

                       

                      …という、今までとはかなり趣向を変えたエピソードになっています。

                      舞台は閉鎖された山荘や洋館、絶海の孤島とかではなく、ハジメの行動範囲がかなり広域になっていたり、警察が基本的にハジメの敵となり逃走しながら推理を展開していく、というのが中々スリリングな一本。事件のキーとなるであろう橘の暗号解読をしていく最中、ハジメがキーワードを聞いた相手が直後次々と殺害され、その容疑もハジメに向けられていく…というのはサスペンスドラマとかで結構見られる手法ではあるんですが、ドラマとしては面白いですね。

                       

                      しかし、警察に追われている身でありながらハジメが美雪にケーキをプレゼントするシーン…普通なら「そんな事やっている場合じゃなかろう」という気もしますが、同時に如何にハジメが彼女を大切に思っているかが良く出ているエピソードかと。確かに器量よしで性格も良い幼馴染がいたら、少なくとも邪険には出来んわな、男なら。ちなみにハジメと美雪の関係、20年後でもあまり進展がない事が「37歳の事件簿」で描かれてますね。ちなみに37歳になったハジメはあるブラック企業の主任、一方美雪は大手航空会社のチーフパーサー。2人とも独身です。関係は悪化している訳ではないようですが、美雪の仕事の都合で若干疎遠気味な様子。それでも頻繁にLINEのやりとりはしている様ですが。ちなみに、番外編ではないですが「37歳」の方のレビューもしていこうかと思っています。現在進行形の作品の方が書きやすいですしね。

                       

                      他にもいつきさんの意外な面倒見の良さ、交友関係の広さ…しかも「いつきの頼みだから」という形でハジメに協力する同業者もいたりと人望の厚さが描かれていて、「悲恋湖」冒頭での印象が大きく変わりますね。それからハジメと明智警視との連携も描かれたりと、何だかんだ認め合っているのが分かるエピソードです。佐木弟の初登場だったりと、何気にオールスター的な要素がある豪華な一本になってます。

                       

                      あ、トリックに今の若い子は???なポケベルが使われていたりするのにはなんだか時代を感じます。(笑)

                       

                      ただ、今回の犯人の都築さん…橘の暗号に関わった人間までどんどん殺していく様はなんというか…やり過ぎじゃ…と思わなくもなかったり。元は善良な人格者で立派なジャーナリストだったと言いますが…う〜ん…。

                      なんだか、「逆転裁判」の「蘇る逆転」に登場(回想で)するSL-6号事件の犯人・青影丈に近い物がある気がします。最初は交通事故で人を殺めてしまい、その死体を埋めようとしたら目撃されその目撃者を殺害、それも目撃されていてその目撃者も…というのに似ている気がしますが、都築さんの方は明確に殺意を持って、やむなくではなく殺しているので娘さんの事はあるとしても、シリアルキラー的な素養が実はあったのでは…なんて思ってしまうんですわ。

                       

                      今回の犯人

                      都築哲雄…犯人強度 500万パワー

                      病に苦しむ娘の為に臓器売買に手を染め、それを発表される事を阻止する為に殺人を犯した男。元々は人格者で立派なジャーナリストだったというし、犯行の動機も同情の余地がある風に見える。但し、然程必要と思えない人物まで殺めており、そこに生来の凶悪さが見え隠れしている気がしないでもない実はトンデモナイ人物。

                      | 零哭堂 | 金田一少年読み直し | 21:49 | comments(0) | - |
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