兎年、という事で(違う)

  • 2023.01.17 Tuesday
  • 23:01

今回は前から書こうと思っていた人。


バーニィ に対する画像結果

「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」より バーナード・ワイズマン

 

はい、ご存知バーニィです。

ホントはクリスマスに書こうと思ってたんですけどね。

 

よく「0080」をジオンサイドから描いた作品でバーニィが主人公…なんて勘違いをしている人もおりますが、「0080」の主人公はアルフレッド・イズルハという少年。戦争の最中でも比較的影響を受けていなかった中立のコロニーを舞台に、戦争やモビルスーツに憧れを抱く少年の視点からひょんな事から巻き来れれた戦争の悲劇を描いた作品。バーニィは重要なキャラクターではありますが決して主人公ではありません。但し、アルはどちらかというと視聴者の視線を担う様な立場、かつ語り部的なポジションでもあるので物語的に言えば主人公の様なポジションではありますが。

 

さて、バーニィと言えば、未だ根強く残るザクマニアという偏見…これは旧「スパロボ」シリーズにて、シナリオ的に出番が乏しいバーニィを特徴つける為なのか重度のザクマニアという設定を勝手に付加されてしまった為で、「0080」作中では搭乗機ではありますがウラキとは違ってザクマニア的な演出や描写は皆無なのです。つまり、100%ウインキーソフトのやらかし案件。動画配信とかで古い名作にも簡単に出会える今とは違い、確かに旧「スパロボ」の頃は参戦作品の原作を簡単に視聴できなかったのは事実ですが、「0080」はそこまで古い作品でもないのだから、スタッフのセンスの問題だと思うんだな、コレは。

 

そんなバーニィ…最近の「スパロボ」…っても、最近の「スパロボ」に参戦してないんですが(苦笑)…それは置いておいて、撃墜されたザクを独力で修理し、罠などの奇策を用いて最新鋭ガンダムと引き分けた、というのを考慮し、大器晩成型で大事に育てるとステータスの伸びが良い、癖はあるが有用な精神コマンドを覚える、なんて形で使えなくはないパイロットと設定される様になりましたが、旧シリーズではカツ辺りとどっこいのステータスで自爆戦術要員みたいな形に。

 

個人的には、どっちもバーニィっぽくない気がするんですよ。

ガンダムと引き分けた件についても、アレックスがニュータイプであるアムロ用に設計、調整されていて常人には扱いきれないレベルのピーキーな試作機であり、クリスの腕が悪いとか以前の問題があった訳です。更に言えば直前のケンプファーとの対決時に受けたダメージとかもあった筈で、完調とはいかない状態だった訳です。ガンダムと引き分けた…というのは事実であっても、状況とアルが住むコロニーを守りたいというバーニィの想いが生んだ奇跡だったのではないかと。

かといって、旧シリーズの様な扱いは…ステータスの低さはともかくとして、自爆要員扱いは…彼は決死ではあったが自殺する為にアレックスに挑んだ訳ではないと思うので、なんか違うと思うんです。

 

…そう考えると、「0080」の参戦率が高くないのも分かる気がします。(苦笑)

 

ともかく、バーニィの魅力って…普通の兄ちゃんって部分だと思うのですよ。

基本的に温和で当初は邪険にしていたものの、アルに対しては面倒を見ている内にすっかりいい兄貴分になった面倒見の良い、あるきっかけで知り合ったキレイなお姉さんにすぐ好意持っちゃう、ちょっと見栄っ張りで嘘がヘタな…そんな、どこにでもいそうな普通の兄ちゃん。

そんなどこにでもいそうな普通の兄ちゃんが仲間を失い作戦失敗、その結果コロニーに核攻撃が迫る状況から一度は逃げようとしたものの、決死の覚悟でガンダムに戦いを挑んだからこそ胸を打つのではないかと。それこそ、ノベライズを担当した結城恭介氏が

 

「アニメの悲劇的な結末を踏まえて、苦悩の末に蛇足と知りつつあえてこうした」

 

とバーニィの顛末を改変してしまう程。

もうね、ガンダムと引き分けたバーニィは経験を積めばエースになれたかもしれないとか…そういうのはどうでもいいんですよ。

普通の兄ちゃんが決死の覚悟で挑んだ戦いだからこそ、その悲劇がアルに…我々にダイレクトに伝わってくるのではないかと。

 

余談ですが、「0080」は意外と「マクロス」との関りが深かったりします。

美樹本氏以外でも監督に抜擢された高山文彦氏…この人も「マクロス」で演出を務めていて、プロデューサーの高梨氏によると「マクロス」で気に入ったエピソードの演出が全て高山氏だった事がオファーのきっかけたったんだそうで。

キャラクターデザインの美樹本晴彦氏は今では「ガンダムエース」で「エコール・デュ・シエル」を描いていたり…って、"今では"という程最近という訳でもない上に未完状態ですが、ともかく「ガンダム」の仕事をしていても違和感はなくなってますが、当時としてはどうしても美樹本氏は「マクロス」のイメージが強く、ある意味ガンダムファンには忌避感があったかも知れません。まぁ、当時から既にスニーカー文庫のノベライズの表紙絵とか色々「ガンダム」に関わっていたりしますし、そもそもアマ時代は「ガンダム」の同人誌を河森氏と描いていたりしていたんだそうですけどね。

 

更に言えば、「3×3EYES」のOVAの主人公とヒロインの声が辻谷さんと林原さんなのも、「0080」のバーニィとクリスからなんだそうな。
 

…ビデオレターのシーンは今見ても…最初に「0080」を見た小学生の頃と変わらず泣けてしまいます。

 

…私も、忘れてないよ。

男のやせ我慢、粋に見えたよ

  • 2022.11.23 Wednesday
  • 21:12

なんか詳細はよくワカランのですが、秋元軍団のアイドルに熱愛報道という文春砲が出て、それがキッカケで謝罪&卒業という事態になったんだそうで。まぁこのアイドルの人、グループメンバーのスキャンダルが報じられた際はそのメンバーに苦言を呈する様な発言をしていて、「風紀委員長」みたいに言われていてそれで人気を得ていた、という経緯があったらしく、それで今回の文春砲…という事で、裏切られたと憤るファンがグッズを粉砕した画像とかをSNSにあげたりとかしていて、その結果…まぁ、卒業に"追い込まれた"というのが事実でしょう。まぁ、昨今の問題政治家連中よりは素早い判断だったのかな、とは思います。

 

でもなぁ…個人的にはわざわざグッズを粉みじんに粉砕してそれをSNSにアップするファンの行動もどうかと思うのですよね。他のメンバーには好き勝手言ってファンに良いカッコしておいてコレかい!?というのはまぁ、分かる気はするんですが…そもそもアイドル=恋愛禁止とか時代錯誤なんじゃねぇか?と。ドルオタってのはよっぽど潔癖で純粋なのかね?

