土建屋探偵シリーズ17 建設小町純子の推理日誌 再開発事業に潜む殺意の連鎖 夜の現場に消えた死体と敏腕所長の隠された過去

自己満足ブログ
プラモ狂四郎とも戦いました(笑)
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    さて、久々のライバル列伝ですが…今回はこのお方。

     

    「蒼き流星SPTレイズナー」より ゴステロ様(後期バージョン)

     

    ご存知、我らのゴステロ様です。(笑)

    リアル路線のロボットアニメは数あれど、彼ほどキャラの立った悪役は他にないでしょうね、ええ。

     

    かつてアポロ計画の前身的な宇宙計画に参加し月で遭難…居合せたグラドスの調査隊に救助され、グラドス人と結婚…その子供が主人公・エイジ…という設定は劇中でもエイジの口から「父は地球人です」等と語られている程度で細かいバックボーン的なものは語られていないんですが、ともかくグラドスの地球侵攻を知って父の故郷である地球に単身危険を知らせに向かうが…というのが、「レイズナー」の導入部。そんなエイジの追撃の任に当てられたのが、エイジにとっては先輩であり、姉・ジュリアの婚約者ゲイルという構図。旧知の仲かつ婚約者の弟であるエイジを何とかして連れ戻したいゲイルに対し、エイジにとって第二の刺客であるゴステロ様はジュリアに横恋慕しちょっかいを出していた所をゲイルにぶっ飛ばされた因縁があり、当然ゲイルに対して恨みがあり、ゲイルの後輩でジュリアの弟など助けるつもりはない…というのが相関図な訳です。

     

    ただココで凄いのがゴステロ様…どんな手段を使っても勝つ勝利至上主義でも、任務そつちのけで戦いに興じてしまう戦闘狂でもなく…言わば殺人狂なのです。例えば高橋監督と並ぶリアル路線ロボットアニメの巨匠・富野氏の作品辺りだと主人公を執拗に狙うキャラクターの理由的なものはちゃんとあるんです。でもゴステロ様は違うんです。いや、勿論ジュリアやゲイルに対しての当てこすり的な部分はありはしますが、結局の所ゴステロ様は、獲物としてエイジを殺したいだけ。即ち

     

    「彼は人殺しがだ〜い好きなんだぁ〜」

     

    という事に尽きるんです。獲物をじわじわといたぶって殺す趣味もあり、外道と呼ぶに相応しい人物。よって、エイジを殺す邪魔をする奴は同胞であってもあっさり殺す…ジャマイカンを謀殺したヤザンが可愛くみえてしまうレベルの問答無用な暴れっぷり!!それでいてパイロットとしての腕は超一級、かつこんな外道な性格しておいて案外狡猾で頭が切れるってんだから性質が悪い。(笑)

     

    そんなゴステロ様の開き直った悪役っぷりと立ち過ぎるにも程があるレベルのキャラは当時のアニメファンに絶賛されます。しかしゴステロ様もレイズナーに敗れ死亡…したかに思われますが、2部開始早々にサイボーグ化して復活を遂げます。

     

    「レイズナー」の2部ですが…まぁ、良く言われるように半ば路線変更で「世紀末救世主伝説」化してしまいます。(笑)

    地球は荒廃し、芯の強さとは裏腹にやや線の細い印象があったエイジもトンファー振り回してグラドス兵をボコボコにしてしまう屈強な青年に。南斗の使い手風な司令官グレスコの息子、ル・カインがグラドスの地球侵攻の実権を握り、その親衛隊「死鬼隊」の一員として登場する訳ですが、その死鬼隊というのが、

     

    こんな連中(笑)

    牙一族にこんなのいましたよね?

