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自己満足ブログ
オタク系エロコメの皮を被った熱血部活漫画?
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    仕事の都合で「あしたのジョー2」を見られていないので、今回は漫画ネタ。

     

    橋本悠 「2.5次元の誘惑」 4巻

     

    男臭さ全開な「あしたのジョー2」とは打って変わった作品。

    以前記事にしている作品ですが、「2.5次元の誘惑」というタイトルの読みは「にいてんごじげんのりりさ」なんだそうな。確かにフリガナみたいに「誘」と「惑」の間にリリサと書いてありまるんですが、今の今まで気がつかなかったよ。我ながら相当な節穴だね。(笑)

     

    「誘」と「惑」にコスプレ好きなヒロイン(主人公?)の名前があるというのは、彼女がコスプレによって2次元と3次元の狭間にいる…という事なんですかね、やっぱり。

     

    さてこの作品、実は「カワイイ女の子を書く」という事からスタートし、それに作者が興味を持っていたコスプレを題材としたチョイエロラブコメになる予定だったのが、コスプレイベントのエピソードで読者の反応が良くなり、コスプレを題材とした熱血青春漫画的なものに変貌した…との事。本作は雑誌媒体ではなく漫画アプリやwebにて展開する「ジャンプ+」の連載作品。アプリ連載の作品と言えど、やはり「ジャンプ」という名を冠しているだけあってその読者は

     

    「友情」「努力」「勝利」

     

    の三本柱な作風を好む傾向ってのはあるのかも知れません。例えそれがチョイエロなコスプレを題材とした作品と言えども。

     

    さて、この巻では企業系コスプレイヤー…言わばプロのコスプレイヤー・753の言葉でリリサが揺らぐ所からスタート。リリサはある漫画のリリエルというキャラクターを愛し、リリエルになりたいからコスプレをしている。対し、753は特定のキャラクターへの愛ではなく、コスプレそのものを愛している。そんな彼女の言葉でリリサは「自分はコスプレを愛していないのでは?」と揺らいでしまう訳です。

     

    そんな彼女の窮地を救ったのが、彼女がコスプレを始めるに至ったキッカケを作った先達であり四天王の1人・まゆら様と、リリサにとって最大の理解者であり協力者・奥村。

     

    …ここの奥村がね、カッコイイんですよ、ええ。

     

    オタクたるもの好きな物の話は否定しない

    何かを愛する事に合ってるも間違ってるもない

    愛の形は一つなんかじゃない

    どんな色でも、どんな形でも…

    自分の中に確かにあればいいんだ

    自分だけがそれを信じてればいいんだ

    …嫌なこと言われる事もあるよ

    でもそれはきっと…みんな事情があって

    自分の中で言うしかない事があるだけで

    俺たちに向けられた悪意じゃないんだ

     

    …いい言葉です。

    例えば、新規ファンを「ニワカ」と侮蔑して排他的になったり、作品に関する知識の優劣が好きである事の優劣そのものだと勘違いしていたり、特定の作品を否定するあまりその作品の人格まで否定していたり…他者の言葉や視線を過度に気にし過ぎて過剰に自分以外を否定する様な言動を繰り返しているオタクは残念ながら多い訳です。

     

    …でも結局さ、他人を否定、拒絶するオタクってのは、何処かで自分自身をも否定しているんですわ。

    以前ネタにもしましたが、「ぐらんぶる」の学園祭声優ライブのエピソードでもありましたが、「好きである事を否定しない」というのはオタクとしての矜持として秘めておきたいですわ、ええ。

     

    そんな訳でこの漫画…私自身、前にも書きましたがコスプレにあまり興味がありません。特定のキャラクターに憧れたりすることはあれど、そのキャラクターになりたいという欲求はありませんし、正直、昭和生まれのオッサンには分からない世界、と言えるかも知れません。

     

    ただ、そんなオッサンでもこの漫画…面白いんですよ。

    撮影される側、する側の心情とか、この手のコスプレイベントのあるある的なネタや舞台裏は意外な事に、中々興味深い描写が多いんです。例えば、職業モノの漫画ですとその職業に強く興味があったり、自分がその業界に関わっていたりすると面白いんですが、だからといってまるで興味のない職種でも面白く読めてしまうケースってある訳です。正にこの作品、そんな感じ。

     

    そして物語が分かり易い…別に本作がコスプレを描く必要がないレベルの王道的な「熱血青春部活動ネタ」みたいな展開なので、興味が薄い題材でも物語として読めてしまうのは強いですよ、ええ。

     

    トドメに…本作最大の強みは前回本作をネタにした記事でも触れましたが…本当に嫌な奴は存在しない、という部分かも知れません。おかげで、変にギスギスした気分にならなくて済みますからね。

     

    …ギスギスしてるのは、現実だけで充分ですわ。

    | 零哭堂 | 新巻レビュー | 21:58 | comments(0) | - |
    今回は溜めです
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      さてさて、「異世界おじさん」の次はコレ。

       

      馬場康誌 「ライドンキング」 4巻

       

      異世界に転生した最強大統領の活躍を描く「ライドンキング」です。大体コミックスのリリースが「異世界おじさん」と被る事が多いので、セットで記事書いている様な気がしてしまいます。

       

      今回、あまり物語的には進展はありません。魔族に襲撃されたゴルドーの住民達が、ジェラリエの部下に率いられプルチノフ村に受け入れられる訳ですが…この難民の中にはゴルドーで口に含んだポーションを顔面に吹き付けて怪我の治療をしていた神官の姿も。この人、ようやく名前が明かされるんですが…その名前が「カブクス・ヤンクステーソン」…コレって