 

 

…まぁともかく、ここで注目したいのがこの人物です。

 

漫画「ぐらんぶる」より 今村耕平

 

主人公・伊織の親友である今村耕平です。

 

彼は金髪イケメンの容姿とは裏腹に重度のアニメオタク…「魔法少女ららこ」の大ファンでアニメのプリントTシャツを日常生活でもさらりと着こなすナイスガイです。2次元にしか興味がない…というよくある拗らせ系オタクとは違い、人見知りの気はあるが、3次元女子に対するスケベ心も年相応に旺盛というキャラクター。

 

彼は「魔法少女ららこ」の声優・水樹カヤの大ファンであり、ダイビングサークル「PaB」に入った切っ掛けこそ伊織に騙されてではあるものの、敬愛してやまない水樹カヤがPaBがたむろするダイビングショップ"グランブルー"の常連客である事を知ってからはダイビングにも積極的になり、運動神経が良い訳ではないものの呑み込みが早く、水に苦手意識を持つ伊織の様な失態を犯していなかったりします。

 

そんな耕平ですが、PaBメンバーから水樹カヤが結婚…その結婚祝いの相談をしていると告げられた際は血反吐を吐いて卒倒、気を失ってしまう程ショックを受けます。メンバーには耕平が水樹カヤの大ファンだと言う事は周知の事実…お祝いはしたいけど耕平の気持ちを考えると…と悩む面々に対し、耕平は悲しみに耐えつつ宣言するのです。

 

俺は結婚祝いに賛成だ、と。

 

ファンの鏡としてKAYA様の幸せを願いたい…その思いとは裏腹に体が拒絶してしまう…そんな状態になりながらも仲間が自分抜きでお祝いする事を拒否し、自分がカヤの結婚を祝福したいと思う理由を語るのです。

 

「彼女が声優という人気商売をやっているからだ。

仕事柄、結婚を発表するのは怖かっただろう。

ファンの中には心無い言葉を浴びせたヤツだっているかもしれない。

そして俺はそれなりのレベルのKAYA様ファンだ。

そこで俺レベルのファンが祝福する事で、彼女にこの結婚を―

幸せなものと思ってもらいたいんだ。」

 

いや、カッコイイですよね、彼。ホント、ファンの鏡だと思うのです。

愛のままにわがままに君だけが僕を傷つけない…と思い込むのは真のファンではないし、そもそもそれはファンとしての愛ですらない。彼の言葉にはそういう思いが感じられるのです。例えるなら

 

この人の精神だよね。

 

この「でも幸せならOKです」という言葉もある種のネットスラング的なものになってしまっていて、今回の様なアイドルとかの婚約発表や引退発表とかの際に半ば悲しむファンを煽る様な使い方をされてしまっている風潮があるんだけども、これはガッカリというか、残念ですよ。

この言葉、他人が茶化して言っていい物でもないんですよ。自分があふれ出る思いを、悲しみを胸の奥底に隠して…やせ我慢して応援するってのが粋なんですよ、ええ!!

 

KAYA様の結婚発表を聞いた耕平の

 

「俺は真のファンとして!彼女の幸せを心から祝う!!」

 

というやせ我慢、カッコイイと思うのです。

 

そんな耕平ですが、密かに伊織に思いを寄せるケバ子(愛菜)を応援する様な行動が最近増えています。何だかんだ言って伊織はモテモテで、ケバ子、犬猿の仲から一転して告白にまで至った桜子、そして徐々に思いを自覚し始めた千紗…と、鈍感朴念仁っぷりを見せつけている訳ですが、耕平はケバ子の応援をするに至り、ケバ子の親友3人からも「彼女をよく理解した異性の友達か、はたまたそれ以外か」と言われていたり、耕平自身が催眠術にかかる事によりケバ子が彼にとって「二番目に重要なもの」もしくは「最も身近なもの」「生活の中心を占めるもの」である分かってしまった訳で、物語的にはケバ子とくっつきそうな気配満々です。でも彼自身は"恋愛ゲームの親友ポジション"だと思っている様で…という事で、今後の展開も要注目ですな。

愛すべき馬鹿の見本の様な男

  • 2022.11.12 Saturday
  • 22:07

久々の「脇役列伝」ですが、今回はこの人。

 

「処刑ライダー」より スカンクさん

 

誰だよ!?って感じですよね、ええ。分かります。

私がガキの頃はテレビ各局で曜日を変えて、21時から2時間枠のロードショーがありまして、そこで色々な映画を毎週放送していたのです。ウチでも何回か記事にしている「木根さんの1人でキネマ」という漫画でもしばし言及されていますが、私ら位の世代の映画と言えば、映画館で見るものでもレンタルビデオで借りて来るものでもなく、ましてやネット配信で見るものでもなく、テレビで見るもの…だったんですよ。金もかかんないし、毎週勝手にセレクトして放送してくれるのが逆に面白かったんです。

 

そういや今でも「午後のロードショー」で好きな映画…「トレマーズ」とか「コマンドー」とか「プレデター」とかやると、例えDVD持ってても思わず「うわっ!!見てえ!!」と思ってしまうのもそういう原体験からなのかも知れません。

 

