土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖 夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

自己満足ブログ
幻の多角形コーナリング
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    今回はコレ。

     

    池沢さとし(現:池沢早人師) 全27巻

     

    ジャンプに連載していた伝説の作品です。

    本作が呼び水となって世にいう「スーパーカーブーム」という奴が訪れ、街中を走るスーパーカーをカメラを持った子供達追いかける…なんて現象が起きていたんだそうで。まぁ、私も連載中に読んでいた訳ではなく…というより私が生まれた翌年に完結している作品だったりします。

     

    この作品に出合ったのは父の影響ですね。私が小学生の頃、当時少年ジャンプに連載していた「よろしくメカドック」が好きでコミックスをそれこそ暗記するレベルで読んでいたんですが、そんな私の姿を見て父が教えてくれたのが「サーキットの狼」だったんです。ただ、如何せん当時としても昔の漫画でしたから中々読むことは叶わず…母に連れられて行った西友でやっていた古本市にて発見したカバーもない12巻と19巻だったかな?…確か12巻は流石島レースの中盤でディノRSを駆る裕矢がフェラーリの女豹や北海の龍と追い上げていく場面、19巻はホークス編の終盤、カウンタックLP500Sとフェラーリ512BBの兄弟との決着だったかと。

     

    そして運命の日が。

    私は学校のマラソン大会の練習で派手に転倒して右手を骨折した事がありまして、毎日学校帰りに整骨院に寄る羽目になったんですが…ココの待合室にあったんですよ、「サーキットの狼」が全巻!!いや〜、診察券出して自分の名前が呼ばれたのに気が付かないレベルで真剣に読んでましたね、ええ。作中で繰り広げられる荒唐無稽なスーパーカーバトルが堪らなく面白かったんです。後年読み直した時は、むしろ荒っぽい漫画、という印象すら受けたんですが…ホントクルマ好きなガキだった私のハートは完全に射止められてしまったんです。

     

    重ね重ね書きますが、正直、今読み直すとキツイ作品かも知れません。レース展開には作劇上で仕方ない部分はあるとはいえご都合主義が多いですし、絵だって…特に人物は決して上手くはない。ウリの筈のスーパーカーだって結構大胆な省略とかやってる事もありましたし、割と無茶苦茶な部類に入る作品ではある気がします。

     

    でも…でも面白い。面白いんです。

    何が良いって、当時小学生とはいえたまに放送されるレース中継なんかは熱心に見ていた私には、幼いながらもスーパーカーと呼ばれる高級高性能な外車が大挙レースに参戦してデッドヒートを繰り広げる…という光景は「ありえないもの」という認識があったんです。ここ近年はそれこそGT3とかのカテゴリーがあって、それこそSUPERGTなんかでも「サーキットの狼」的なバトルが繰り広げられていますが、当時はそういうのはなかった訳でね、それが漫画とはいえ眼前で繰り広げられている…というのに先ずは興奮した訳ですよ。

     

    しかも、「サーキットの狼」に登場しているクルマは当然の事ながら私がちゃんと読んだ時点ではもう型落ちの古いクルマ…でもスーパーカーであるが故に、名車とか伝説のクルマ、的に名前が残っていたのがまたね、良かったんですよ。そんな凄いクルマの共演な訳ですから、もうね、興奮しっぱなしですわ。

     

    ただまぁ、冒頭…と言いますか、裕矢がA級ライセンス取得の模擬レースまで駆っていた…確かムリヤリターボ搭載してましたっけ…ともかく、ロータスヨーロッパSPですが、このクルマ、所謂エンスージアスト、なんて言われている人にはウケが良いクルマ…でもエンスーにはロータスエランの方が人気がある気がしますが、ともかく作中に登場するクルマの中では比較的…というかかなりローパワーです。その分軽量でコーナリングが得意、というクルマ。故にコーナリングでライバル車を抜いても長い直線でぶっちぎられる…というシーンが多い訳です。このローパワー故に苦戦、という構図、後の「頭文字D」のハチロクトレノにも通じるものがあるかと。馬力向上の為に割と無茶な改造を…というのまで似ている気がします。

     

    ともあれ、「マッハGoGoGo」的な架空のスーパーマシンではなく、実在するクルマで、かつドライビングテクニックも実在…って、フォーミュラーになってからのジャンピングターンフラッシュだけは大嘘ではありますが、そういうモノが伴ったそれなりにリアリティのあるレースを描いた…という点ではやっぱり革新的な作品で、伝説と呼ぶに相応しいと思うんです。

     

    …まぁ、フォーミュラー編になってからは正直、クソつまんないんだけどね。

    「ル・マン インジャパン」がやつぱりクライマックスかな?個人的に一番好きなのはAライの模擬レースだったりするんですが。

     

    あ、余談ですが、裕矢は作中で実在したレース「富士フレッシュマンレース」に出場しているんですが、ここで裕矢の乗るサニーのチューナーとして名前が出る「まつおか自動車」と、このレースで初登場となる椿健太郎のサニーのチューナー「土屋エンジニアリング」…この2つのチューナーは実在しています。しかも「土屋エンジニアリング」に至っては現在でもSUPERGTのGT300クラスにマザーシャーシのHOPY86で参戦中なんですよ。

    | 零哭堂 | 漫画紹介 | 20:45 | comments(0) | - |
    スティーブン・セガールとは無関係
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      参議院選挙の投票日が近付いてます。

      先日、初めて「期日前投票」という奴に行ってきたんです。いやね、会社がわざわざ投票日当日に勉強会をぶつけてきやがったんですよ。開始時間はともかく終了時間があいまいな漠然としたスケジュールしか連絡してこないもんですから、

       

      「選挙の日に被ってる。終わってから投票に間に合うか知りたいから詳しいスケジュール教えてくれ。」

       

      と電話したら帰ってきた返事が

       