       

      この人、ザ・グレートカブキですね。

       

      アメリカ遠征中に歌舞伎をモチーフにしたフェイスペイントでヌンチャクや毒霧などのパフォーマンスで人気を博し、そのスタイルを帰国後も継続したヒールレスラーです。ヤンクステーソンは彼の入場曲「ヤンキーステーション」をもじったもので、ポーションを吹きかけるのも毒霧、という訳ですか。ホント、プロレスとか格闘技好きなんですねぇ、この作者。

       

      この「ライドンキング」にはさまざまなパロディが隠されている作風でもありますが、今回はもう一つ

       

      魔族の国の門を守る2人のミノタウロスが、大統領達を通すため崩れてきた天井を支えるシーン

       

      コレ、「北斗の拳」のライガとフウガだと思うんですが…コレはやや自信なし。

       

      さて、「ライドンキング」の魅力と言えば、最強大統領の為政者として…いや人としての魅力というのがありますね。決定は迅速、対策は徹底的に。そして最終的な責任は全て自らで負う…リーダーとしての高い矜持の持ち主である点。

       

      このシーンなど、自分達の都合ばかり優先して若い連中から搾取する事しか考えない政治家や企業のトップに聞かせてやりたい至言ですよ、ええ。

       

      今回は閑話休題と言いますか、嵐の前の静けさ、的な感じで派手な戦闘シーンとかはありませんでしたが、やはり安定した面白さがある作品かと。パロディネタはふんだんに仕込まれてはいますが、基本ラインとしてキッチリとした物語展開がある作品なのでストーリーを重視する人向けになってますね。「なろう系」の異世界転生で俺ツェーな作風ではあるんですが、「異世界おじさん」と並ぶ変化球、かつそこが面白い作品。コメディ色の強い「異世界おじさん」とは住み分けも出来ていますし、今後も両作品共に注目していこうと思います、ハイ。

       

      ただ、「異世界おじさん」の時に書いた本作とのコラボって、絵1枚だけだったんですねぇ。お互いのキャラがゲスト出演するショートエピソードなんかやってくれると嬉しかったんだけどね、両作品のファンとしては。

      | 零哭堂 | 新巻レビュー | 00:01 | comments(0) | - |
      ヴェロキラプトル
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        本日はこれです。

         

        殆ど死んでいる 「異世界おじさん」 4巻

         

        前巻ではゴブリン等の大軍勢を退けた際に知り合った冒険者3人組の紅一点であるアリシアが勇者…という引きで終わっていた訳ですが、前巻の感想でわざわざアリシアがエドガーに剣を借りてまでポーズ取った事にツッコミ入れたんですが…劇中でもツッコミ入りました。(笑)

         

        攻略難易度が高い「深闇の迷宮」に挑もうとする3人…勇者になった為に挑戦可能にはなったものの、アリシア達が駆け出しの冒険者に過ぎない事実は変わらない。幼い頃から深闇の迷宮に3人で攻略するのが彼女等の約束だという。そんな3人の幼い日々を魔法で映像化するおじさんですが…それを見たアリシア、

         

         

        可愛いのはアンタだ!!(笑)

        この3人組、なんかほのぼのしてていいんですよね。おじさんの境遇を鑑みるにロクでもない奴等ばかりな気もする異世界人ですが、彼女等は数少ない例外に見えます。彼女等に助力し、彼女等が背負わされた「勇者」という重荷を下ろす為に尽力したり…今回のおじさん、ミョーにカッコイイです。

         

        そんなおじさんがアリシアを勇者に任命した王国の司令官との論戦で変身したのが、中2の時の担任・田淵先生。

         

        …こういう教師、いたんですよ、確かに。私がガキの頃なんかは当たり前に。(苦笑)

         

        まぁ、今でも似たようなのはいると思いますけどね。特に部活の顧問とかそういう類の体育会系に。

        そんなこんなでこの状況に割って入るのが「伝説の凍神剣の所持者」として名が通っていた為に野宿していたところを騎士団に拾われたメイベル。就職した事によっておじさんに対し上から目線で自分に負けて改心したふりをすれば自分の部下として騎士団に入る事を勧めます。でもおじさんってば

         

         

        実は以前負けた事を根に持ってメイベル攻略法を考えてました。

        勿論、「ときメモ」(古いか/笑)的な恋愛SLG的な意味での攻略ではありません。(笑)

         

        …つくづくゲーマーですねぇ…。強大な敵の前に立っても動じないのにセガサターンが故障すると目も当てられないレベルで狼狽するだけの事はあります。

        そしてこのエピソードの結末が、たかふみ共々亜竜…というかどう見てもヴェロキラプトルになってしまうというオチ…。何というシュールな絵。(笑)

         

        今回も面白かった「異世界おじさん」ですが、この漫画でネタになっているゲーム…プレイして見たくなりますね。「幽遊白書」のゲームでネタにされたおじさんのオリジナルコンボ「ダブル霊丸」の話も何だか分かります、ウン。かく言う私も「ダウンタウン熱血行進曲それいけ大運動会」の「かちぬきかくとう」で、「はなぞの」の「さおとめ」の必殺技「おーらぱんち」の溜めをジャンプしながら始めると威力が上がって喰らった敵が吹っ飛ぶようになるのを発見したんですが、対戦で「ジャンプ溜めおーらぱんち」使うの仲間内では結局私だけだったんです、せっかくみんなに教えたのに。