さて、今回紹介するスカンク…「処刑ライダー」という映画に登場するキャラクターでして、この映画を初めて見たのもテレビのロードショーでした。ジャンルはカーアクション&サスペンスといった所で、街で高価なクルマをイカサマレースに誘いクルマを強奪する暴走族を、謎の黒いスーパーカーが退治していく、というシロモノ。まぁ正直、この映画のストーリーとかはどうだっていいんです、ええ。(断言)

 

この真っ黒いスーパーカー…ターボインターセプターと呼ばれているんですが、次々と暴走族を事故死に追い込み、例え破壊されてもすぐに復活するこのマシンを駆るのは流れ者の青年・ジェイクで、実は彼はかつて暴走族のリーダー・パッカードに殺害されたジェイミーだった…という、まぁありふれていると言えばありふれているものに過ぎません。んで、ジェイミーが殺害されたのはパッカードがジェイミーの恋人だったケリーに横恋慕していたからで、ジェイミーはジェイクとして復讐の為にあの世から舞い戻って来た、と。

 

んで、スカンク君ですが…ハッキリ言って本作では主人公のジェイクや仇敵であるパッカードより目立つキャラクターになっているのです。彼はパッカードの手下の1人に過ぎないんですが、キャラの立ち方が圧倒的。ターボインターセプターとレースをせず殺されるという役回り的には雑魚キャラに過ぎないんですが、それでも本作を代表するキャラクターであり、目立っているのです。

 

スカンクは派手なモヒカン、革製のネックレスにベストという「北斗の拳」の雑魚風な出で立ちのキャラクターで、愛飲するのはエンジンオイルです。

 

…エンジンオイルなんです。(笑)

 

エンジンオイルを飲んでは、「き、効くせぜぇぇぇぇッ!!」なんて、真夏に仕事帰りにビアガーデンで一杯引っかけているオッサンみたいな事を…これだけでも完全にいかれてるのが分かるというもの。流石に心配したパッカードに、「脳が腐る前にやめろ」と諭され、「分かったよ」と答えた直後、

 

この有様。

 

全然分かってねぇじゃねぇか!!(笑)

終始こんな感じのスカンクさん…馬鹿丸出しというかなんというか…でもなんか憎めないんですよ、この人。

しかしパッカード…横恋慕の挙句人殺しまでする外道なのに、仲間には優しいよな。

 

んで、彼の愛車がコレ。

 

処刑ライダー スカンク に対する画像結果

プリムスバラクーダ

 

…今ワタクシがハマっている激突系ゲームゲーム「Wreckfest」に出てきそうなクルマですが、サイドにはスカンクさんが勝利した相手のマークが刻まれていまして…

 

 

クルマ4台、バイク3台、車いす2台、犬1匹…(笑)

 

単純なスジの映画ですし、あからさまに"アメリカの暴走族"らしさに溢れたパッカード一味とターボインターセプターの対決とかは結構迫力がありますが、まぁ基本的には分かり易いB級映画です。一応、同年公開された「プラトーン」で一躍人気俳優となるチャーリー・シーンが主演していたりはするんですけどもね。そんなB級映画たる「処刑ライダー」…意外とカルトな人気があるんですが、その人気を牽引しているのは実はスカンクさんのキャラの立ちっぷりだと思うのですよ、割と本気で。

 

ちなみに劇中では謎のクルマだったターボインターセプターですが…実は量産はされていませんが実際に存在する車なのです。

 

 

元々は、現在佐藤琢磨選手が活躍しているインディーカーシリーズのペースカーとして制作された実走可能なコンセプトカー・ダッジM4Sをそのまま映画で使用しているんです。劇中みたいなトンデモエンジンは積まれていませんが、コスワース製のツインターボエンジンを積んでるとか何とか。カラーリングや内装、外観の細部が違う写真があるので複数台製作されているみたいです。

 

あ〜また見たくなって来たなぁ…「処刑ライダー」

大部屋俳優的モビルスーツ

  • 2022.03.02 Wednesday
  • 22:21

今回はコレです。

 

「機動戦士ガンダム」より ゲルググ

 

ビーム兵器が使えるガンダムに匹敵する能力の敵モビルスーツ…という触れ込みで登場したゲルググですが、あくまで個人的見解という前提ではあるんですが、ザクグフドムに比べると人気の点では一段落ちる印象があります。

 

と、いうのも配備開始が一年戦争の終戦間際ということで、ジオンの兵不足から学徒動員兵にあてがわれた…なんて理由で最新鋭機という割に活躍した場面が圧倒的に少ないイメージがあるのです。先ず登場した赤いゲルググ…シャア専用機ですが、テキサスコロニーでの決闘もテレビ版ではむしろマ・クベのギャンの方が目立っていた印象すらあり、劇場版「めぐりあい宇宙」ではギャンの登場がカットされていよいよカッコイイ活躍が…と思いきや、この辺りになるとパイロットとしてはニュータイプとして覚醒したアムロに置いてけぼり気味なシャアは、慣らし運転がどうたらと言い訳する始末。

 

リベンジを狙ったアムロvsシャア&ララァの変則タッグマッチでも、敵同士でありながらニュータイプとして通じ合った2人についていけず、シャアは半ば邪魔者扱いされた挙句、乱入したセイラさんに気を取られたとはいえ簡単に不覚を取り、あわや撃墜されそうな所をエルメスに庇われるという有様…。

 

その後も量産機が「流石新型!」みたいな事を言われつつ初見であったりとセイラさんに撃墜されたり、ア・パオア・クーでは実戦経験がない学徒動員兵がパイロットなせいでキシリアから「脆い」呼ばわりされ、見せ場らしい見せ場は機体に火が付き「母さん」と叫びながら爆発するシーン位なものという…。

 

その後、先行量産型がエースの手に渡っただの、キマイラ隊にエースが集められそこでジョニー・ライデンがB型とC型を使い分けていただの、ベテランパイロットほど使い慣れたザクやリックドムを好みゲルググを拒否した為、学徒兵でも優秀なパイロットむはベテランとの連携を考慮してザクやリックドムを支給、余ったへっぼこルーキーにゲルググが回されたせいで活躍できなかった、なんて設定面での補強はされたものの、正直それでゲルググの魅力が増した訳でもなんでもない訳で。