      「あ、そういえばそうですね」

       

      と来たもんだ。やれやれ…。

      と、いう事で今回は政治に関わる漫画を1つご紹介。

       

      かわぐちかいじ 「沈黙の艦隊」 全32巻

       

      日米が共謀し極秘に建造された日本初の原子力潜水艦・シーバット。表向きは米海軍所属とされるこの艦に乗るのは、日米の偽装工作によりロシアの原潜と衝突事故を起こして死亡したとされている海自潜水艦・やまなみの乗組員だった。元4やまなみの艦長でシーバットの試験運行の指揮をとる海江田は、試験運行の最中乗組員全員と反乱を起こし、米海軍の監視から行方をくらませる。海江田はシーバット改め「やまと」を自身を元首とする国家として宣言。しかもやまとには出向時核兵器を搭載している可能性があった。アメリカ大統領ベネットはやまと、および海江田を核テロリストとして抹殺を図るが…

       

      という、非常に大掛かりな設定で展開する作品で、ダイナミックな潜水艦の戦闘シーンは勿論の事、架空戦記というジャンルに留まらない激しい政治劇や各キャラクターの政治的信条、核兵器や国際政治等への問題提起、といった大変に難しいながらも読みごたえのある作品になっています。私自身、漫画は娯楽、と考えているタイプの人間ですし、馬鹿馬鹿しくも清々しいまでにな〜んにも残らない…でもバツグンに楽しい漫画が好きな方ではありますが、それとは別に重々しかったり小難しかったりする漫画も定期的に読みたくなってしまうんですよ。

       

      現在かわぐち先生は、尖閣問題を題材とした「空母いぶき」を連載していますが、本作「沈黙の艦隊」はその時代背景から主要な敵はアメリカ…現在の日本の置かれた立場などを考慮すると、「沈黙の艦隊」と「空母いぶき」の相関が面白いですね。アメリカにべったりな今の時代だったら、「沈黙の艦隊」みたいな形の作品はちょっと描きにくいかも知れません。

       

      「沈黙の艦隊」は、その作風から湾岸戦争が勃発して自衛隊のPKO派遣を巡る憲法9条の問題が話題になっていた時期には国会で「この作品を読んだ事があるか」という質問がされたりと漫画というメディアを飛び越えて、様々な分野で注目をされた作品です。

       

      ちなみにアニメにもなっていて、2時間枠の作品が諸所の都合により地上波放送は中止されてビデオソフト発売後に深夜枠で放送…とか、こういうテーマの作品だからしてゴタゴタはあったみたいですが、後にOVAとして続編が2作作られてるんだそうで。制作はお馴染みサンライズで、監督は「装甲騎兵ボトムズ」の高橋良輔氏。「ガサラキ」とかやっている事を考えると分かる人選かな?と思います。他にも平井久司氏や山根公利氏なんかも参加されている様です。

       

      ウチでは以前、政治を題材にした作品として「サンクチュアリ」を紹介しましたが、本作は「サンクチュアリ」とは方向性は異なるんですね。「サンクチュアリ」は政治を題材にしている所までは共通ですが、こちらは男の友情的な部分がより強い作品。一方「沈黙の艦隊」は当時の現状に対しての問題提起であり、それに作中の展開に即した様々な政治手法と言うか、概念的なものが打ち出されているんですね。ですから、正直ガキだった頃の私には荷が重い漫画でしたね。逆に年を重ねてから読み直したらコレが抜群に面白い。こういう作品って貴重だと思うんですよ。

       

      もっとも問題提起とはいえ作中で提唱されるものにはやや荒唐無稽に感じてしまうものもありますし、実際問題として作品が連載している最中にソ連が崩壊したりしていて作品自体の流れにも若干影響している風に感じられる部分があったりはします。それに軍事評論家とかの意見として、作中の海江田の操艦などに現実的なものでない描写もあります。代表例がアップトリム90度、ですか?他にも…まぁコレはツッコミされるのも分かるな、という海上を飛ぶシーン…確かにいろんな人からツッコミはされているんですが、オフィシャル解析本での現役海自潜水艦乗員の座談会で「研究の余地はある」なんて言われているそうで…スゲェなぁ。(笑)

       

      ただ、そういった「ツッコミ」が野暮に思えるレベルでエンターティメントとしても完成した作品になっていると思うのですよ。それは荒唐無稽に思える作中で提唱された「やまと保険」とか「世界政府」とかに関してもそう。斜に構えて重箱の隅をつつくような形ではこの作品の面白さは理解できないんじゃないかと思うんです。問題定義とか色々メッセージ性、テーマ性なんて小難しい部分も勿論魅力の一端ではあるんですが、それらが何故作中で魅力的に感じるのか、荒唐無稽でも一考の余地を感じてしまうのか…それこそが本作最大の魅力、「キャラクターの熱意、熱量」なのではないかと。

       

      海江田もベネット、竹上…そういったキャラクターの熱意…言い換えてみれば「本気度」がハッキリと見える作品だからこそ、読者ものめり込んでしまう…小難しい部分以前に漫画作品として一番大切なんじゃないかと思うものを、この「沈黙の艦隊」は確かに実践して見せている…そう思うのです。

      | 零哭堂 | 漫画紹介 | 21:01 | comments(0) | - |
      既巻は読破しましたよ、と
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        珍しく体調不良だったり、ちょっとした工作とかわしていたのもあって遅くなってしまいましたが、予告通り現在発売中の分は読破しましたよ、と。

         

        中道裕大 「放課後さいころ倶楽部」 現在14巻まで発売中

         

        「モヤモヤさま〜ず」でたまに3人が訪れる「ボードゲーム喫茶」に興味があって、この「放課後さいころ倶楽部」に関しても今度アニメになる、と聞いてこりゃいいキッカケかも…と読んでみた訳ですが、結論としては…面白いです、ええ。