     

    …同じくリアル路線末期の作品「機甲戦記ドラグナー」でも似たような連中が…ってのは、時代だったのかなぁ…と。

     

    そんな訳で復活を遂げたゴステロ様ですが…残忍さはそのままですが狡猾さをサイボーグ化の際にどこかに忘れてしまったのか…ル・カインに対しての言動や他の死鬼隊メンバーからの扱いなど、割と情けないキャラクターになってしまっているんです…が!!その分ジュリアやエイジを執拗に狙う偏執狂っぷりが際立っておりまして、最早2部における主役なんじゃないか?と錯覚するレベルで大暴れします。決め台詞

     

    「の、脳が〜脳が痛いぃぃぃぃっ!!」

     

    も2部から…と、いいますか、1部、2部問わずゴステロ様の発する言葉は悉く名言になってしまうんです。その言葉のチョイスなんかからしても、ゴステロ様の地の頭の良さは伺えるんじゃないかと。

     

    …2部の言動だけ見てるととてもそうは思えないんだけどもね。(笑)

     

    当時としても、このゴステロ様のインパクトは相当なものだったと思いますが、むしろ今現在…言葉は悪いですが事件や災害でアニメごときが世間の印象に勝手に忖度して放送中止、なんて事がまかり通ってしまう時代…彼のようなキャラクターは2度と現れないんじゃないか?とすら思えるのです。

     

    ちなみにそんなゴステロ様の声を当てたのは広瀬正志さん。「ガンダム」のランバ・ラルでもお馴染みのベテラン。アムロにとってラルは敵でありながら超えるべき父親のようなポジション…言わばカッコイイ中年だった訳ですが、私個人の意見としては、広瀬さんの上手さと言うのは高橋良輔作品における

     

    「太陽の牙ダグラム」のデスタン

    「装甲騎兵ボトムズ」のカン・ユー

    「同OVAビッグバトル」のラダァ・ニーバ

     

    …そしてゴステロ様…という、ややもすれば小者臭が漂っていたり、外道でキ〇ガイだったりする悪党キャラクターの方が本領だと思うんですよ。高橋作品において広瀬さんが当てているキャラクターはホントに印象に残るんです、ええ。ちなみに氏の所属するぷろだくしょんバオバブのプロフィールページにあるサンプルボイスでも、ラルの他ゴステロ様をやっています。(若干印象が違いますが/笑)

     

    ただ広瀬氏、5年前位に長期入院と報じられて以降、音沙汰がありません。

    まだ入院なさっておられる状態なのでしょうか。そうであったとしたら、一日でも早い回復を願いたいと思います。

    | 零哭堂 | ライバル列伝 | 23:52 | comments(0) | - |
    妄執の鬼
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      今回はこの人。

       

      野田サトル 「ゴールデンカムイ」より 土方歳三

       

      明治末期の北海道や樺太を舞台に、クセモノ達がアイヌが隠した金塊を巡って生き残りバトルを繰り広げる漫画「ゴールデンカムイ」から、主人公一行、第七師団と金塊争奪戦を展開中の第三勢力・土方一派の首魁にして戊辰戦争で死んだ筈の新選組鬼の復調・土方歳三です。

       

      「ゴールデンカムイ」という作品は今まであまり漫画などで描かれる事は少なかったアイヌの文化を紹介していくような一面があり、その描写はかなり綿密な取材による賜物でアイヌの研究者からも評価が高いようです。実は野田先生の前作、フィギュアスケートからアイスホッケーに転身した主人公を描く「スピナマラダ」がかなり面白く好きだったんですが、割とあっさり終わってしまって残念に思っていたんですよ。でもそれが野田先生のモチベーションに火をつけたのか、結果論ではありますが、本作「ゴールデンカムイ」に繋がったのかな…と。

       

      新選組を題材とした作品ってのは時代劇や大河ドラマ的なものでなくとも枚挙にいとまがない訳で、凄い所では「銀河烈風バクシンガー」とか「ガンダムセンチネル」「銀魂」にもそういう要素はある訳です。まぁ、武将が群雄割拠していた戦国時代と並び、新選組が活躍していた幕末は歴史好きの中でもとりわけ人気の高い時代な訳ですが、新選組…その中でも土方という人物はミョーに男心をくすぐるというか、そういう魅力を持ったキャラクターですね。

       

      そんな訳で…まぁ土方に限りませんが、死んだ筈の新選組の誰かが実は生きていて…という設定を持つフィクションって割と目にする気がします。その中でも特に苛烈な生き方をして散った印象がある土方は、歴史的には本来ありえない「if」を想像してしまいたくなる歴史上の人物と言えるでしょうね。

       

      ただ、私個人は正直あまり幕末に造詣が深くありませんし、土方、ひいては新選組に対しても然程強い興味がある訳では無かったりします。でも、この「ゴールデンカムイ」の土方…コレは大変にカッコ宜しいかと思うのですよ。その理由というのは