 

もうね、何が悪いって他のザクグフドムは個性が確立されてるんですよ。ザクはもうジオンの象徴ですし、グフもランバ・ラルを筆頭に親父エースパイロットご用達的なイメージが近年では確立されました。ドムに関しては重装甲と機動性を両立…という事で、映像作品でもそれぞれ見せ場が与えられているんです。少なくともゲルググよりは。

 

そもそもゲルググはよく言われる豚っ鼻…個人的にはむしろカモノハシのクチバシの様に見える顔を始め、ややでっぷりとした体形、のっぺりとした装甲表面、そして背中に何にもついていない異形…シールドを背中に背負った様は河童みたいなデザインをビミョーだとする人は少なくない印象があります。実はゲルググは富野監督のラフスケッチをもとに大河原氏がクリンナップしたモビルスーツ…言わば原型デザインは監督自ら行った機体。でもゲルググにはドムにはある…着物をはだけた武士の様なマッシブなイメージは湧きません。武装もビームライフルとビームナギナタのみであり、ナギナタは振り回す様はカッコイイものの両側からビームが出るせいでどうしても「自分を斬っちまうのでは?」という不安が拭えないシロモノ。おかげでゲームでも機体性能はともかく武装が貧相…という形になってしまっている事が多い印象が強く、強いて言えば戦争末期の高性能新型機という部分から一年戦争のサイドストーリーを描いたゲームや漫画ではライバルの最後の乗機になるケースがある…という位かも。

 

ホント、設定面はともかく描かれ方、使われ方に関しては残念なモビルスーツと言わざるを得ないゲルググではありますが、実はテレビシリーズでは「初代」「Z」「ZZ」で皆勤賞。しかもいずれも稼働機体として登場しており、劇場作品では「逆襲のシャア」にシャア専用機がシャアの回想シーンで、「F91」ではロイ将軍の博物館の展示物として登場する他、OVAでは「0083」の冒頭でガトー機、「08小隊」では特別編「ラストリゾート」にて放棄された量産機が登場、「イグルー」でもバックパック装備のカスペン機や量産機が…と、一応派生機であるマリーネやイエーガーを除外しても、これだけの作品に出演しています。各作品で印象に残ったり残らなかったり扱われ方はマチマチではありますが、その様は往年の大部屋俳優を連想させるではありませんか。

 

零哭堂はそんなゲルググが…嫌いではないのです。

ブッピガン

  • 2021.02.21 Sunday
  • 12:05

ご存知の通り、「ガンダムX」を気まぐれで見直している訳ですが、今回はライブ放送時だと「ガンダムX」の前に放送していた「W」に関わる話。

 

「サンドロック」の画像検索結果

「新機動戦記ガンダムW」より ガンダムサンドロック

 

いきなりですが、「W」の主役格の5機のガンダムの中でも抜群の不遇さを誇るのがサンドロックだと思うのです。

 

変形&高威力と引き換えに全力では3発しか撃てないバスターライフルに加え、後継機(設定では元祖)のゼロになると特殊なシステムまで付くメイン主役機のウイング、死神をモチーフに巨大鎌振り回す人気機体のデスサイズ、全身これ火器なのに撃ち尽くしてからも強くこれまた機体人気も高いヘビーアームズ、5機の中では孤高だったり敵に回ったりと特徴的な位置づけを与えられるシェンロン(アルトロン)に比べ、機体自体のデザインもやや大人しく、機体性能もウリにしているのが索敵や通信、指揮能力&頑丈さという地味なもの…尖りまくった他の4機に比べるとどうも印象が薄く、それが原因か機体人気も低い気がしてしまいます。

 

まぁ、デザインでも色々アレな部分は多い気はします、確かに。

顎の赤い奴が横に大きくて何だかアゴヒゲっぽかったり、下腕だけが何故か黒くて役所の事務の人がつけてる腕カバーみたいだったり、クロスクラッシャーという何の為なのか良く分からん、案の定ロクに使われなかった武装の存在、中盤で他の4機が「倍率ドン、更に倍!」的にパワーアップしたのにサンドロック改だけちっこいビームサブマシンガンが追加されただけ。スラスター関係も宇宙様に換装されたという設定ながら画面には出ていません。「ドラグナー」のD-3然り、通信や索敵と言ったサポートメインの機体は見た目を変えちゃダメという不文律でもサンライズにはあるんじゃないかと思わずにいられません。トドメに、ヘビーアームズ改もだけどTV版は放送時キットが発売されなかったり…。

 

マントがついたりカラーリングが変わったり武器がショーテルとバルカンのみにされたりと、「EW」版でテレビ版から大幅に変えられているのもそうですし、「スパロボ」シリーズで…コレは主に「EW」版ではあるんですが、「補給装置」やら「マグアナック隊総攻撃」が追加されたのも、サンドロック単体ではパンチが足りないと考えられていたからなのではないかと。

 

そもそもメイン武器のヒートショーテル…アレは湾曲した刃で盾で防御した相手を攻撃するエチオピアのショーテルって武器がモチーフ。本来は縦方向に振るなら湾曲した円弧部分の内側が下になる様に使う剣。でも何故か序盤ではカトル君、円弧の外側を下にして振り下ろしてました。

 

まぁ、設定ですと溶断系のヒート兵器なので攻撃の際に効率的に熱を伝達させる為にああいう形状になって、その形がショーテルに似てるって事で「ヒートショーテル」と名付けた…なんてヒヨコが先かタマゴが先か、な説明があり、円弧の外側で斬ってたカトル君の行動に関しては、優しいカトル君はなるべく敵パイロットを殺したくないからミネウチ的にそうしていた、でも中盤以降は覚悟を決めたから円弧の内側、正しい使い方でショーテルを扱うようになった…なんて考察もあります。

 

…でもヒート系溶断武器だったらミネウチもへったくれもないよなぁ…。(苦笑)

多分、スタッフが途中で「やべっ使い方間違ってた」ってのがホントの所なんじゃないかと。

 