         

        読む前の印象では、所謂「文科系部活モノ」なのかな?と思っていたんですが、意外や意外、閉じられた世界ではなく結構開けた人間関係と言うか、最早「アナログゲーム」を題材にした群像劇的な作品になってましすね。特に顕著なのは中盤、冒頭から物語を引っ張る美姫、綾、翠の3人娘にドイツ人のエミーの後輩、奈央と環奈が登場してからはコレが顕著。特にネグレクトな母を持つ不良娘・奈央と翠のバイト先「さいころ倶楽部」の店長が見せた恋愛劇は、作品間違ってないか?というレベルです。まるで実写映画にもなった「恋は雨上がりのように」みたいです、ええ。(笑)

         

        また綾に片思いする田上に恋する環奈、という三角関係が描かれたり…とアナログゲームの紹介&啓蒙に留まらない、漫画的なドラマで見せる要素が意外なほど多く、またそれが魅力的な作品です。他にもプロのゲームデザイナーを目指す翠とエミー、文化祭等で描かれる生徒会、店長がアナログゲームにハマった理由や、エミーの父親の正体…と、王道的なものから意外なネタまであり、ホント、「群像劇」的な作品なんですね。

         

        勿論、各種様々な実在するゲームの紹介的なものもあって、時として幼い頃慣れ親しんだはずのゲームのルールを「忘れた」としてまでルール説明やゲームのキモ的な部分の解説が行われていて、しかも各キャラクターが実に楽し気にプレイしているので私も含め、この手のゲームを知らない、という人に興味を引かせるには十分かと。実際、Amazonでこの漫画買うと、オススメとして大量のゲームが並びますから、恐らくはこの漫画読んで実際に漫画でプレイしていたゲームを買っちゃった…という人は少なくないのでしょうね。

         

        巷ではテレビゲームを「eスポーツ」と称して競技化する流れがある訳ですが、正直年取ったせいか以前ほどはゲームに食指が動かず、家庭用据え置き機を持たずに携帯機だけしか所持していない状態で…もう10年近いのかなぁ…ガキの頃の私が今の自分のゲームとの付き合い方を知ったら恐らく愕然とするんじゃないか…とさえ思います。ただ、テレビゲームに惹かれない代わりにボードゲームとかには食指が反応する…と言いますか、それこそテレビでやってるの見ると面白そうに見えてしまう…コレはある種、気の置けない人間関係への憧れみたいなのはあるのかも知れませんね。

         

        …干物男生活、長いもんなぁ…その割に貯金は微塵も増えてねぇけど。(苦笑)

        あ、この手のゲームの範疇なのかは分かりませんが、「遊戯王」とか「ヴァンガード」とかのトレーディングカードゲームには全く食指伸びないんですけどね。ひたすら面倒くさそうなんだもの、アレ。

         

        ともあれ、非常に健全、かつ魅力的なドラマが展開している作品なのでアニメ化も期待していいんじゃないでしょうか。上手くすれば、「けいおん」の時のギターとか「ガールズ&パンツァー」の時の戦車プラモみたいな特需がボードゲームでも起きるかも知れませんね。

        | 零哭堂 | 漫画紹介 | 22:42 | comments(0) | - |
        面白い訳ではないが切り捨てるのは惜しい
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          今回はコレ。

           

          相原瑛人 「美魔女の綾乃さん」 全2巻

           

          高校生の息子がいるアラフォー主婦だが、年齢を全く感じさせない美貌とおっとりほんわかした可愛らしい雰囲気で周囲の人々を魅了してやまない綾乃さんの生活を描いた「美魔女の綾乃さん」が全2巻で完結となりました。作者の相原瑛人さんはこの作品がデビュー作。今風、流行りのアニメ調な絵柄ではなく、むしろ少女漫画風なタッチなので人を選ぶきらいはありますが、繊細なタッチで描かれるキャラクター…特にメインヒロイン(っていう作品でもないですが)の綾乃さんの造形は、上品さと庶民的な親しみやすさが同居していて何とも魅力的なのです。

           

          2巻ラストで綾乃さんが40歳となって完結…となりましたが、美魔女の日常生活、という正直ヤマ場とかが作れない題材ですし、割と早い段階で終了したのは英断だったかもしれません。長々と続けても同じパターンの繰り返し…となってしまい易い題材でもあると思うので。

           

          ただまぁ、この作品は面白いのか?と聞かれると…正直ビミョーではあるんですが、だったらつまらない漫画なのか?と言われると、それは違う、と答えてしまう…なんとも不思議な作品なのです。前述したとおり、アラサー美魔女の生活…すれ違ったりしたら思わず振り返ってしまいそうな美貌の持ち主ながら妙に御茶目と言いますか、年齢の割に子供っぽいぶぶんがあったり、逆に年相応の主婦にありがちな油断で見せてしまう隙が堪らなくフェチ心をくすぐってくる…本作はそんな綾乃さんのキャラクターで一転突破な作品。故に、全2巻にしてややパターン化が見え隠れしているのでダラダラ続けたら恐らくはクソつまらない、という評価にまで落ちてしまったかもしれません。

           

          ただ、つまらない訳ではないし、綾乃さんが見せる表情はとても魅力的。面白くはないんだけど、だからといって切り捨ててしまうには心地良過ぎる…そんな印象の作品。そういえばこんな印象を受けた漫画を最近…という程最近ではないんですが、あったっけ…と思い出したのがコレ。

           

          安部真弘 「侵略!イカ娘」 全22巻

           