       

      コレです。

       

      奪還した愛刀「和泉守兼定」とウインチェスターM1892という…日本刀とレバーアクションライフルという、ライトノベルでクール系でスカしたライバルキャラにありそうな、悪く言えば厨二っぽい武器ですよ、ええ。まぁ、ライトノベルのキャラクターがこういう戦い方をすると正直、カッコつけな印象しかないんですが…「ゴールデンカムイ」の土方だと許せてしまうというか、むしろカッコイイのです。

       

      ちなみにレバーアクションというのは、装填および排莢をレバーをガッチャンコと引くことで行う銃で、開拓時代のアメリカを中心に普及した形式。ボルトアクションより構造は複雑化しますが、連射が利くのが強み。しかも当時普及していた拳銃のコルトSAAと同じ弾薬を使えて便利…という事でウィンチェスターライフルは西部劇、マカロニウエスタンなんかでも必ずと言っていいほど登場する銃になっています。そしてレバーアクションというと、「ターミネーター2」でシュワちゃんがハーレーに跨りながら披露した

       

      コレですね。

       

      ちなみにシュワちゃんが使っているレバーアクション式のショットガン…マルシン工業がガスガンとしてリリースしているんですが、コッキングレバーのループが普通のタイプ…狭いんですよ。スピンコックをやるなら大きいループのものが楽…というより、普通の奴だと手をひねってしまいます。そんな訳で映画でスピンコックのシーンを見ると、レバーのループが大型のものになっているんです。それとマルシン工業さんはウィンチェスターのガスガンもリリースしているんですが、どちらにしてもスピンコック非推奨です。やったら壊れますのでご注意をば。

       

      ところが「ゴールデンカムイ」の土方のウィンチェスター…コレもループはノーマルタイプ。でも上のコマを見てみますと…土方は指だけでスピンコックをしている…という描写になってるんです。コレ、ワタクシちょっと感動しました。(笑)銃身も恐らくはフルサイズではないカービンになっているのも敢えて、でしょうね。何せ土方の愛刀・和泉守兼定は現在どこぞに所蔵されているものをかなり正確に模写している…なんて評も聞こえてきましたし。

       

      思えば、土方にレバーアクションライフルって、理にかなっている気もします。土方は老いたとはいえ凄腕の剣士な訳ですから、当時の主流とは言えボルトアクションライフルでは操作に両手を使うので刀は使いにくいでしょう。しかもこの時代のボルトアクション銃は1m超えのものが殆どでしょうし、取り回しにも難があって刀主体で戦う土方とは相性最悪と言えます。だからといって拳銃では見栄え的に物足りないし、接近戦向きとはいえポンプ式ショットガンも結局両手を使う訳で。そうなると、スピンコックで片手でも使えない事は無い…土方は老いたとは言え剣豪…腕力や指の力は十分な筈。スピンコックを指先でやってのけるのも、幕末の動乱や戦場で暴れまわった男には造作もない…しかもスピンコックは見栄えが良いし、銃を振り回して敵へのけん制としても使えそう…銃を刀と併用して戦う土方、という…何ともイメージにピッタリマッチした武器チョイスだと思うのです。

       

      さて、今後も展開に目が離せない「ゴールデンカムイ」…どう決着つけるのか楽しみな作品です。

      | 零哭堂 | ライバル列伝 | 21:44 | comments(2) | - |
      最後の豹変と凄すぎる殺陣
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        マーベルコミックを原典とするオールスター的な映画「アベンジャーズ」シリーズの最新作「エンドゲーム」に日本の俳優である真田広之さんが出演、ワールドプレミアにも参加する…というニュースが出ています。真田さん、「ラストサムライ」の出演で世界的に知られる俳優となっていますが、元々「キィハンター」や「服部半蔵影の軍団」といった作品で知られる日本を代表するアクションスター・千葉真一さん率いるJAC(ジャパンアクションクラブ)に所属していた人なんですよね。

         

        そこで、今回は真田さんが演じた悪役キャラクターでインパクト抜群だったこの人をご紹介。

         

        映画「必殺4 恨みはらします」 奥田右京亮

         