でも、人気的な意味合いでは不憫に思えてしまうサンドロックですが、パイロットとの絆という意味では見せ場があるんですよね。自爆大好きな「W」のガンダム5機で唯一、自爆装置起動後にパイロットを脱出させる機能が備わっていて、デュオと五飛を宇宙に上げる為囮となり、追い詰められたカトル君が最後の手段として自爆装置を起動した瞬間、パイロットを逃がそうとコクピットのハッチが開く…というシーン、そうH教授が仕込んだ機能なんだろうけど、機械であるロボットが乗り手との絆に目覚めてそうしている様で、とても良いシーンだと思うのです。

 

ロボアニメはさ、やっぱり搭乗者と機体に「絆」とか「愛着」があった方が良いよね。なのにメイン主人公のヒイロが宇宙に上がった際ウイングを「捨てて来た」は無いよなぁ…。そのクセ、後継機には妙に愛着なのか執着なのか「ゼロがどうたら」「ゼロはなんたら」言ってますけどね。そういう意味で言えば不憫なのはウイングで、不遇なのはサンドロックかと。

 

あ、何だかんだ言ってテレビ版のサンドロックのデザイン、私は嫌いじゃないです、ええ。

オタクなら拘れ、語れ、されどそれを押し付けるな

  • 2021.01.23 Saturday
  • 20:16

なんだか分かりませんが、普段は殆ど反応が無いのにロボットアニメ関連の話題を出すとコメントが付きますね。

未だ私は「大惨事!!スーパーロボット大全」に引きずられているんだなぁ…と。(苦笑)

 

そんな訳で今回もロボネタから。しかも、「ガンダム」関連でございます。紹介するのはこの人。

 

漫画「プラモ狂四郎」より 阿野世清四郎

 

昔ばなしですが、ご存知の方はご存知だと思いますが…もう10年以上は前なのかなぁ…「ガンダムファン偏りの系譜」というのをHP時代に上げていたことがありましてね、今でも更新とかは随分されていないようですが、「たんぽぽ日和」というブログにて読む事は出来ます。(経緯は注意にて記載されています)コレをHPに挙げてからしばらくして、何処か有名サイトか匿名掲示板で話題にされたらしく、カウンターがとんでもなく回る様になってビビったのも今となってはいい思い出ですわ。

 

当時はまだ「種デステニー」がやっていた時期位で、「ダブルオー」以降の作品は影も形もない時代。この類型論は自称"ガンダムを愛する者"の傲慢かつ身勝手な物言いにかなり苛立っていた時代に書いたものでして、結構攻撃的というか、挑発的な文章になっているんですが、この類型論を書いた「ブラックガンダマーズ」内のコラムで、

 

「『種』が今叩かれているけど、今後『種』はまだマシだったと言われる時代が来てしまうのかもしれない」

 

という事も書いていたんです。

んで、現在…「ガンダム」関連のサイトとか閲覧する事はあんまりなかったんですが、「Gレコ」に興味が湧いてちょっとその手のサイトを閲覧するや…

 

形は変わってるけど状況はまるで変ってねぇでやんの!!(苦笑)

 

まだ私がブラックガンダマーズに留まっていた当時は「種」や「種デステニー」に対しての批判が凄まじく、その前に放送されていた「G」「W」「X」「ターンエー」に対しても賛否両論というか…排他的な一部の"純粋にガンダムを愛する者"とやらの攻撃対象になっていた訳ですが…そこに「ダブルオー」「AGE」「鉄血」「Gレコ」とかが加わって派閥抗争というか、お互いのアンチ合戦の様な状況になってますね。「種デステニー」はともかく「種」は一部再評価される様な形になり、逆に「Gレコ」の商業的失敗は富野ガンダムに対しての攻撃カードになっている始末。

 

…今、当時の私の様な「ガンダム」の現状に鬱憤が爆発寸前状態なファンが「偏りの系譜」書き直したら…凄い事になるんじゃねぇか!?(誰かやってよ/笑)

 

まぁ、「ガンダム」ならぬ「ガンダムファン」の現状が確認できたところでね、正直私は呆れ果ててしまった訳ですが、この構図、実は「Z」放送開始直前辺りにはもうこの手のしょーもない"純粋にガンダムを愛する者"がいたんだなぁ…という証拠が、この「プラモ狂四郎」に登場する阿野世清四郎…通称"アニメの清四郎"です。まぁ、当時は劇場版「ガンダム」3部作のヒットからロボットアニメブームになっていて、「エヴァ」の大ブームで湧いた勘違い「エヴァ」信者とかと同じ状況にあった、と考えれば阿野世清四郎がどの様な輩多なのかが具体的に想像できるかと。

 

まぁ、どういう人物なのかは画像を見てもらえば一目瞭然だと思うのですが、ワールドシミュレーション大会の地区大会決勝で四郎率いるクラフトマンチームが戦った相手で、アニメの設定資料やセル画なんかを売っている、言わばアニメイトの様なアニメショップの代表として出場していた人物。といっても彼以外のメンバーは金で雇われたモデラーであり、清四郎のキットも彼らが作ったもの。画像の通り、試合開始前に四郎に因縁吹っ掛けて試合ではトリプルドムで黒い三連星よろしくジェットストリームアタックを仕掛けてきますが、初登場の四郎のパーフェクトガンダム3(=レッドウォーリア)にジェットストリーム返しを食らって敗退します。

 

実はこの阿野世清四郎というキャラクター、作者であるやまと虹一氏に劇中登場するパーフェクトガンダム等のオリジナルカスタムを批判する内容…まぁ、神聖なガンダムを好き勝手やって汚した…みたいな手紙を送りつけられ、この事をネタとして作られたキャラクターだ…という話が。この逸話が事実なのか分かりませんが、本当だったらガンダムファンは80年代から全く進歩していない、という証拠に事になってしまう訳でね。いやはや、お恥ずかしったらありゃしない。(苦笑)

 

最後、阿野世清四郎は四郎から「アニメファンを名乗る資格はない!!」という言葉と共に自機を一刀両断されて敗北を喫します。

歪んだ愛というのは、本人に悪意が無いからこそより質が悪い。何も「ガンダム」に限った事ではないのですが、ファンが暴走した挙句自分たちが気持ちいい場所に閉じこもって排他的になる、という事は、そのコンテンツに何一つ良い影響を与えないのは自明の理、という奴だと思うのです。

誰だか分かる?