          ご存知アニメにもなった「イカ娘」です。

          この作品、連載当時、「『侵略!イカ娘』って面白いの?」という問いに対し、「イカ娘がカワイイ」というレスがつくのをネット掲示板なんかでよく見た事があるんですが、「美魔女の綾乃さん」も同様に面白いのか?と聞かれると、「綾乃さんがカワイイ」と返してしまいそうな作品です。(笑)一見全く違う作品に見えるんですが、「イカ娘」と「綾乃さん」はかなり似通った魅力を持っている作品だと思います。派手なギャグで大爆笑したり、波乱万丈なドラマがある訳でもない。それなりに騒動とかはあるものの、基本的には平和な日常が描かれ、その中で魅力的なキャラクターがほのぼのと日々を過ごしている…いわばどちらもアクアリウム的な魅力を持つ作品、と言えるんじゃないかと。

           

          「美魔女の綾乃さん」はそんなにネットとかでも話題になった作品ではない気はしますが、個人的にはこの雰囲気、嫌いではないんです。本作がデビュー作という事なので、次にどんな漫画を持ってくるか…楽しみにしていたりします。

          | 零哭堂 | 漫画紹介 | 23:26 | comments(0) | - |
          心に愛がなければ
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            <キン肉マン>11年ぶり「ジャンプ」帰還 キン肉マンが引退!?

             

            今日発売の週刊少年ジャンプに、40年前から続く人気漫画「キン肉マン」の新作が掲載されているんだそうで。

            「キン肉マン」というと、所謂「ジャンプ黄金期」を代表する作品で、現在も「2世」等を挟んで連載継続中の偉大な作品…の筈なんですが、イマイチ扱いが良くないと言いますか、他の…例えば「北斗の拳」や「ドラゴンボール」「スラムダンク」「ジョジョの奇妙な冒険」といった作品と比較すると軽く見積もられている様な…そんな印象があるんです。

             

            まぁ、コレについてはファンの間でも「ゆで理論」なんて言われている、作中で時折放たれる滅茶苦茶で矛盾に満ちたな理屈、理論とか、そういうのが馬鹿にされて軽い扱いを受けている…というのはあるのでしょうね。そりゃね、ウォーズマンがベアクローを両手にはめて

             

            コレとか、

             

            更にはキン肉マンソルジャーの

             

            コレとか…

             

            そう、ツッコミどころ満載な描写が「キン肉マン」には枚挙に暇がないのは事実ではあるんです。確かに…例えば今の若い子みたいに「キン肉マン」という作品をインターネット上でのコミュニティーのネタの一つとしてしか知らない人には、「キン肉マン」という作品はネガティブな意味で滑稽…バカにする対象にしか受け取られないのかもしれません。

             

            でも、「キン肉マン」という作品はそういったインターネット界隈でネタ…馬鹿にされてしまいそうな描写はあっても、そんなものを超越した熱い魅力を持つ作品なのです。でなければ40年も続いたりしやしません。普遍的な熱さ、楽しさがある生粋のエンターティメント作品なのてすよ。荒唐無稽、無茶苦茶な展開や描写もエンターテイメントに徹しているからこそであり、そこで描かれる物語はそんなツッコミどころなんぞ超越した、ある種普遍的な魅力すら漂っているのです。

             

            考えても見てごらんなさいよ。

            そもそも主人公のキン肉マン…数々の逆転勝利をあげたスーパーヒーローではありますが、思いの外作品内での扱いって酷いんです。

             

            生まれた直後、あまりに醜いため両親から絞め殺そうと思われ、挙句の果てにブタと間違われて地球に捨てられた彼。ヒーローとして赴任した日本でも徹底的に邪険に扱われ、助けた相手からもブタ呼ばわり。相手の怪獣すら彼しかいないと分かるや馬鹿にして帰ってしまう有様。晴れの舞台である筈の超人オリンピックでも、入場すれば罵声を浴びせられ物を投げつけられ、自分のプラカードを持った女の子から面と向かって不満を聞かされる…それでもキン肉マンは、めげずに平和の為、地球人の為に体を張って戦い続ける…

             

            …無茶苦茶カッコイイじゃないですか、ええ!!

             

            「キン肉マン」には数々の矛盾やら間違いやらを超越した魅力が存在するのです。だからこそネットでネタにされ笑いものにされようとも、熱心なファンが未だいて根強い人気を保ち続けているんです。ネット上で笑いものにされているせいで敬遠してしまって「キン肉マン」を読んだ事が無いそこの君、一度読めば、したり顔で「キン肉マン」を馬鹿にしてくる奴がいても、

             

            「ゆでたまご先生の作品だから」

             

            で笑い飛ばせるようになれるぞ!!(笑)

            | 零哭堂 | 漫画紹介 | 21:20 | comments(3) | - |
            記事はエレガントに
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              今回はコレ。

               

              隅沢克之&小笠原智史 「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光」

               

              実は最近「スーパーロボット大戦L」をやっているんです。この「スパロボL」は割と評価の高いシナリオやバグの多さで知られています。ニンテンドーDSのソフトなので声なしスパロボですが、おかげで声を当てた人にちょっと不都合があるハイネとかイクサー3が出られるのですから面白いもんですね、ええ。

               

              で、実は「スパロボL」はシナリオにおいてもユニット特性とかにおいて「ガンダムWエンドレスワルツ」にネタ的な要素が多いんです。通称「ナタクのファクター」とか「火消のスラスターモジュール」ですね。そんな訳で、この作品のご紹介、という事に。

               

              思えば「スパロボ」にとっては「W」でも「エンドレスワルツ」は大変都合がいい作品ですわね。主役の5人に火消しとノイン辺り出しておいて、シナリオ面でプリベンダーがどうとか、リリーナが拉致された…なんてのをどこかに仕込めばシナリオ的に絡めやすいですし、特に5人の位置づけに関してはTV版ではなく「エンドレスワルツ」にする事でシナリオに融通が利き易く、いるだけ参戦でも問題なく取り込めます。非宇宙世紀作品ではデビルガンダムネタに縛られやすい「Gガンダム」や世界観的に絡めにくい「ガンダムX」、宇宙世紀との共存に無理がある「種」「種デステニー」とかに比べると、スパロボ制作スタッフにとっては「エンドレスワルツ」って便利なんだと思うんですよ、ええ。まあ、最近はその立場も「劇場版ダブルオー」に食われている気がしますが。