        奉行所で南町奉行を見習い与力が刺し殺す事件が起きた。同心たちはもみ合う2人を部屋に閉じ込め揃って奉行を見殺しにしたのだが、何故かそこに居合せた主水が一方的に責任を押し付けられることに。死んだ南町奉行の後釜として、若く美しい容姿の奥田右京亮が赴任。早速主水は奉行を見殺しにした件で嫌味を言われてしまう。

        おけら長屋にある居酒屋の女主人・おふくを口説きつつヤケ酒を煽る主水。そんな中おけら長屋に旗本衆の子息たち愚連隊が馬に乗って押し入る。その時、1頭の馬がいきなり暴れ出し馬に轢かれそうになった子供を救った老人が死んでしまう。暴れた馬の脚に十字手裏剣が刺さっていた事に疑念を持つが、右京亮から詮索無用と言い渡される。

        そんな折、主水達の元締めに仕事の依頼が。標的はおけら長屋に押し入った旗本衆の3人。仕事料の安さから殆どの仕事人が依頼を蹴る中、秀の反対を押し切った主水と旅渡りの仕事人・わらべや文七が的争いをする事に…

         

        というのが物語の概要。

        真田さん演じる奥田右京亮は所謂この映画のラスボス的キャラクターで、主水と的争いをする文七は千葉真一さん、右京亮の小姓役には「宇宙刑事シャイダー」でパンツ見せまくりなアクションを披露して後にヘアヌードにもなった森永奈緒美さん…と大挙してJAC所属の俳優が参加している作品で、他にも右京亮の子飼いの殺し屋役に蟹江恵三さん、おふく役に倍賞美津子さん、元締めの弁天役に岸田今日子さん…と非常に豪華なキャストなのです。

         

        ちなみに作中でちょっとドキッとさせられるシーンがある文七の娘・おみつ…コマ使いの仕事人なんですが、演じていたのは相良ハル子さん…南野陽子さん主演の「スケバン刑事2少女鉄仮面伝説」でビー玉のお京をやっていた人でして、「必殺4」公開時に南野さんがパーソナリティをしていたラジオに相良さんが呼ばれた際は、「『スケバン刑事』でも『必殺』みたいな事やってた」と言われたとか何とか。(笑)

         

        そんな訳で、本作は前述の通りJACのイメージがやや先立っていて既存の「必殺」らしからぬ、毛色が若干違う凄いアクションシーンになっているのが最大の見どころなのです。ちなみに、メガホンをとったのはあのタランティーノ氏も敬愛しているという深作欣二監督で、「仕掛人」以来の「必殺」となっています。

         

        さて、真田さん演じる右京亮ですが…白塗りの顔にキンキラの衣装、一見女かと思える程の中世的な端正な顔立ちで、喋り方も割とゆっくりしたトーン…そして同じような格好をした小姓衆を引き連れてしずしずと歩く様は、花魁道中とまでは言わないが、何というか…耽美系キャラクターではあるものの何となく含みと言うか、内面の毒々しさ、得体の知れなさの様な"危なさ"を漂わせているんです…が!!彼の悪役としての魅力というのは、

         

        時間くらいあるこの作品の最後の最後、それこそラストの5分程度…これに集約されてるんです。コレがね、ちょーカッコ良くてしかもちょー強いんだわ、コレが。前作に当たる「必殺3」でも、かんざしをかなぐり捨てて刀を振り回す秀の殺陣に「『必殺』らしい様式美をかなぐり捨てた」…なんて評があるんですが、「4」においてもこのラストの対決シーンは「必殺」らしからぬアクションシーンになっているんです。薙刀を華麗に、かつ豪快に振り回す右京亮にさしもの主水も手も足も出ない…というすさまじい強さと、今までの彼に対する印象を完全にひっくり返す台詞…ホント凄いんですよ、ええ。

         