  • 2021.01.12 Tuesday
  • 00:51

久々の「脇役列伝」…今回はこの人!!

 

「機動戦士ガンダム」より シン少尉

 

誰だよ!?って感じですよね、ええ。分かります。(笑)

この人、「機動戦士ガンダム」の第35話「ソロモン攻略戦」に登場するジムのパイロット。ボール2機と小隊を組んでソロモン内部に侵入を果たすも、そこに現れたのはドズルの巨大モビルアーマー、ビグ・ザム。

 

相手がデカいとは言え単機、他はリックドムとザク…数は勝っている事で油断した僚機の2機が突出するのを、彼は直前に数機の味方気が一瞬でやられたの事から冷静に相手の出方を伺うべきだと制止する…この辺りから、恐らくは彼が小隊長だったのではないかと思われます。階級も尉官ですしね。

 

仲間を制止するも止まらず、ビグ・ザムのメガ粒子砲の直撃でボールは爆発四散。僚機の2機のみならず、突撃したボール部隊は壊滅してしまいます。恐怖からビームスプレーガンを乱射するシン少尉ですが、ビームはビグ・ザムのIフィールドバリアにより効果が無く、成すすべがない状態に。次の瞬間、再びビグ・ザムのメガ粒子砲が火を噴き、彼は断末魔を上げ戦死してしまいます。

 

…そう、出番はたったコレだけ。(笑)

 

しかし、意外な事に彼は古いガンダム好きにはミョーに知名度があるキャラクターなのです。その理由はコレ。

 

「1/144ジム」の旧キット箱絵

 

…箱の右下に描かれている黄色いノーマルスーツを着たパイロット…彼こそがシン少尉なのです!!(笑)

ちゃんと「ジム操縦士 シン少尉」と記載があります。この箱絵での採用の他、一年戦争を扱ったゲーム等でも彼の名が出て来る事は意外と多かったりします。たった1話にしか出番がなく、活躍したというよりビグ・ザムの強さをアピールする当て馬の様な扱いをされているのに、です。

 

この出番の割にミョーな扱いの良さ(?)の理由…それは、ジムのパイロットとして唯一名前を与えられたキャラクターという"強み"から。ジムは劇中ではボールと共に大量に出てきてはボコボコ落とされるいわばやられ役。当然、そんな有象無象のパイロットに名前なんか与えられません。MSV以降出てきて色々設定されていったり、どんどん後付けとして追加されていく外伝と称したゲーム等により今でこそジムの名前ありパイロットは結構いますが、当時はジムのパイロットと言えば名前があるのはシン少尉だけ…でもジムと言えばボールと共に連邦軍の大物量作戦を支えた一年戦争の立役者であり、欠かせない存在。故に、本編の出番とは裏腹に意外な"良い扱い"を受けているのです。

 

でもまぁ、シン少尉、唯一の名前ありジムパイロット、というだけではなく、その作中描写から察するに…的確な状況判断が出来るそれなりに優秀な小隊長だったのではないかと。惜しむらくは、勝ち戦確定で調子に乗った部下を抑えきれなかった事。まぁ、コレはジーンを抑えられなかったデニム曹長と同じですね。相手が悪すぎた、というのも同じですし。

 

ちなみにシン少尉のジムですが、

 

盾を右手、ビームスプレーガンを左手に装備

 

してるんです。コレはビグ・ザムに向けて乱射するシーンですが、このシーンより前はフツーにスプレーガンは右手に保持していたんです。ROBOT魂のジムを紹介した時にも書きましたが、ジャブロー戦でシャアのズゴックにドテッ腹ぶち抜かれるジムも、貫かれる直前まではガンダムのビームライフル持ってた、というのは有名な話。多分このシーンも同じく作画ミスなのでしょうが、個人的には自分が左利き(手か目が)なのでモビルスーツにおいてもクセで火器を左手で構えてしまう癖がある…なんてキャラクター設定を肉付けしていくのも面白いんじゃないかと。

 

…利き目が左なので長物の銃は左構えな私としては、なんか親近感がわくなぁ…と。

 

このアニメのおかげでラザニアという食べ物の存在を知りました

  • 2020.10.02 Friday
  • 21:00

今回はこの人。

 

「宇宙船サジタリウス」より ラナ

 

零細企業の運送屋「宇宙便利舎」が誇るポンコツ宇宙船・サジタリウス号のクルー、トッピーとラナは、月出の仕事を終えて帰還するもすでに次の仕事が控えていた。内容は恋人の考古学者・アン教授を連れ戻して欲しいというもの。家族との再会もそこそこに、辟易しつつ依頼者・ジラフを加え、アン教授が向かったというベガ第3星に向かうサジタリウス号。ベガ第3星では吟遊詩人の異星人・シビップが合流し…という、涙と笑いのSF冒険譚…それが「宇宙船サジタリウス」という作品。今の40〜50代の人なら、きっと覚えている人も多い筈。

 

宇宙を舞台とした冒険活劇は数あれど、「宇宙船サジタリウス」が面白いのは地球人と設定されているラナやトッピー達が動物の様な姿で描かれている点と、彼らが基本的には冴えない中年サラリーマンだった…という点なのではないかと。物語開始時点で2人は妻子持ち、平凡、平庸なキャラクターとして描かれている点。

 

つまりは、こういう男達の物語なのです。(笑)

 

そしてその平庸っぷりが、本作にはむしろ好感に繋がったと言えましょう。トッピーにろラナにしろ、とにかく日々の生活や家族といった世の「しがらみ」という奴から抜け出せなず、愚痴や文句をいいながらも体を張る姿が子供心にミョーに魅力的でしてね、手の届かないスーパーヒーローではなく、自分の親とか近所のおじさんとか…そういうのに近い印象で身近に感じたんですね。