               

              さて、この「敗者たちの栄光」ですが、「エンドレスワルツ」と題していますが実はテレビ版の再編集コミカライズといった作品で、OVAの「エンドレスワルツ」で描かれたマリーメイア軍の蜂起とかは描かれていません。テレビ版の展開をそこそこ忠実に、登場メカを「エンドレスワルツ」基準…要はVer.ka仕様にした、という作品。個人的意見を言わせてもらえば、カトキハジメ氏のメカデザインは私の趣味と合わないのでどうも…まぁ、「W」ならヴァイエイト&メリクリウス…いや、アレはデザインと言うよりコンセプトが好きなのかも。そうなると…「W」作中ではせいぜい…キャンサー位か?イイと思ったのは。

               

              …ただまぁ、テレビ版の段階で自分でデザインしてるトールギスまでイジッちゃうのは何なの?とは思います、ええ。プラモ出す都合かよ!?と。まぁ、バンダイ(サンライズではなく)にとっては便利な人なのかも知れませんが。

               

              そんな訳で、本作のウリのモビルスーツのリファインがもう個人的に響かない…となると、正直私にとっては見るべき部分があんまりないコミカライズ…と言ってしまってもいいのかも知れません。ただモビルスーツのリファインはともかく、各機体に追加兵装があってコレの描写、設定は中々に面白いんです。例えばサンドロックにはOVA版にあった防塵マントみたいなものや大型ビームライフル、シェンロンには青龍刀の様な武器、トールギスには騎士的なイメージを高めるヒートランス…といった具合。コレらで一番面白かったのは、ヘビーアームズの更なる重装形態&機動性を補うクローラーユニット…コレ、「ボトムズ」の「赫奕たる異端」でキリコが乗るバークラリードッグのトランプル・リガーみたいな奴です。他にも両肩に取り付けるヘリのローターの様な飛行ユニットとか、この辺の描写はヘビーアームズのものがかなり凝っていて面白いんです。

               

              ただ…個人的にはヘビーアームズの魅力ってそういう部分じゃないと思うんですよ。

               

              全身に装備する火器を乱射して一気に敵を殲滅…ところが多勢に無勢、胸のガトリングガンがカラカラと悲壮な音を立てて弾切れを告げる…猛攻から逃げおおせた敵がチャンスとばかりに一斉に無防備となったヘビーアームズを襲うも、ヘビーアームズは左手のビームガトリングをパージし、右手のアーミーナイフを展開!!迫りくる敵モビルスーツを切り刻む!!

               

              …ヘビーアームズは弾切れになってからが真骨頂なんですよ、ええ!!

              重装備で鈍重そうな機体なのに、いざとなったら身軽な動きでチンケなナイフ1本で敵を屠っていく…これこそがヘビーアームズの魅力だと思うんです!!(力説)

               

              そんな訳で、「エンドレスワルツ」版のヘビーアームズカスタムが両手にダブルガトリング装備でアーミーナイフをオミットしたのは大変腹立たしい改悪なのです。

               

              本作の描写はユニークな追加装備が色々披露されようとも、アーミーナイフ1本で死闘を繰り広げる様が描かれないので少々物足りないんですよ、ええ。他にもサンドロックがビームライフルばっかり使って代名詞のショーテルあんまり使わなかったりしますし。

               

              …絵は上手い人なんだけどね、ちょっと残念ですね。

              | 零哭堂 | 漫画紹介 | 23:59 | comments(0) | - |
              記事書くたびに5セント貰ってたら今ごろ大金モチだぜ
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                この漫画、定期的に読みたくなるんですよね、何故か。

                 

                田丸浩史 「ラブやん」 全22巻

                 

                ロリ・オタ・プーの三拍子そろった日本に掃いて捨てる程いるというダメ人間・大森カズフサ。エロゲをオカズに日課の自己発電の彼の元にラブ時空からやってきたというキューピット・ラブやんがやってくる。しかし凄腕と称されたラブやんでもカズフサの恋を成就させる事は出来ず、気が付けば周囲を巻き込みつつ日々ダラダラと過ごす…という作品です。

                 

                まぁ、設定でピンと来る人も多いでしょうが、コスプレイヤーを孕ませて出来ちゃった結婚して以降、色々な意味でいい話が聞こえてこない漫画家・藤島康介氏の代表作「あぁっ女神さまっ」のパロディ作品ですが、そのパロ元と同じアフタヌーン連載で、しかもパロ元が連載終了後は気が付けば「アフタヌーンシーズン増刊」も含めれば最古参…という偉業を達成しているんですが、何せ扱ったネタが殆ど下ネタ、かつ主人公はロリでオタでプーという社会不適合者…しかもミョーに行動的という危険極まりないキャラクターである事からか、半ば公式で

                 

                全メディア黙殺

                 

                という扱いを受けている稀有な作品です。(笑)

                まぁ、しょうがないよね。ロリであるカズフサの恋愛成就…といったら対象は幼女な訳で、それだけで今日日キケン極まりない訳で、他にもオナホールとか自我を持つ家電や乳首(男の)とか、そんなんばっかりですし、他にも

                 

                「頭がぬれたりすると力が出なくなるヒーロー」に新しい顔を焼くおじさん

                機会の身体を貰う為に終着駅を目指す少年と一緒に銀河鉄道で旅をするミステリアスな美女

                虎縞ビキニの宇宙人でセクシーでキュートな電撃鬼娘

                左手にサイコガンを仕込んだ一匹狼の宇宙海賊

                 