         

        youtubeでそのシーン見つけたので挙げときますが…う〜ん…挙げといてなんですが、本編見てからコレ、見た方がインパクトあるんだよなぁ…ですから、出来れば本編を何とかして全部見てこのシーンにたどり着いて欲しいんだけどなぁ…まぁ、殺陣だけでもすさまじいカッコよさなので、お試し…という事でなら…まぁ、良いのかもなぁでもこれ見ちゃうと本編見た時の迫力が…。

        | 零哭堂 | ライバル列伝 | 18:11 | comments(0) | - |
        …お前も太ってみるか?…デブは弾じゃなかなか死なねぇぞ…
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          私の様なデブというのは、世の中では肩身が狭いのです。エレベーターで重量超過のブザーが鳴ろうものなら先に乗っていたにも関わらず睨みつけられ、夏の満員電車では特に若い女性から露骨に嫌な顔をされます。アメリカでは禁煙車と肥満体はその学歴や能力がどうであれ一流企業では出世できない…なんて話もあります。理由は自分の身体の維持管理も出来ない自分に甘い奴…と判断されるからなんだとか。

           

          だが敢えて言おう!!

          我々の身体は余人より過剰にカロリーを摂取してきた賜物…贅肉とは読んで字のごとし、「贅の限りを尽くした肉」に他ならないのです。そんな贅肉を、痩せたいからと言う理由で高い金払ってジムに通いそぎ落とす…それこそ資本主義に踊らされる哀れな存在ではなかろうかと!!食べたいという欲求からも、そして痩せたいという欲求からも逃れられないなんて、デブより余程自分の欲望に弱い、自分に甘いという証拠であろう。むしろ自身の健康や世間の評価すら無視し、デブであり続ける事を貫くデブこそが、真の意味で鋼の意志の持ち主と言えるのではなかろうか!!

           

          そもそもどーせ私らの世代には豊かな老後なんてありゃしない。年金なんざ当てにできそうもない。だったら自分の体形と同じく、短くとも太い人生を歩みたいですわ。

           

          …まぁ、半分くらいは冗談ですが、フィクションの世界にはデブなのに魅力的なキャラクターというのがいます。その代表格が、この人物かと。

           

          漫画「strain」より 祭紫明

           

          「strain」という漫画は、「サンクチュアリ」や「HEAT-灼熱-」「BEGIN」等でお馴染みの武論尊(史村翔)先生と池上遼一先生のタッグで描かれた作品。舞台はマレーシアで、たった5ドルで殺しを請け負う虚無的な殺し屋・馬勇(マヨ)と日本人の父を持つ少女・シオンを巡る数奇な運命を描いた作品。日本経済が元気で、マレーシアが貧困にあえいでいる…という設定に時代を感じますが、ストレイン…「血族」をテーマとした劇画の傑作と言えるかと。

           

          で、この祭紫明という人物、華僑が牛耳るマレーシアマフィアのトップに君臨する男ですが、出自が売春婦の子供…正当な血族ではない為に巨大な華僑の組織内では重鎮たちからはいい様に使われている立場。ただ彼はその立場に甘んじず、強い野心と頭脳…言わば実力でのし上がり、最終的には組織に反旗を翻します。

           

          この台詞がまた、カッコイイんですよ。

           

          彼は自身の体躯…肥満体が醜い事を自覚しています。自身の肥満体も、組織で正当に評価されない出自も、元を正せば売春婦だった彼の母が原因。自身のキョーレツなコンプレックスの元凶…それでも彼は母親を愛し続けます。彼は美しい想い人がいましたが、彼は自身のコンプレックスからその女を暴力で縛る事しかできず、結果裏切られます。それでも、彼は一途にその女を愛していたのです。狡猾で残忍、冷酷な祭紫明…そんな彼が組織からの刺客を向けられ、追い詰められた状態にも関わらず彼を体を張って、正に命を賭して守ろうとした部下…刺客達はそんな彼に聞きます。「そうまでして守る相手じゃないだろう」と。でもその部下はこう答えます。

           

          …クク…それがそうじゃねぇんだ…おめェらにゃうちの紫明(ボス)の事は解らねェ…

          う、うちの紫明(ボス)はよォ…ああ見えても暖けェんだ…

          …親もしらねェ…名前もねェ…糞ダメのような所で這いずり回っていたオレ達を拾い上げてくれたんだよ…

          …う、嬉しかったんだぜェ…

          …れ、玲花という女だって…ボ、紫明(ボス)は最後まであの女を本当に愛してたんだよ…

           