 

そんなサジタリウス号のクルーでも、責任感が強くリーダーシップを発揮していくトッピーよりも、利己的でピンチの際には真っ先に逃げ出す自分第一な印象のラナ…私は彼の方に強く惹かれたのです。

 

まぁヒドイキャラクターなのです。窮地では真っ先に逃げ出す利己的な男なのですが、それは貧乏人子沢山状態で、自分が家族を支えねばならない…という使命感、責任感からの言動であり、本来の彼はむしろ情が厚い男。欲や金に目がくらんでトッピー達を裏切るようなケースでも、最後の最後で結局トッピー達を見捨てる事が出来ない…その姿に、人としての弱さと強さの縮図の様なものを感じたんですよ、ええ。

 

そしてラナ…利己的な性格ではあるんですが人懐っこさを感じるキャラクターでもあり、コメディリリーフ的な一面も持っています。そのコメディ的な描写で登場するのが、彼の大好物「ラザニア」でした。

 

ガキの頃、ウチの家はそんなに裕福って訳でもなかったですから外食というとファミレス程度。私がガキの頃のファミレスは、ハンバーグとかグラタンとかのオーソドックスなメニューばかりで今ほど洒落たメニューなんか無かった訳で、当然「ラザニア」なんて食べ物は食べた事はおろか、その名前もこの「宇宙船サジタリウス」という作品で知った…そんなレベルでした。そんな訳で、ラザニアを初めて食べたのは「宇宙船サジタリウス」の放送などとっくに終了した中学生の時でした。確か家族で出かけた先で入ったレストランのメニューにたまたまあったんですよ、ラザニア。

 

いや〜感動しましたよ。これがラナが大好きだった「ラザニア」かぁ…と、姉と2人、感慨にふけったものです。

 

…食べたらまぁ、目ん玉飛び出るほど…なんて事もなく、フツーだったんですけどね。(苦笑)

最強の夫婦

  • 2020.09.10 Thursday
  • 21:55

私は長期の出張になると、長編なせいで普段なかなか読み返せない作品を旅館に持ち込んで読む事が多いのです。無駄に外出歩いて散財することもないですし、車移動なので大荷物も然程苦にならないので。今回は皆川先生の「ARMS」を久々に読み返しているんですが…この作品といえば、やっぱりこの2人なんだと思いますわ。

 

高槻巌&美沙

 

物語に登場したのは美沙が先。笑顔を絶やさぬおっとりした美人の主婦で、主人公・涼の母。行きがかり上で家に迎えることになったアルすら彼女の母性にメロメロ…という、大変に母親らしい包容力溢れたキャラクター…そんな印象を読者が持ったのもつかの間、自宅に押し入ってきたエグリゴリのサイボーグ兵士達に人質にされてしまいます。しかしその直後の彼女の行動で読者は度肝を抜かれてしまいます。

 

コレね。(笑)

 

隠し持っていた拳銃で正確に相手の額を撃ち抜き、どこからともなくM60を引っ張り出してきて涼に戦闘のレクチャーを。「ARMS」に真の意味でハマったのがこのシーンから…という人は少なくない筈。実は美沙、かつて「笑う雌豹(ラフィングパンサー)」や「地獄の黒魔女(ヘルズブラックウィッチ)」の異名を持つ凄腕の傭兵で、その勇名はエグリゴリの下っ端兵士にすら轟いている…というトンデモナイ主婦。第二部「邂逅編」のクライマックスであるレッドキャップスの「スナーク狩り」では重要な役割を担います。

 

涼だけでなく、特に武士の白兎を覚醒に導いた人でもあり、涼や武士は最後まで彼女の教えを胸に闘い続けた訳です。実は涼は実の子ではないのですが、彼に対する愛情は本物。

 

「あなたはお腹を痛めて生んだ子供ではないけれど、誰よりも心を痛めた自慢の息子」

 

…この台詞には、息子・涼への母としての想いが全て詰まっている名台詞ですね。

 

そして高槻巌。皆川作品には主人公にとっては師と呼べるような存在のチートキャラクターが登場するのが常ではありますが、彼はそういったキャラクターの中でも別格というか、非常にインパクトのあるキャラクターになっています。

 

隼人との対決以降、いきなりサイボーグ兵士だの超能力者だのに追い回される事になった涼が歳不相応な冷静さと機転で危機を脱していったのは父である巌の幼い頃からの英才教育の賜物。格闘術から得意のトラップまで、涼の基本戦術は全てARMS適応者として否がおうにも危険に巻き込まれるであろう息子に彼が生き延びるためのツールとして叩き込んだもの。そして彼の薫陶を受けたのは涼に限りません。「通りすがりのサラリーマン」と称して涼達の危機の際はさりげなく接触してきて、リーダーとしての資質に悩む恵にはリーダーとしての心構えを、自らを見失った隼人には彼の内に眠る「水の心」を教えたり…とかなりおいしいポジションのキャラクターと言えましょう。

 

ただこの人…これだけに留まりません。

ARMSを筆頭として、サイボーグ化された兵士や投薬や遺伝子操作で強化された能力者が跳梁跋扈するこの漫画の世界において、忍者の末裔で嫁と同様「静かなる狼(サイレントウルフ)」と呼ばれた凄腕の傭兵…という設定はあるにせよ、生身でそういったサイボーグや強化人間…はてまた覚醒したARMS相手に互角以上に渡り合ってしまうトンデモナイ強さを持つ劇中屈指のチートキャラクターなのです。ジャバウォックの爪のかけらをライトセイバー状にして空間の断裂を切り裂く…というジャバウォックの宿主である涼すらやれなかった事をやってのける等、この人いればARMSなくてもエグリゴリ壊滅できるんじゃねぇか?という疑念が湧くレベル。

 

ただ、彼も過去の後悔を解消する為に人知れず戦っている事が発覚し、強いだけの人、完全無欠な人ではない…という人間的弱さが描かれているのです。こんなんズルいでしょ。カッコイイに決まってますわ。

 