                とかをもじった…というか、一番上は外見もそっくりだったりして、違う意味でもキケンな作品だったりします。そりゃ長期連載しててもアニメ化とかの話はないわ…と思ってたら、実はアニメ化の話自体はあったがポシャったなんて噂も…。

                ただまぁ、ロリ・オタ・プーの三冠王の下ネタ満載な楽しい日常…というギャグ要素だけではなく、本作は、言わばリアルカズフサな人々にとっては身につまされる様な痛烈な描写も少なくなかったりするんですね。代表例が、カズフサの幼馴染・庵子の結婚でしょうか。コレには結構凹んだ、という人も多いんじゃないかな、と。

                 

                余談ですが、作者の田丸浩史先生…「ラブやん」以外にも色々描いてまして…

                 

                ゲームの主人公がいきなり死んで木こりが主人公のふりをする一部に大人気のSTG「超兄貴」のコミカライズ

                テレビアニメのコミカライズだがほぼ本編に絡まないで進行する「課長王子外伝」

                小学生女児の元に屈強な米国海兵隊員なド〇えもんがやってくる「レイモンド」

                あまり外に出ない漫画家の珍妙な仲間達との日常を描いた「最近のヒロシ」

                 

                …といった濃い作品ばかりかいています。「パトレイバー」とかでも有名なゆうきまさみ氏と組んだ「マリアナ伝説」では「ウォーターボーイズ」に先駆けて男子シンクロをネタにしていたり、「地球防衛企業ダイ・ガード」のコミカライズ版でオマケ漫画の「ああ21世紀警備保障」を描いていたりするんですよ。「ああ21世紀警備保障」はwikiの田丸先生の記事にも記載がないんですが。(苦笑)

                 

                更に、「學園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド」ではショッピングモールに立て籠もった面々の中に坊主頭で眼鏡、と言う風体のキャラクターがいて、強面な風体の割に気さくな好人物でしたが「奴等」に噛まれて自身の頼みで婦警さんに射殺されてしまいます。

                 

                彼、この通り田丸先生をモチーフにしたと思しきキャラクターだったりします。

                 

                「ラブやん」という作品も、男同士でバカ話的になら盛り上がる作品ではあるんですが、あまり表立って出過ぎてしまったら面白くなくなってしまう…そんな稀有な作品だと思うのです。

                | 零哭堂 | 漫画紹介 | 22:12 | comments(2) | - |
                戸叶という名前が設定されているのに誰もが「スナイパー空手」と呼ぶ
                0

                  昨日はパソコンの回線がやたら重くなってほぼネットへの接続が不可になってしまっていた為に更新出来ませんでした。ネタ自体はあったし時間もあったんですが…5月パーフェクト更新を逃してしまった…。

                   

                  さて、今回はコレ。

                   

                  沢真&柴田ヨクサル 「ブルーストライカー」 現在2巻まで発売中

                   

                  先日紹介した「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」の作者・柴田ヨクサル氏の出世作「エアマスター」の続編です。

                  ただ残念ながら、ヨクサル氏は原作担当という事で絵は別の方…沢真さんという方が担当しています。この方は女性の方なんですかね?ヨクサル氏の絵柄に似せてはいるんですが本家本元と比べるとムチムチ感が不足気味で、よりクセのないタッチの絵柄になっています。何となく少女漫画的と言うか…そんな雰囲気が。いや、別にそれが欠点で公式で「ほぼエアマスター2」とされている本作はやはりヨクサル氏本人に絵も担当して欲しかった…という気はなくはないんですが、ヨクサル氏の絵がそもそもクセがあると言いますか、どう考えても万人受けするタイプの絵ではないですから、まぁ、取り合えず悪くはないんじゃないかと。

                   

                  中身はこんな感じ。

                   

                  かつては特撮番組で「ブルーストライカー」というヒーローを演じていた根津田。40歳目前でテレビ番組をクビにされ、妻子にも逃げられた彼は、途方に暮れ生きる希望を無くし自殺を考える。しかしある日強制的にストリートファイトを強いられる謎のゲームアプリをインストールしてしまい…

                   

                  というモノ。

                  ある意味、「エアマスター」の「深道ランキング」的な展開です。主人公はヒーローモノの番組に出ていた経験はあれど基本格闘技やストリートファイトに関しては素人。そんな彼が先ず出会い、師匠的な存在となったのが

                   

                  相手の膝の狙撃を目的とし、思わぬバランスの破壊。

                  そこから派生する一撃必殺

                   

                  …で、お馴染みの深道ランキング15位、スナイパー空手さんです。(笑)

                  もっとマシな奴いただろ…と思わせる絶妙なチョイスです。でもまぁ、後で巨乳メェ〜ニア!!としても登場する等、ミョーに目立つキャラクターではありましたからね。ちなみに本作のスナイパー空手さん、大分老け込んでます。

                  と、言うのもこの作品、深道ランキング終了から少なくとも15、6年は経過している設定。何せエアマスターことマキと、"あの"坂本ジュリエッタの息子・ジュキが大人の姿で登場しますからね。他にも本家「エアマスター」から引っ張ってきたネタは少なくないですね。ハメドスタイルの使い手とか。

                   

                  個人的にはやっぱり崎山香織の登場をどうしようもなく期待してしまいます。美奈とか金次郎、小西弟とか屋敷は別にいいかな、ウン。(笑)

                   

                  まぁでも「エアマスター」の実質続編みたいな作品ですが、あんまり「エアマスター」のキャラクターを出し過ぎてしまうと本作…「ブルーストライカー」としての軸と言いますか、個性が「エアマスター」のそれに塗りつぶされてしまいますから、この辺は舵取りが難しい所なのかも。