        まぁ、そもそも「はなぞの」が使い勝手悪くて人気薄で、大抵「れいほう」「れんごう」の取り合いだったからなぁ…。

         

        さてさて、話はともかくこの作品…

         

         

        藤宮さんがどんどん可愛くなってるよね。

        美形ぞろいとされる異世界キャラクターに負けてないですよ、ええ。子供の頃のアレが嘘の様ですわ。

         

        さてさて、風のウワサでは本作と「ライドンキング」がコラボする…なんて話を聞きましたが、ホントなんですかね。ホントだとしたら、どちらも大好きな作品なので楽しみです、ハイ。

        | 零哭堂 | 新巻レビュー | 00:35 | comments(0) | - |
        リボルバーにおけるサイレンサー使用の考察
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          さて、今日はコレ。

           

          錦ソクラ 「今日からCITY HUNTER」 6巻

           

          アラフォーのOLが大好きな漫画「CITY HUNTER」の世界に高校生の時の姿で転生してしまい…という、コレも一種の「異世界転生モノ」ですね。「異世界転生」には主人公がプレイしていたゲームの中に転生、みたいなのはありますが、実際にある漫画の中に転生してしまうと言うのが中々に珍しい作品かと。

           

          1〜2巻までは、原作の「CITY HUNTER」のエピソードに主人公が入り込む…というスタイルで、基本は原作に忠実な展開にはなりますが若干細部やオチが違ってくる…というパターンでしたが、3巻以降は本作オリジナルのキャラクターが出て来て、本作独自の展開になってきます。5巻からは原作の「憂いのMy Sister」からの、香の生き別れの姉・立木さゆりのエピソードを軸に、それにオリジナルキャラクターのJJと、彼を狙う殺し屋スネイク兄弟が絡んでくる…というエピソードに。

           

          そして6巻の冒頭、JJからスネイク兄弟の話を聞いたリョウは主人公にカマをかけ、主人公がさゆりが香の実の姉である事を知っている事がバレてしまう訳ですが…バレた事に狼狽する主人公への返し方、コレ、実に原作っぽいというか、リョウならそう言いそうだよな、と。コレは作者の原作愛、なのかな。

           

          また「今日からシティーハンター」では原作ではほぼ冒頭と最後の方のエピソードでしか深く関わってこなかった麻薬「エンジェルダスト」を投与された「廃棄物」が絡んでおり、コレが本作の軸になっていくみたいですね。

           

          あ、後今後の展開で気になるのが、JJが海坊主の喫茶店で働きだした点。原作だと後にこのポジションに「空飛ぶおしり」こと麻生かすみが入って、美樹さんと良いコンビなやりとりを見せてくれるんですが…どうなんだろ。4人で仕事分担する程あの店に客が来ている気配、無いですし。(笑)

          彼女、結構好きなキャラなのでJJ出してるからかすみはカット、とかは勘弁願いたいところ。

           

          さて…基本的に原作に忠実な本作ですから、こういうシーンがある訳です。

           

           

          「ゴルゴ13」でも同様のシーンがあり、リボルバーにサイレンサーつけてもシリンダーギャップからガスと音が漏れるので意味がない…と銃オタにツッコミ入れられている描写ですね。しかし、逆に考えてみましょうよ。

           

          ナガンM1895

           

          この銃、初速を上げる為に発射時にシリンダーが前に動く構造になっていて、シリンダーギャップからのガス漏れがほぼ無い…つまり、サイレンサーが使えるリボルバー。この銃の存在が全てのリボルバーがサイレンサーが意味をなさない…という訳ではない事を示しています。そしてこのナガンM1895はヤクザの銃として有名になってしまったトカレフTT-33…ヤクザが所持しているのは大抵中国が生産した54式手槍だと思いますが、ともかくトカレフ拳銃の前にソ連に正式採用されている拳銃で、別に特殊用途のレアな拳銃ではありません。いや、機構とかはレアかつユニークではあるんですが。

           

          リボルバー=サイレンサーが使えない…コレに一部とはいえ例外がある。ならば、リョウのパイソンは彼のパイソンをカスタムした真柴由加里の亡き父親がリョウの仕事を鑑みて、ゴルゴ13が使ったリボルバーはゴルゴが信頼するガンスミスのデイブ辺りが彼から依頼されて、そういうサイレンサーの効果が見込める様になる機構を独自に組み込んでいるのかも知れない…そう考える事も出来るんじゃないかと。

           

          いや、現実的に考えれば無茶苦茶な話でしょうが…頭ごなしにツッコミ入れるより、こんな感じで自分なりの解釈や考察した方が私はロマンがあって面白いんじゃないかな、と思う訳ですよ、ええ。

           

          ちなみに…

           

          こういうの…GETWILDしているんです。(笑)

          俺、連休になったらこれ見るんだ。(死亡フラグ?/笑)

           

          と、いう事で今回はこんな所で。

          | 零哭堂 | 新巻レビュー | 00:04 | comments(0) | - |
          復活
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            今回は久しぶりの新巻がリリースされたコレ。

             

            落合さより 「ぎんぎつね」 14巻

             

            作者サイドからの言及が今のところないので理由は分かりませんが、13巻が発売されてから大体3年位ですかね?ようやく14巻のリリースとなった「ぎんぎつね」です。

             