          そう、強大な敵として立ちはだかった祭紫明ですが、意外にも非常に人間味のあるキャラクターなのです。ある意味、この作品における第三の主人公、と言える存在だと思うのです。そしてそんな彼は自身でも忌むべきものと感じていた己の肉体…デブであった事で九死に一生を得た後、華僑の重鎮である葉一族にキョーレツな意趣返しを。しかしその後、一族の長に行動を読まれ絶体絶命に…その窮地を救ったのは、彼にとって最大の宿敵であり、友だったのです。

           

          そんな彼…いや、彼等には最後にちょっとしたどんでん返しが待っていて、意外なその後が巻末にて描かれるんですが…コレはネタだけ書いても面白さは伝わらないでしょうね。作品を物語として全て読み終わった後だから、生きたシーンだと思います。

           

          武論尊&池上作品の中では評価がビミョーな気がしますが、間違いなく「strain」は傑作だと思います。そしてその魅力の一端は、人間味あふれるデブ、祭紫明の存在があってこそだと思うのです。

          | 零哭堂 | ライバル列伝 | 20:51 | comments(0) | - |
          散り際の台詞は柳沢慎吾じゃねぇぞ
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            今回の「ライバル列伝」は彼。

             

            「聖戦士ダンバイン」より トッド・ギネス

             

            「スーパーロボット大戦」シリーズでもお馴染みの「聖戦士ダンバイン」ですが、スパロボにおける「ダンバイン」の逸話は結構多いんです。例えば、スパロボ最初のオリジナルロボ、搭乗者の精神エネルギー(プラーナ)を糧とするサイバスターは、現在のスパロボのスタイルを確立させた「第2次スーパーロボット大戦」に「ダンバイン」を参戦させたかったものの、諸事情により断念、代わりに追加された、というのが誕生の理由…というのは有名な話。マジンガーやゲッターと同列扱いにする為、サイバスターを主役メカとする架空のロボット作品として「魔装機神サイバスター」をでっちあげた訳です。そしてその「サイバスター」の世界観を軸に展開する「スーパーロボット大戦EX」にて「聖戦士ダンバイン」は初参戦、サイバスターと共演を果たす事に。

             

            他にも、「スーパーロボット大戦F」で戦闘デモの際にキャラクターがしゃべる仕様になった際は、当時声優を引退し音信不通となっていたトッド役の逢坂秀実氏を興信所まで使って探し出し、出演してもらった…なんてエピソードも。逢坂氏の捜索にはショウ役の中原茂氏も協力したんだとか。同様に「超電磁マシーン ボルテスV」の剛健一役・白石ゆきなが氏も「新スーパーロボット大戦」の時には声優を引退していて、スパロボへの出演で声優としても復帰したんだそうな。

             

            さて、トッドです。「聖戦士ダンバイン」という作品はロボットアニメではあるものの、フォーマットはファンタジー世界を舞台にした戦記的なものになっている為、一見仰々しく思えてしまうキャラクター同士の掛け合いが見事にハマる作品でした。アニメファンには「富野節」なんて言われる台詞の言い廻しなんかも「ダンバイン」ではバッチリ決まっていましたね。

             

            ただ、「ダンバイン」のライバル…というと、最終回、ショウと刺し違えたバーン・バニングスだという人は多いんでしょうが、私としては、断然トッドなんです。考えてもみて下さい。バーンは地上から召喚されたショウ、トッド、トカマクの3人の上官的なポジションで、ドレイク軍の筆頭騎士の様な存在…ではあるんですが、序盤から連戦連敗、騎士の出である事に誇りを持っている割に、卑怯、卑劣な事も結構やる男。正体バレバレの黒騎士として再登場した当初…ズワァースに載っていた時は強敵としての存在感を発揮していましたが、結局地上に出てからはいいところナシ…撃墜されて救助された漁船?の甲板で体育座りで涙を流すことに。

             

            その後搭乗するガラバが…オーラバトラーではなくオーラファイター…モビルスーツに対するモビルアーマーの様な存在なんですが、「ガンダム」とは違ってオーラバトラーはやっぱり剣で斬り結ぶ戦闘が魅力な訳で、剣を使えないガラバはイマイチ魅力に欠けます。そこそこ量産されていてゼットとかも乗ってましたし、専用カラーとかでもないのがまた痛い。ハイパー化しても、エレ様にオーラ力を封じられたりとイマイチな印象が付きまとうんです。