                  そこで「ブルーストライカー」独自のキャラクターとして主人公の根津田と、現在ヒロイン格のレセンがキモになるとは思うんですが、現状では正直、根津田に魅力はあまり感じなかったりします。レセンの方が、想い人的な存在(ジュキ)がいたり、と漫画作品の物語を展開するにはコッチメインの方が都合よさそうなキャラクターになっているんですが、飽くまで根津田が主人公…というのには何らかの理由があるんでしょう。と言いますか、彼を主人公として描けなければキビシイと言わざるを得ないでしょうし。

                   

                  現在、ジュキにより実戦による特訓を受けている根津田ですが…根津田のダメ人間なキャラクター性はむしろジュキの祖父・佐伯四郎に近い気がするんですよね。現在ジュキが師匠役を務めている訳ですから、彼を介して根津田と佐伯四郎が出会って酒飲んで意気投合…なんてのはあり得るんじゃないかな、と。

                   

                  おっと、「ブルーストライカー」としての独自性を出すべし、みたいな事を言っておいて「エアマスター」キャラの登場に期待してしまうとは、「エアマスター」ファンの悪い癖。(苦笑)

                   

                  ともあれ、レセンのスケベ解禁…みたいな安易な事やらず、異色格闘漫画として頑張って欲しい作品です。期待しています。

                  | 零哭堂 | 漫画紹介 | 23:28 | comments(0) | - |
                  ライダーごっこ漫画
                  0

                    今回はコレ。

                     

                    柴田ヨクサル 「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」 現在2巻まで発売中

                     

                    アニメにもなった「エアマスター」や「ハチワンダイバー」の柴田ヨクサル氏の作品です。

                    「ウルトラマン」と並ぶ特撮作品のビッグネーム、「仮面ライダー」ですが、「仮面ライター」を冠した漫画、というのは特撮シリーズでも原作として名を連ねている石ノ森章太郎氏の描いたもの以外にも結構世に出ている訳です。数年前からZXを中心として展開し、作者の拘りから人気を博している「仮面ライダーSPIRITS」を始め、平成ライダーでは「風都探偵」なんかが話題になっています。

                     

                    特撮シリーズとしても現在継続していて、昭和の「仮面ライダー」とは違う「平成ライダー」として人気ですが、平成に入っても昭和ライダーの人気は根強い所があって、「THE FIRST」なんて漫画版をベースにしたリメイク的な映画が作られていたりも。そういえばこのコミカライズ、某「自称漫画家のタレント」が描いていたんですが…やる気のなさが画面からはっきりと伝わってくるヒドイシロモノで、当時、ラジオパーソナリティを持っていた漫画家に痛烈に批判された…なんて事もありましたっけ。某「自称漫画家のタレント」も昔はヒット作バンバン描いていたんですけどね。まぁ、悉く趣味とは外れた作風なので、私はコミックスを買ったりしたことはありませんが。

                     

                    さて、本作ですが、中身はこんな感じ。

                     

                    東島丹三郎、無職の40歳。「仮面ライダー」をこよなく愛す彼は、アルバイトで食いつなぎつつ各地の山に籠り自身の肉体を鍛え、いつの日かショッカーに改造される日を待ち望んでいた。ある日東島は自分の人生は自身で完結したい、と集めていた「仮面ライダー」のコレクションを全て売却し現実に向き合おうとするが、世間で騒がれている「ショッカー強盗団」に遭遇し…

                     

                    というモノ。

                    祭りを荒らす「ショッカー強盗団」を、仮面ライダーのお面をつけて号泣しながら退治する東島なんですが、今度は「仮面ライダーストロンガー」好きの父から英才教育を受けて電波人間タックルに憧れる女教師が出て来たり、実在するショッカーを追うV3とライダーマンに憧れる兄弟がいたり…と、まぁそんな感じ。

                     

                    …ん?と思った人、正解。(笑)

                    実は本作の世界、ショッカーが実在しているんです。特撮でのショッカーと同様、一般市民に気取られることが無い様に潜伏していて、一部の人にしかその存在を知られていません。戦闘員でも常人では敵わないレベルの強さで、かつミュータントじみた怪人も存在します。つまり本作は「仮面ライダー」に対し常人越えした愛を持つ者によね、本物のショッカーを相手取った壮大な「仮面ライダーごっこ」という構図なのですね。コレは今までの「仮面ライダー」漫画にはなかった展開と言えるでしょう。

                     

                    ただ、描いているのが柴田ヨクサル氏…絵柄はクセが強いし、決して上手い訳ではありません。バトルシーンの描写は「エアマスター」の頃とほぼ変わらず、リアリティのある格闘を見たい人には絶望的に合わない作風ですわ。ただ、「エアマスター」もそうでしたがキャラクター達が持つ圧倒的な熱量、激情…そういったものをそのままぶつける格闘シーンはリアリティは欠如しているもののその分圧倒的なパワーがありますし、彼らが紡ぎ出す言葉もいちいち力強い。ヨクサル節とでも言いますか…その熱量と勢いでごり押す、脳筋的…理屈は分からんがとにかく凄い…そんな作品なのです。

                     

                    ただまぁ…人によっては好き嫌いはっきり分かれる類の作品だとも思います。絵柄が独特かつクセが強いのでそれだけで読み手を選びますし、「仮面ライダー」を題材にしておきながら、案外と細部に拘ってしまう様な「仮面ライダー」のマニアは受け付けられない部分が多い様な気もします。例えば、ライダーなのにバイクが登場しない、とか、どう見ても風見志郎の影響が強い島村兄弟の兄やタックルのユリコはともかく東島は本郷猛へのリスペクトがない、とか…言い出せばきりがないレベル。

                     

                    でも考えてみて欲しい。本作は劇中で東島が言っている通り

                     

                    こういう事、なんですよ。

                     