            中身はとある町の稲荷神社を舞台に、神使を見る事が出来る神社の跡取り娘・冴木まことと、彼女が暮らす神社の神使・銀太郎を中心とした物語。神社や神道の風習を描きつつ、神社にまつわる出来事や人々との出会い、そして神使とのふれあいによりまこと達が成長する姿を描いています。ドラマチックな展開とかはありませんし、派手なアクションシーンがある訳でもない…まぁ言ってしまえば神社を舞台にした日常漫画であり、神職を題材とした職業漫画的な要素が強い印象の作品。

             

            実はアニメ化もされているんですが、全く話題にもならなかった印象…映像ソフトとかもあまり売れてはいない様でした。そもそもこの「ぎんぎつね」という作品自体、私には正直アニメには不向きな作品かと思うのですよ。まだ子供向け、ファミリー向けアニメがゴールデン枠で放送していた頃ならこういう作風のアニメもアリかと思いますが、残念な事に現状は人気作…それも大抵は人気漫画原作のアニメならいざ知らず、青年誌系の漫画原作アニメとかはライトノベル原作等と同様に深夜枠。そういうのを好んで視聴するアニメファンにとっては、正直「ぎんぎつね」は食指が動きにくい作品かと思うんですよ。それこそ、まことがお札とか投げて銀太郎と一緒に妖怪と戦う…なんて作風だった方がウケたかも知れないと思うレベルです。

             

            いやね、別に「ぎんぎつね」という作品を否定している訳ではなく、つまらんと言っている訳ではないんです。私ゃこの作品、好きですから。ドキドキワクワクする様な感覚はないけども、何ともホッとする様な…神社が舞台というのがそう思わせるのか、何となく"原風景"みたいなものを呼び起こされると言いますか…ともかく、作品の持つ雰囲気が好きなのです。何となく、ジブリの宮崎監督以外の作品的、と言えば分かり易いでしょうか。そういう意味で言えば、アニメ化するなら深夜枠のテレビアニメではなく劇場作品としてならもう少し話題になったかも…という気はします。(でも私はジブリ作品、基本的に好きではないんですけどね/苦笑)

             

            さて、久々に新巻がリリースされる…と聞いて、少し前にコミックスを全部読み直してみたんですが、14巻は11巻から続いているまことの亡き母・由子と父・達夫の出会いと馴れ初め、そしてまこと出産から由子の死、という過去回想の完結編。実はこれ、まことの両親がこのエピソードの主軸ではなく、達夫の親友で元神主の義友なんですね。

             

            この過去エピソード、達夫と由子のドラマチックな大恋愛…それこそ、「2時間かけてヒロインが死んでいく映画」の様な展開と並行して、義友が置かれた家庭環境やら、それに対する彼の鬱屈した思いなんかを描いているんです。一流企業に就職し結婚もしたが1年ほどで離婚、会社も辞めていきなり神主になり、それも辞めてしまう…という義友の今までの生き方、そうさせていたモノが解消されます。

             

            一見、悩みなんてなさそうに振舞っている人ほどさ、実は苦悩しているもんなんですよ、ええ。

             

            私も義友や達夫とは同世代…彼ら程激動の人生を送っちゃあいませんが、何となく今回の義友の気持ち、分かる気がするんですよね。

             

            さて、次からはまこと(と悟)が軸の物語に戻るようなので、こちらも楽しみに待ちたいと思います。

            | 零哭堂 | 新巻レビュー | 17:34 | comments(0) | - |
            叛逆ずべ公アクション
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              今回はコレ。

               

              沙村広明 「ベアゲルター」 5巻

               

              「波よ聞いてくれ」のアニメがスタートしたみたいですが、「波よ聞いてくれ」は沙村氏の作品でもそのノリは竹易てあし名義の「おひっこし」とか、「シスタージェネレーター」に収録された短編に近い訳で、氏の代表作と言える「無限の住人」とは真逆の作風とも言える訳です。エログロあり、人体損壊描写ありありで人が死にまくる「無限の住人」の作風と言うのはハマる人はハマりますが、ダメな人は徹底的にダメ…人を選ぶ作風なのは間違いないんですが、その「無限の住人」的なノリを沙村氏に求めている人も多いと思うんですわ。

               

              そんな「無限の住人」よりな作品が実は「波よ聞いてくれ」と並列で連載されているんです。それが「ベアゲルター」という作品。連載していたのがネメシス、休刊後はシリウスと隔月誌の為にアフタヌーン連載の「波よ聞いてくれ」より更にコミックスがリリースされるペースが遅いのが難点ではあるんですが。

               

              さてさて、その中身はこんな感じ。

               

              公園でホームレス生活をしている若い女・忍。彼女は懸巣組の下っ端ヤクザ・杉戸に誘われ組の金の持ち逃げを画策するも呆気なく捕まってしまう。自らの命…とついでに杉戸の命と引き換えに懸巣組が提示した仕事、それは忍に生まれ故郷のに戻ってその島の調査をする事だった。かくして自身が生まれた島に舞い戻る事となった忍だが、島は彼女が暮らしていた頃の貧しい漁村ではなく欲望渦巻く売春島と化していた。この島に隠された秘密とは?