             

            一方、トッドはドラムロでやられて戦死したと思いきや、マーベルを召喚したナックル・ビーに救われていて、ビショップについてピアレスを駆って再登場…このピアレスとショウのダンバインの激闘が、まぁ迫力あるんですよ、ええ。その後もドレイクの元に戻りライネックで執拗にショウを狙う訳です。そして戦いの最中、剣で斬り結びながらショウやマーベルと交わす会話がまぁ、また良いんだコレが。

             

            「貴様のおかげで俺は地獄を見たんだよ!」

            「他人に説教する程歳をとったのかよ、ショウ!」

            「ショウ・ザマ、貴様がいなければ戦いは地上まで拡大しなかったんだ!」

            「おふくろに心配かけただけ無益だったってことさ。バイストンウェルで終わらせるだけで良かったんだ!」

            「西部のイモには分からん事さ!東部の落ちこぼれの事はなぁ!」

             

            …とまぁ、名台詞が飛び出す飛び出す…名台詞も

             

            「私は騎士の出の筈だ!」

             

            みたいな若干情けなさを含むものが多いバーンとはえらい違い。逢坂氏の演技自体はそんなに際立って上手い…という訳でもないんだけども、台詞回しがとにかく独特で、その声質もトッドのキャラクターにホントぴったりなんですよ。「聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説」というプレステのゲームでは代役で堀内賢雄氏が声を担当していたんですが、正直物足りなかったです。スパロボスタッフが興信所使ってまで逢坂氏のトッドに拘ったのも、アニメ見ていると納得なのです。

             

            思えば、ショウにとってはトッドって鏡というか、影と言うか…対の存在なんですね。時を同じくしてバイストンウェルに召喚されたものの、片や反ドレイクの聖戦士として成長、片や野心を持ちつつもくすぶっている…トッドというキャラクターは、「ドレイク側に残ったショウ」の姿なんだと思うんです。だからこそ彼はショウに拘り続け、ショウもトッドを止めたいような台詞を吐いていますし、視聴者も彼の言動には注視してしまうんです。

             

            「良い夢を…見させてもらったぜ…」

             

            という彼の最後の言葉、それを受けてのショウの

             

            「これが…いい夢でたまるかよっ!!」

             

            は、ショウだけでなく視聴者の思いも代弁してくれている…そんな気がします。

            彼の死に際し、ドレイクはトッドの故郷で彼の最愛の母が住むボストンへの攻撃を控えるよう通達を出します。ドレイクもトッドの死には、何か思う所があったのでしょうね。

             

            ちなみにトッド、「スパロボF完結編」からドレイク軍を見限って自軍に参加してくれるんですが、この理由がドレイク軍が彼の生まれ故郷であるボストンを攻撃した為。最愛のおふくろと故郷を守る為に単身ドレイク軍の大群の前に立ちはだかります。これ以降も、トッドはスパロボではフラグ次第で仲間になるキャラクターの代表格になる訳ですが、アニメ本編見てるとね…分かる気がします。スパロボスタッフがトッドを殺したくない理由が。

            | 零哭堂 | ライバル列伝 | 00:01 | comments(2) | - |
            あんたの男が光って見えるぜ
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              さて、「主人公」「脇役」ときたらやっぱりコレですね、そう、「ライバル列伝」です。

              え?「脇役列伝」で紹介したボー・ブランシェは御神苗のライバルだろ?

              …チッチッチッ…彼は、自称ライバルです。そのポジションこそ似合っていると思うのです。

               

              そんな訳で最初に紹介するのは、私が最も好きなライバルキャラクターと言っていい男。

               

              「戦闘メカ ザブングル」より ティンプ・シャローン

               

              ご存知、「戦闘メカ ザブングル」のライバルキャラクターです。この「ザブングル」にはもう一人…"たれ目"ことキッド・ホーラというライバル的立場のキャラクターが存在する訳ですが、彼はジロンにとっては親の仇であり、それこそ惑星ゾラの「泥棒でも人殺しでも3日逃げおおせれば無罪放免」という鉄の掟を無視してまで拘り、追い続けた彼の方が、やっぱりライバルとしては格上ですよ。しかも彼には「イノセントに雇われている仕掛け人」という、惑星ゾラやジロン達の行く末を決定づける設定を当初から与えられているキャラクターですからね。