                    「仮面ライダー」ではなくて、「仮面ライダーごっこ」なんですわ。

                    東島が憧れたのは仮面ライダー1号の戦う姿であって、本郷猛ではないんです。故に、本郷猛を顧みない。

                    「仮面ライダー」ではなく、幼少の頃に抱いた憧れを大人になっても捨てきれなかった大人達の「仮面ライダーごっこ」だから、ショッカーは必要不可欠でもバイクは不要なのですよ。子供の頃のごっこ遊びにバイクなんかない…だから東島もバイクに乗らないんです。

                     

                    思えば、架空のヒーローに憧れてそのヒーローを現実で演じてしまう…という作品自体はこれまでにも結構あったんです。「ゼブラーマン」なんかもそうですよね。でも、そんな既視感のある設定でも本作が強く印象付けられるのは、空前の人気で「ライダーキックを真似て高い所から飛び降りて怪我」なんて事例も報道された(らしい)、ごっこ遊びとしてイメージされやすい存在である「仮面ライダー」だからこそ、行き過ぎた愛ゆえの本気の「仮面ライダーごっこ」を描いているからなのではないかと。

                     

                    同じライダーでも、ごっこ遊びが玩具ありきに見える平成ライダーでは…この作風は無理だろうなぁ…と。

                    懐古云々ではなく、向き不向きとして、ですが。

                    | 零哭堂 | 漫画紹介 | 00:38 | comments(2) | - |
                    完結記念
                    0

                      大分前に紹介した「空挺ドラゴンズ」がアニメになるとの事。

                      この「空挺ドラゴンズ」という作品は空を舞う龍を狩るオンボロ捕龍船クイン・ザザ号の乗組員たちの生活を描いた作品で、宮崎駿氏の「風の谷のナウシカ」にかなり近いビジュアルイメージを持つ作品。この「空挺ドラゴンズ」にかなり近い設定を持ちながら全くの別物に仕立てた作品があってですね、その作品が先日最終巻をリリースしたのです。その作品の名は…

                       

                      梅木泰祐 「あせびと空世界の冒険者」 全10巻

                       

                      コレです。

                      この作品も「空挺ドラゴンズ」と同様、数年前に何かのマンガ大賞的な奴にノミネートされていた事があるんだそうで。

                       

                      空に浮かぶ陸で人々が生活する世界。空には竜魚と呼ばれる巨獣が住まい、人や船を襲う。長大な銃を用いて竜魚から人々を守る役目を負う"衛士"の青年・ユウは、かつて祖父がたどり着いたという人類が最も繁栄していたウォルデシアの古代島プラントを目指し、ウォルデシアから祖父が連れ帰ったアンドロイド・あせびと共に冒険の旅に出る。

                       

                      という、SF的なガジェットを持つ冒険ファンタジーです。「空挺ドラゴンズ」が「風の谷のナウシカ」に近いイメージなのに対し、この「あせびと空世界の冒険者」は「天空の城ラピュタ」に近いイメージでしょうか。王道も王道、今時珍しいレベルの真っ向勝負な冒険ファンタジー…ジュブナイル的な要素も強い作品です。

                       

                      作者の梅木泰祐氏は本作が商業誌デビュー作で、本作を発表する以前はアシスタントや同人活動をしていたそうで。特筆すべきはやはりその世界観ですね。設定の一つ一つは何処かの作品から引っ張ってきたような…既視感を感じるネタが多いんですが、それをまとめ上げてキッチリ一つの作品の世界観として成立させている…本作が商業誌デビューという事を考えると中々凄いんじゃないかと。何より、インパクトや話題性優先で奇をてらう事はやらず、王道的なドストレートな物語展開がかえって心地よい作品なのです。

                       

                      何ていうんですかね…昔懐かしい冒険譚、とでも言いますか。イメージ的には「ラピュタ」に近い、と書きましたが、他にも「巨神ゴーグ」「ふしぎの海のナディア」「未来少年コナン」「スプリガン」「宝島」…この辺に引っ掛かる人にはかなりお勧めしたい作品です。

                       

                      絵柄は印影をあまりつけずに割とあっさりとしたラインでキャラクターを描いているんですが、人によっては古臭さを感じる人もいるかも。一方で竜魚やメカニックのディテールはしっかりしていたりするので手抜きな印象は感じません。ディフォルメ表現をよく使っているのでそういうのが嫌いな人には向いていないかもしれません。

                       

                      キャラクター設定の方も、どこまでも真っすぐなユウの性格は掛け値なしに魅力的ですし、彼に対してお姉さんぶっているアンドロイドのあせびさん…彼女はアンドロイドなのにコロコロと表情が良く変わるのが大変可愛らしいんです。しかもアンドロイドという割にやたら表情豊かな理由…みたいなのも最終局面で「ああ、そういう事か」と理解できる風になっているのがスゴイのです。

                      サブヒロインで敵側のアンドロイド(戦闘モジュール)として登場したダリアや、ユウとは違う理由でウォルデシアを目指す"暴風"の異名を持つ衛士・グラム、更に最終局面でキーキャラクターとなったリコリスなど、キャラクターの描写、各々の行動にちゃんと説得力があるのも特徴。

                       

                      ただ惜しむらくは最後がやや駆け足気味といいますか…展開が早くやや唐突気味な部分が出てしまった…ここはちょっと残念でした。もしかしたら話数に制限が掛かったとかの理由があったのかも知れませんが、最終局面はあとコミックス1巻分位使ってじっくり描いて欲しかったな、と。

                       

                      ちなみにラストのアレ…「蒼穹のファフナー」のラストのアレ…人呼んで「石破ラブラブ蒼穹拳」にソックリ…と思ったのは私だけではない筈。(笑)

                       

                      正直、そんなに話題になった作品ではないかも知れませんが、分かり易くも王道な冒険ファンタジーなのです。

                      | 零哭堂 | 漫画紹介 | 00:47 | comments(0) | - |
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