               

              「ベアゲルター」を描くに当たり、沙村氏は「派手な動きの外連味ある格闘技の復権」というのを掲げています。昨今、総合格闘技が一時期のブームの勢いは無くなっているとはいえ一定の支持、認知をされていて、それが…カンフーやカポエイラみたいな格闘技が「実戦に向かないただの踊り」などと格闘技として疑問視されている。それに対し沙村氏は…例えばブルース・リーやジャッキー・チェンが映画で見せたような、「空手バカ一代」で大山倍達を大いに苦戦させたカポエイラが実は実戦では弱いという方が非現実的なんだ、との事。コレはワタクシ、大いに理解できます。というか、真面目に総合格闘技とかに取り組んでいる選手とかには申し訳ないんですが…総合の試合って見ていてつまらないんです。理由は簡単、タックルからパウンド…みたいにパターン化していて外連味が無いから。コレは趣味嗜好も絡むので私見でしかありませんが、格ゲーだってリュウとかケンみたいな万能優等生キャラクター使うより、ダルシムとかザンギエフみたいな尖ったキャラクターの方が使ってて楽しいと思うんですよ。勝てるかは別問題ですが。

               

              そんな訳でこの作品、アクション描写がとにかく凄い!!

              銃としても使えるヌンチャクと電撃が仕込まれた蹴りで戦うカンフー女やら、隻眼、隻腕義手のスゴ腕狙撃手、カポエイラ使いのヤクザ、ドMでシステマ使いで不死身な若頭…とトンデモキャラがバンバン出てド派手なアクション、バトルを繰り広げます。コレは最早…ブルース・リーやジャッキー・チェンというより最早ジミー・ウォングとかの世界観ですよ、ええ。(笑)

               

              でもこのビックリ人間大集合っぷりが堪らなく楽しい…そしてアクション描写のみならず、キャラクター描写も秀逸でして、特に良いと思うのが何処かの「アウトローガンアクション漫画」みたいなB級ぶったカッコつけ台詞を吐き散らさない点。おかげでキャラクターが変にぶれていないんです、ええ。

               

              トドメに、今回の5巻から物語の舞台となる売春島の謎が徐々に明かされ始める訳ですが、これがもうね…「007」辺りを彷彿とさせる展開ですわ。まぁ世界征服とか世界大戦を引き起こす…という程のものではないんですが、多くの人々を巻き込み、不幸にし、島を変貌させてしまったのは事実な訳で、それに挑むのが基本的にはその陰謀に巻き込まれたちっぽけな存在…というのがまた!!

               

              この「ベアゲルター」こそ、"出来のいいB級映画を見ている様な作品"なんじゃないかと思うのです、ええ。

              | 零哭堂 | 新巻レビュー | 22:17 | comments(0) | - |
              オトコなのか、オンナなのか…
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                あ〜、もう2巻が出てたんですねぇ。

                 

                toufu 「Lv1魔王とワンルーム勇者」 2巻

                 

                世間から不要とされ堕落した勇者と、そんな勇者の押しかけ女房となった復活直後の低レベル魔王の生活を描くコメディ「Lv1魔王とワンルーム勇者」の2巻です。ついこの前1巻について書いたばかりな気がしますが…って、私が記事書き起こすペースが速いわけじゃないですから、さもありなん。

                 

                さて、今回は魔王がマックスを魔の眷属となる様勧誘する話から。

                パワーポイントではなく、ワイドショー的な紙芝居仕立てで待遇面なんかを説明しますが…初任給で手取り月給48万円、年2回のボーナス、昇給昇進あり、退職金あり、1日最長5時間労働かつ完全週休4日制、住居完全保証、資格取得支援に出産・育児休業あり…って…

                 

                そんな待遇なら私が魔の眷属になりたいわ!!(笑)

                 

                まぁ、「不死身は人間の身にあまる」とマックスは誘いを辞退し、小学生的発想&見積の甘さでプーチューバー…この世界での動画配信して糧を得ている人ね、になろうとする始末。このオチ、その虚しさがなんとも面白い。切な過ぎて。(笑)

                 

                んで、マックスと魔王は買い物という名のデートに出る訳ですが、そこで遭遇したのがレオ…王国に反旗を翻しガンマ共和国を建国したかつてのマックスの仲間の部下。彼女はマックスに王国では情報が歪められている共和国の姿を見に来て欲しいと誘われる訳ですが、そのレオの部下が西脇美智子さんばりのマッチョウーマン。

                 

                西脇美智子ってのはこの人ね。

                 

                「ボディビル界の百恵ちゃん」の異名を持っていた人で、ボディビルのみならず映画とかにも出演していた人。「香港発活劇エクスプレス 大福星」ではジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポーとと共演しています。というか、上の画像、手前で人差し指立ててるのがサモ・ハンです。(笑)

                 

                まぁそんな訳でマックスと魔王はガンマ共和国へ。というか、ガンマ共和国がどう見ても群馬県の草津温泉です。(笑)

                そんな中王国と共和国の国境での小競り合いに遭遇した2人は、そこに魔物の気配(要は魔王)の気配を察したレオと対決しますが…まぁこのレオがとんでもなく強い!!(ふんどし一丁だけど)そして戦士職だったという事でかなりの脳筋…マックスの素顔を見てもその正体に気づかない有様。

                 

                ただまぁ、共和国の暮らしぶりを見る限り、王国が喧伝する様な己の野望から王国に反旗を翻したテロリストのイメージはなく、その強さ、カリスマ性も相まって少なくとも共和国では善政をしいている様にも見える訳です。1巻でのフレッドの言い分とは大きく違う印象。最終的に糸を引いているのが王国の中枢であり、マックスの落ちぶれた現状を作ったスキャンダルというのも案外それが関係しているのかも。

                 

                そんな訳で、ただのほのぼの系なコメディかと思いましたが、ちゃんと軸となるべき筋書きがありそうな作品になってきましたね。自堕落な生活に堕ちた勇者、王国の要職にある僧侶、王国に反旗を翻した戦士…かつての勇者パーティで残る女魔法使いはどんな形で登場するのか、楽しみですね。