人の足を止めるのは"絶望"ではなく"諦観"…人の足を進めるのは"希望"ではなく"意思"

 

彼の至極の明言は、日々諦めてばかりで愚痴ばかり言っている私には耳が痛いです、ハイ。(苦笑)

漫画界においても屈指の魅力を放つ最強夫婦かと思います、ハイ。

 

あ、余談ですが「スプリガン」に登場する"帰還者(リターニングマン)"の異名を持ち、トライデント側の傭兵として登場したもののクライマックスでは相棒のボー・ブランシェと共に御見苗と共闘した暁巌と名前がクリソツなんですよね、高槻巌。何らかの関係性を期待してしまいます、ええ。

信頼と実績のアーマーナイト

  • 2020.04.05 Sunday
  • 21:15

長期出張にかこつけて、3DSのバーチャルコンソールで以前ダウンロードしていた「ファイアーエムブレム紋章の謎」を久々にコツコツ、のんびりプレイしていたんです。今回も信頼と実績のアーマーナイト・ドーガさんを主力に起用。当然ですね

結果は、3マップ連続の最終章「竜の祭壇」突入時に

 

こんな感じ。

 

幸運だけ「めがみぞう」使ってドーピングしたんですが、HPがヘタれてカンストしなかったのが悔しい。後、魔防はもう少し伸ばしたかったなぁ…。まぁ、最初からずっとレギュラー張って闘技場未使用でのレベル上げなので、こんなもんかもなぁ。あ、今回「ブーツ」はマルスに使わせてます。

 

…いや、HP時代から私の記事を読んで下さっている様な方ならご存知かと思いますが、私的に「ファイアーエムブレム」と言えば、アーマーナイトなのです。よって「紋章の謎」は好きですが、シリーズでも屈指のアーマー系不遇システムな「聖戦の系譜」は嫌いなのです。同じくバーチャルコンソールでプレイして見たけど…騎兵優遇が過ぎてどうもダメですわ。まぁ逆に「紋章の謎」は騎兵が不遇になっているんですけどね。

 

ともあれ、ドーガさん。「新暗黒竜と光の剣」の序章でジェイガンに死んでもらうとドーガさんが一部ジェイガン役を務めたり、信頼補正の付く女の子弓兵のノルンを連れてきたりと活躍の場が与えられていますが、「暗黒竜と光の剣」や「紋章の謎」では台詞が死んだ時だけ…アンソロジー4コマとかでも1人称がバラバラだったりして序盤の有能な壁役というユニットとしては割と重要なキャラクターで、クラスチェンジ出来ない仕様のFC「暗黒竜」はともかく、室内戦で唯一アーマーナイト系が槍を装備できる=最終章でグラディウスを使えるのがアーマー系のみという利点もあって、「紋章の謎」では最後まで1軍で使う人は決して少なくない…筈?

 

キャラクター固有の成長率がアーマー系にも関わらず速さが高いので、むしろ守備の方がへたり易かったりするレベルなので、逆に言えば傭兵や騎兵相手に追撃可能なアーマーナイトになれる可能性を秘めているのが魅力。「港町ワーレン」や「悪の巣」といった増援がわらわら出て来るマップではなくてはならないキャラクターですよ。

 

と、言いますか…壁役って時点で私はカッチョ良いと思うんですよ。特に「紋章」は自軍が新兵&病気持ち、ベテラン兵士はゴードンと彼しかいない序盤から強力なドラゴンナイトがわらわらと出て来るので、「ファイアーエムブレム」のお約束戦術「おびき寄せ」に守備力の高いドーガさんは欠かせない訳です。戦にまだ不慣れな新兵をその身一つで敵の攻撃から守るその姿…漢じゃないですか、ええ!!

 

そう考えると、「新暗黒竜」まで死亡時しか台詞が無いと言うのも逆に「寡黙だが頼りになる存在」として渋みが増すというものです。やっぱりカッコいいよ、ドーガさん。

 

ただ、「新紋章」の所謂「ドーガ伝説」…ネタとしては面白いんですが、以降アーマーナイト=ネタ枠になってしまっている感がしてしまうのですよ。例えば以前「覚醒」のグレゴさんについて紹介した時に書きましたが「覚醒」のアーマーナイト・カラムの「際立つ存在感の薄さ」という設定…コレは正直、やり過ぎ感がありますし戦闘デモもアーマー系はあんまりカッコ良くないんです。性能的にはそこそこ優秀ではあるんですが、公式でいじめられているようで嫌でした、ええ。続く「if」では怪力のエルフィと最強壁役のブノワの2本立て…ついでに子世代にイグニス…と粒ぞろいで、エルフィは美少女なんだけど怪力キャラ、ブノワさんは強面だけど小心者で誤解されがち、とキャラも立ってますし、ジェネラルになればスキルによって追撃を無効可能なので遅いという弱点が解消できる優秀なユニットではあるんです。でも支援会話とかではエルフィは怪力、ブノワには「ブノワ伝説」とややギャグというか、ネタに走っている感はある訳で…いや、エルフィもブノワも好きですけどね、ええ。

 

何だろうなぁ…アーマー系はなんだか笑い物にされている印象が否めないんだよなぁ…「ヒーローズ」とか「幻影異聞録」とかにもドーガさん出ているそうなんですが…どうなんだろ。今後新作の「ファイアーエムブレム」を私がプレイするかは分からないんですが、素でカッコイイ、ネタに走らずともカッコイイアーマーを出して欲しいなぁ…。

 

ちなみに、光&星のオーブ持たせて闘技場フル使用&多少ドーピングした「紋章」のもう一人のアーマー・シーマさんは

 

こんな感じに。

魔防はドーガさん以上になりました。

 

ドーガさん「敵は多いなシーマ…いや、大したことはないか。今夜は俺とお前でダブルアーマーだからな」

 

と言った感じですね。サムソン差し置いて。(笑)

「グラの落日」のグラ兵をシーマとサムソン説得した後で全部味方に食わせるのはSFC版のお約束でしたが、DSの「新紋章の謎」で同じ事やるとシーマとサムソンが敵に戻っちゃうんですよね。

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