               

              …まぁ、一応ホーラの方にもエルチを巡る恋敵、ではあるんですが、これはどういう訳かティンプも終盤で参戦したしなぁ…。

               

              彼…ティンプの魅力といったら、やっぱりその2面性。黒いテンガロンハットに黒いポンチョを羽織り、滑車付きのブーツを履いて腰に下げるのはコルトSAAの2丁拳銃…というマカロニウエスタンにでも出てきそうな出で立ちで、性格はニヒルで自信家、したたかな渋い男…の筈なんですが、まぁ色々ズッコケるんです。葉巻に火をつければあちこち火傷したり燃やしちゃったり、崖から駆け下りれば止まれなくなり、颯爽とコックピットに乗り込む筈がキャノピーに顔面を強打…ニヒルに大物ぶる割に、やる事なす事どこかおっちょこちょいな地が出てしまう…以前記事を書いた破嵐万丈がコミカルな一面もあるが決める時は決める主人公ならば、このティンプ・シャローンはカッコつけ。ただいつも決めるつもりが決まらない…そんなキャラクターなのです。

               

              ジロンにとっては憎い親の仇、確かに銃の腕もウォーカーマシンの操縦技術も一流…しかも計算高く冷酷、と絵に描いたような悪役ライバルな筈が、何故か徹頭徹尾決まらない。そんな彼のキャラクターは、「戦闘メカ ザブングル」という作品を象徴している様にすら思えるのです。

               

              「機動戦士ガンダム」で一躍名声を手にした富野氏が続けて世に送り出したのはあの「伝説巨神イデオン」…決して真に分かり合えないハードな作風でラストも富野氏の異名を決定づけた「皆殺し」…恐らくは精神的に大いに消耗したであろうその反動が、本作「ザブングル」…そんな作品のライバルは、主人公の仇敵でありながら何と最後まで生き延びてしまう…ココがティンプのティンプたる所以…と言えるんじゃないかと。

               

              ティンプの凄い所は、銃の腕でもウォーカーマシンの操縦技術でも、その計算高さでもないんです。生き延びるためには手段を選ばない節操のなさ…いや、プライドのなさ、と言ってもいいかも知れません。彼は窮地に落ちいったら誰よりも早くトンズラします。その逃げ足は作中、あのバイタリティの塊の様なジロンの追撃を振り切って生き延びた事からも分かるというものでしょう。そして普段はやたらニヒルにカッコつけているクセにいざ窮地に立つともうなりふり構わずどんな情けないことをやってでも逃げおおせる…いやぁ、実の所、ジロン以上にティンプって生きる事への執念が強い…悪あがきの天才、と言えるんじゃないでしょうかね。ピンチに命からがら逃げおおせた後に、

               

              「出来る男ってのは死なねぇのさ。カッコつけて死ぬ奴は二流よ。」

               

              とか言ってニヒルに笑いながら自分の往生際の悪さを肯定する…それがティンプという男です。(笑)

               

              何よりも生き残る事に執着する…そういうキャラクターだからか、ゲームなどに登場すると美味しい役を任される事が多いんですね。スポット的に味方してくれたり、土壇場で敵を裏切ったりと彼らしい活躍をするゲームも多いようです。「スーパーロボット大戦Z」シリーズでは、「ビッグオー」のベックや「ボトムズ」のカン・ユーと凸凹トリオを結成していましたっけ。

               

              あ、ちなみにゲームとかだとやっぱりティンプはブラッカリィのイメージが強いかも知れませんが、実は彼、ブラッカリィに載ったのは最終話のみだったりします。ガバメントタイプの後はしばらく未登場で、再登場の時はシャア専用ザクみたいな色のカプリコタイプ、以降は主にデラバス・ギャラン級のギブロスの艦長としてアイアン・ギアの前に立ちはだかります。ブラッカリィはむしろゲラバ・ゲラバがよく使ってましたっけ。

               

              そんな訳で、ティンプの搭乗機というと序盤のガバメントタイプのイメージが強いんですよね、私の場合。

              | 零哭堂 | ライバル列伝 | 08:00 | comments(0) | - |
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