                 

                そして目下最大の謎が、1巻の紹介の際に書いたマックスの部屋の押し入れに巣食う幽霊?と、

                 

                 

                今回マックスが読者の代弁をしてくれた魔王の性別問題。

                まぁ、性なんてものを超越した存在なのかも知れませんが、はてさて。

                | 零哭堂 | 新巻レビュー | 21:31 | comments(0) | - |
                完結記念
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                  今回はコレ。

                   

                  安田剛助 「じけんじゃけん!」 7巻(完結)

                   

                  立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合子様…と云われる美貌を持つ頭脳明晰、文武両道のクール系スーパー美少女ながら実はミステリマニアで「ミステリのためなら努力を惜しまん女」で若干ポンコツな一面も持つ白銀百合子とミステリ研究会の面々の織りなすコメディ、残念ながらこの巻で完結と相成りました。

                   

                  ミステリを題材にしてはいますが、その実ミステリに然程興味が無くてもさらりと読める…というか、私自身もそんなにミステリに強いキョーミがある訳でもなかったりするんですが、むしろ広島女子萌えの日常漫画、と言ってしまってもいいかも知れない作品。何より、登場するキャラクターが皆どこかポンコツで、それが可愛く面白い作品でしたね。

                   

                  軸になっているクール系若干ポンコツ美少女の百合子先輩と、彼を愛してやまない中身は残念な美少年・戸入、そして彼の幼馴染で彼に好意を抱くひまわりと、百合子先輩の遠縁で百合子に憧れるハーフの少女・アイリス…この4人が作品の軸となる作品ですが、他にも魅力的な脇役が多い作品でもあります。

                   

                  さて、最終巻という事でこの巻の流れは6巻ラストで「ミス研が部活動でない同好会なら、活動に使っている空き教室を受験勉強の為に使いたい」…という事で活動拠点だった空き教室を失ってしまったミス研。以前よりミス研入りを希望しているアイリスを加入すれば部としての要項を満たせるので正式に部活扱いになり活動拠点を得られる…ただ何故か百合子がミス研を部活にする事を頑なにに拒む。それはかつて百合子がミス研を立ち上げた際のトラウマが原因な訳ですが、戸入君を始めとするミス研メンバーは半ば騙し討ちで、アイリスのミス研制式加入とミス研の部昇格を確約。そしてアイリスと百合子による最終試験が…と言うのがメインイベントです。

                   

                  その最終試験の内容は広島市内を舞台にした鬼ごっこ。百合子側についている戸入君含め、様々な協力者の助けを借りるアイリスだったが、最後の最後に捕まってしまうが…というのがクライマックスになっていて、その結果は是非読んで確認してください。

                   

                  …何か、いっつもこんな事書いてる気がするなぁ。(笑)

                   

                  基本日常系コメディの作品ですから物語的な大きな流れみたいなのを持たない本作「じけんじゃけん!」ではありますが、今回の結びは百合子先輩の過去話も含め、今までのエピソードが色々とフラグ的な形で折り込まれている形になっています。この辺はミステリをテーマにした本作らしいと言えるかもしれません。

                   

                  ただ、本作の魅力はキャラクターの可愛らしさですね。それは1巻からずっと揺るがなかった作品かと思います。表層的なビジュアルの可愛らしさというのではなく、もっとキャラクターとしての…例えば仕草だったり、言動だったり、表情だったり…そういう部分の魅力が非常に強い作品だったと思うのです。そしてこの7巻で百合子先輩以上にそういう部分が輝いていたと私が思うのが…

                   

                  オカ研家庭科部部長の犬神紫苑先輩

                   

                  彼女、登場は後半に入ってから…名前は学校の2大美人、みたいな感じで1巻から出てるんですが、とにかく登場が遅かったんですがかなりワタクシ、お気に入りのキャラクターなのです。百合子の幼馴染であり、戸入君の初恋の人でもあります。優しくおおらかで包容力豊か…という百合子とは正反対なタイプのお姉さんキャラクターなのですが、ミステリ狂いの百合子に対してオカルト狂いという似た者同士な一面もあって、かなり魅力的な存在でした。

                   

                  最終巻でもミス研の窮地に「オカ研家庭科部に形式だけ入部してミス研を間借させる」という提案をしますが、怖いモノが大の苦手な百合子は家庭科部の側面を危惧してその提案を蹴ってしまう訳です。百合子は紫苑を嫌いではない…むしろ好意を持っているものの、そのオカルト狂いから世間話みたいに怖い話をする彼女を潜在的に避けている節が…そこで頑張って恋バナでもしようとしますが、何時の間にやらその話は怪談…しかも稲川〇二ばりの語り口になってしまい…上の画像はそれに気が付いた際の表情。

                   

                  …犬神先輩、可愛い。(笑)

                   

                  この娘、平時はおっとりお姉さんなビジュアルでその時点でも十分に可愛いキャラクターなんですが、彼女の真骨頂は困ったり慌てたりした時のディフォルメした表情…コレが良いんです、ええ!!百合子が割とポーカーフェイスなキャラクターなので余計この魅力が際立っているかと。まぁひまわりもディフォルメの表情がいいキャラですけどね。

                   

                  そして次、この娘です。

                   

                  東野圭吾六角茉莉花さん

                   

                  百合子や戸入君に憧れる、学校でも美少女としてそこそこ有名な娘、というポジションのツンデレ系キャラクターで、マツダの下請け会社の社長令嬢。アイリスの友人の1人です。幼馴染でサッカー部においてはひまわりの後輩でもある阿笠さんにいい様に利用されてしまっている残念な娘…かなりポンコツな一面があります。

                   

                  …というか、多分この娘が一番この作品で「残念美人」だと思います。(笑)

                  でも文句をいいつつもアイリスの手助けをしてくれる心根の優しい娘でもあります。上の画像はアイリスに連敗した直後、やっと拾った勝ちに浮かれてお嬢様由来の高飛車が炸裂したシーンです。茉莉花さんはこうじゃなきゃいけないのです。(笑)

                   

                  最後に脇役というのは可哀想ですが…

                   

                  四ツ名ひまわり

                   

                  脇役というか…この「じけんじゃけん!」がラブコメならサブヒロインとか対抗ヒロインですね。

                  百合子とは戸入君とミステリでお互い色々誤解しあったままな彼女ですが、今回はさらにその誤解が暴走…結構凄い行動に出てしまう事に。これまでもいじらしくも健気な好き好きアピールを戸入君に対ししてきた彼女ですが、最後にその好意をあけっぴろげにして伝えます。まぁ、そのキッカケが誤解からの暴走なんですが。(笑)

                   

                  コミックスのオマケ漫画「広島女子ひまわりちゃん」の主役ですし、「じけんじゃけん!」ファンの中では結構彼女のファンは多いんじゃないかな、と。ウブさといじらしさ、健気さ…そしてポンコツさが同居しているこの娘もまた可愛い子かと思います。一途に戸入君を想い続けていますが、彼女(や戸入)のお兄ちゃん分な稲田も気になる所。ただ…ひまわりは稲田の方が愛称良さそうな気もしますが、戸入を想い続ける健気さが魅力でもありますからねぇ。

                   

                  そんな訳でね、嫌なキャラクターがいない…戸入君とかの男キャラも含めて皆ポンコツで愛らしい「じけんじゃけん!」…大変面白かったです。安田先生、ありがとうございました。

                  | 零哭堂 | 新巻レビュー | 19:58 | comments(0) | - |
                  打ち切りという訳ではない筈なのに
                  0

                    はい、本日はコレ。

                     

                    野呂俊介 「スピーシーズドメイン」 12巻(完結)

                     

                    以前紹介した「スピーシーズドメイン」がいつの間にか完結していたのでそのレビューです。

                     

                    11巻は取り替え子である風森さんの代わりに異世界に行った…風森さんの両親にとっては本当の子供であるジンの登場と、ジンの存在で自分自身の存在が揺れる風森さん…そんな風森さんを動かした、というより怒らせて勢いづかせたのはやっぱり大機で、ジンは実の両親に会う事が出来てこちらの世界での名前を貰う。そして風森さんは自分が動くキッカケを作るのはいつも大機である事を自覚し、彼に告白…六花の弟を始め、多くの人から「異性に興味がない人」と思われているレベルの大機は風森さんからの告白を受けて混乱…魅重義や好郎に相談し遅い二次成長(笑)となるが、そんな折美根からジンが何者かに追われているという連絡が…というかなり気になるシーンで終わっていた訳で、最終巻である12巻の期待はいやがおうにも高まってしまった訳です。

                     

                    そんな訳で迎えた12巻ですが…いきなりスケールが大きい話に発展してしまいます。ジンを狙っていたものの正体は、通常世界において魔術の隠蔽を司る魔術協会の魔法使い・真輪。通常世界での魔法の復活を目論み、こちらの世界でも魔法の行使が可能になる精霊石の奪取を目論むも危険を察知したジンは逃走。ここで前の巻で大機が作っていた「何か」の正体が明らかに。大機が作っていたのはRPGでお馴染みのエリクサーで、コレを飲む事で美根は大機のトンデモ科学の力を借りずとも空を飛べるようになり、ジンを乗せて真輪から逃げる訳です。

                     

                    …そう、最終巻だというのに新展開目白押しなのです。その後は大機は周囲の人間から強制的に魔力を奪いエリクサーを生成する機械を使い、土和や魅重義も本来の姿や能力を発揮。大機はその正体が一度も転生を経験していない無垢な魂「ルールメイカー」であり、本来人間として生まれる事が稀、かつ神や悪魔みたいなもので世界の想像すら可能な存在。風森さんに至ってはエリクサーの力で念願の魔法を使うのみならず、ジンが話していた異世界での風森さんの伝説…コッチの世界で言うファンタジー小説みたいなものですが、これよろしく世界樹なんてもんを生み出し龍脈を活性化、トドメに魔術協会の協力で天空都市を擁する国家を建国してしまいます。

                     

                    …正に怒涛の展開です。最初読んだ時は正直、ポカーンとなりましたよ、ホント。(苦笑)

                     

                    ただ正直、漫画としてのテンポが良好なままなのでまだ良いのですが、世界感やら設定の説明に終始してしまっている感はあります。展開は怒涛なんですが、物語としてのスピードがその怒涛な展開についていけていないと言いますか…。コレ、正直な所物語のペース配分ミスだと思うのです。

                     

                    恐らく、この12巻で説明ラッシュになってしまった設定というのは構想段階で今と同じだったかはともかくとして、念頭にあった設定の筈。ただ、「取り替え子学園コメディ」として興が乗り過ぎてしまった為に本来なら徐々に種明かし的な形を取りたかったところが、キャラクター達の勢いに飲まれて所謂「フラグ立て」みたいな事が満足に出来なかったのが原因なんじゃなかろうかと。

                     

                    これも恐らくですが、当初は風森さん達仲良し6人組が中心で、クラスメイトのラブコメ展開とかは予定していなかったのではないかと。そしてそういった要素…例えば紅川&長渡とかの体育祭&文化祭ネタや四天王とか…その場の展開の面白さに流されてしまって元々の予定の尺を奪ってしまった結果がこの12巻なのではないかと。

                     

                    いや、勘違いして欲しくないんですが、その「予定していなかった要素」というのは要らないと言っている訳ではないんです。だってそういう部分にも私は惹かれたから、12巻まで付き合った訳ですしね。ラストの良く言えば怒涛の展開、悪く言えば詰め込み過ぎな展開込みで、楽しんで読めた作品なのは間違いありません。特に紅川のキャラクターと長渡の関係なんかはかなり美味しく頂かせてもらいましたしね。キャラクターの魅力という点ではかなり秀逸な作品ですし、そんな作者や担当編集から愛されたキャラクター達だからこそ、暴走し過ぎてこのラストになってしまった部分もあるでしょうしね。

                     

                    12巻のこの説明ラッシュに関しては、もうちっとばかり長めに尺用意してやれないもんだったのか…とは正直、思います。引き延ばしではなく、正当に詰め込み過ぎない程度の尺が欲しかったな、と。そういう意味ではこの前記事を書いた「銀の匙」のラストにも近い印象があるかも知れません。

                     

                    ただ、決められた尺でキレイに畳む…というのも漫画家、作家としての技量ではあります。野呂氏はこの作品がデビュー作だったかと思いますが、デビュー作でこれだけの魅力的なキャラクターを生み出せるのですから、次の作品も期待したい…そう思わせるだけの魅力は「スピーシードメイン」には備わっていると思います。

                     

                    多少最後に歪さが出てしまったものの、好きな作品です、ホント。

                    | 零哭堂 | 新巻レビュー | 00:27 | comments(0) | - |
                    打ち切りエンド
                    0

                      今回はコレ。

                       

                      いしとゆうら 「乙女のはらわた星の色」 4巻(完)

                       

                      さて、ウチでも何回か記事書いた「乙女のはらわた星の色」ですが、4巻にて完結…というより、打ち切りと相成った様です。

                       

                      …う〜ん…やっぱり長くは続かなかったか。(苦笑)

                      個人的にはあけすけな下ネタギャグやら各キャラクターの暴走っぷりが楽しくもあり、結構好きな作風ではあったんですが…如何せん万人受けはしない題材、かつ下種なネタとかも多く基本無駄なエロ描写も多い…とクレームが来そうな要素ばかりだしなぁ。3巻の母乳料理ネタなんかは生理的嫌悪感を感じる人も多かったでしょうしね。

                       

                      でもまぁ、個人的には大いに楽しめた作品でした。

                      一見ハーレム漫画なれど、主人公のゲンには好意を寄せられてもヒロイン達から誰かを選ばない理由(ヴェーヴェ人に限る)があって、それ故恋愛上手こそステータスなヴェーヴェ人の琴線に触れてモテ男になってしまう…ゲンにしても目的はあるにしろ好意を寄せられること自体は嬉しいと感じていて、そういった娘を無下に出来てしまう性格でもない…なんて構図はラブコメ、ハーレム系漫画にはありがちといえばありがちなれど、それなりにそれを持ち味として生かしていたと思います。何より、メインヒロイン?3人…特にキュリプの暴走っぷりなどはむしろゲンに同情してしまうレベルで、それが物語をハチャメチャにしていて面白かったのです。

                       

                      何より、ゲンの友人・ミツヨシのゲスっぷり…コレが良かった。ゲス、外道、クズ、カスそのものな彼の言動は、聖人君主を気取っている風にも見えてしまうゲンへのアンチテーゼ的な意味合いもあり、この作品においてはモテモテなクセに頑なに拒み続けるゲンに対するネガティブな読者との視点とも重なり、ある意味では読者の視点を投影しています。それでいてオチ要因としても優秀だったりとかなり面白いキャラクターでした。

                       

                      一応、キレイに畳まれてはいるんですが正直「え!?これで終わり?」という終わらせ方…「俺達の戦いはまだ始まったばかりだ!!」状態です。小手毬会会長の大間々町真鶴の正体的なモノには一応言及があったものの、翠嵐会の会長でゲンを「昔の自分に似ている」と気に入ってちょっかいを出していたクナキオに関しては何も言及されず終わってしまっています。この辺はあからさまに畳み切れないまま物語が打ち切られてしまっているので非常に残念。

                       

                      いや、作者が構想していた通りの終わり方をちゃんと見てみたかったなぁ…というのが率直な感想です。

                      正直、然程ネット界隈でも話題になっている感じはあまりなかった印象ですし、あからさまなエロ、下ネタに振り切った作風。昨今、その実そういった作品を嗜好している我々の様なオタクより遥かに現実と2次元の区別がついていないクセに、声だけはやたらと大きい高圧的な連中のせいで、この手の作風の漫画は肩身が狭くなっている部分はあるでしょうし、まぁ長くは続かないだろうなとは思ってはいました。覚悟はしていたんですが…それにしたって速すぎるな、と。作者もまだこの作品でやりたいネタ、沢山あったでしょうに。

                       

                      ホント、打ち切りが残念でなりませんわ、ええ。

                      | 零哭堂 | 新巻レビュー | 00:04 | comments(0) | - |
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